チヌが結んだ出逢い 

〜「黒鯛団子釣り名人への道」 竹下氏〜


東京と広島。

遠いですねぇ。そんな遠い地にもやはりチヌに魅了されて拘り続ける素敵な人がいます。

「黒鯛団子釣り名人への道」。知る人ぞしる超老舗のチヌ団子釣り専門のホームページです。
私もインターネットの世界に足を踏み入れた頃、確か一番最初にブックマークを付けたホームページだったように記憶しています。
実に奥深い知識と経験、そして画面を通して染み出るような人間味を感じるホームページ。すっかりファンになってしまっていました。

その後、「広島湾のチヌ釣り」高橋さんと親しくさせて戴くようになり(「いつもチヌを釣っていた」:第8頁参照)、高橋さんとのメールのやり取りの中で、「竹下さんが広島に来て一緒に釣りをする」という話を聞いたのです。

私は、不躾かつ失礼を承知である一つの衝動を抑えきれず高橋さんにメールを入れました。
「私もご一緒させて戴けませんか?」

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そうしてこの出逢いが生まれたのです。

普通に考えたら未だホームページも開いていませんでしたし、竹下さんからしてみれば一体どこの誰だか解らない私が一緒させて戴くというのは不安だったのでは...と今考えると思ってしまいます。

メールのやり取り。釣行予定の高橋さんのホームグランドと、そこでの釣法についての意見交換をしました。やはり考えが奥深い。実際に合うのが益々楽しみになってきます。

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1998年3月。場所によっては既にのっこみが始まっている時期です。
竹下さんは2日間の予定で広島に来られていましたが、私は仕事の都合で2日目のみのご一緒させて戴くことになっています。
早朝のポイント近くの駐車場。待っていると高橋さんの車が到着です。
高橋さんの隣に背の高いすらっとした人がいます。何となくイメージしていた通りの方です。
挨拶。話しかけてみると実に気さくな方。安心して会話を弾ませます。
昨日荒天の中で釣りをされているはずなので、その辺の話題から。やはり苦労されたよう。私が以前高橋さんにお教えした周防大島のポイントに入られたようです。

さて、釣り開始です。
高橋さんのホームグランドはとにかく深い。このポイントでアタリを確実にとって結果を出すには、浮きの僅かな変化を捉えないといけません。
そんな中での竹下さん。流石です。始めてのポイントで40cmクラスを筆頭に5枚の釣果。

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実に素晴らしい時間でした。
東京と広島という遠い遠い距離。普通に考えたら出逢えるはずのない”同じ価値観”を有する人との出逢い。
釣りをしながら、釣りを終えてから、あっという間に過ぎる時間の中で...私に”遠き釣友”が出来た瞬間でした。


それから私のこのホームページ「いつも海を見ていた」の立ち上げに当たっては、全体構成からその細部に渡ってまで細かなアドバイスを戴きました。「田中さんのホームページだからここまで言わせてもらう...」というようなアドバイスのメールが来たときの嬉しかったこと。

高橋さんとのメールのやり取りほど頻繁ではありませんが、時々お互いにメールを送り合うような落ち着いたお付き合いが続いていました。

そして昨年末。
竹下さん2度目の広島来訪。(「いつも海を見ていた」:第10頁参照

ここでは2日間に亘って竹下さんや高橋さんと団子釣り。残念ながら釣果の方はパッとしなかったものの高橋家で繰り広げられた宴の楽しかったこと。
高橋さんの釣友である茅渟夢想氏を交えて”同じ価値観”を基底においた尽きることのない心地よいこだわりの会話が続きます...

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2度しかお逢いしていません。
不思議ですねぇ。釣りって。
いやそうじゃないかな?一つのことに”こだわり続ける”ことがこういう素晴らしい時間を生むのかも知れませんね。
確かにインターネットが与えてくれる時間と距離を飛び越える可能性。
無限とも思えるくらいの話題を生み出すチヌ釣り。
これは重要なファクターではあるけれども、釣りだからこそ...というものでは無いのかも知れません。
私は不器用だから釣りしかありませんが、もっと他の世界でも同様な出逢いもあるのかも知れません。
でも”こだわり続ける”ってことは必須の要件(ファクター)だと思いませんか?

そんな全てのファクターが揃ってしまう素晴らしい”遠き釣友”。

また一緒に竿を出したいですね。そして尽きることのない”こだわり”の会話を楽しみたいですね。


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