180グラムの壁...参戦 G杯!
 ・・・そして海を見ていた



2000年 がまかつチヌ選手権地区予選広島湾会場

初戦 阿多田島 長浦鼻・・・阿多田島全般釣況厳しく。
  ベテラン相手。逆にリラックスできた。
  前半1時間で一枚。以後両者とも釣果無し。この一枚で初戦突破!

2回戦 宮島 革籠(コウゴウ)崎・・・こちらも厳しい。
  前半、潮上に入り苦戦。両者釣果無し。
  後半開始早々、潮上に変わった対戦相手が良型GET。焦り。
  後半終了15分前。検量サイズギリギリを取り込み。追撃に入る。
  終了5分前。30cm弱を追加。あと一枚....タイムアップ。
  数は2対1で私が多いが、相手のチヌは型がいい。負けを覚悟。
  念のため受付で重量判定。敗戦


初戦

好きな釣りだから。

「いつも海を見ていた」という自分も自分ですが、好きな釣りだから誰より上手くなりたい。そんな自分もやはり自分。
トーナメントに興味を持つ私のもう一面をオープンにします。
G杯・・・がまかつチヌ選手権。チヌ師が焦がれる一つの勲章でしょう。

そもそもメーカ主催の釣り大会に参加するのも初めてです。勝手が解らない。今年は様子見メインで...そんな言い訳じみたことを考えつつ、当日の朝を迎えました。

共にG杯に初参戦する友波さんと受付会場の小方港近くのコンビニで待ち合わせ。
一緒に受付会場入りします。
ゼッケン番号102番。そしてG杯キャップ。検量サイズの目安となる割り箸。これらを受け取ります。

勝手が一番分からないのが撒き餌。どの程度撒くのか?トーナメンターは大量に撒き餌を撒くと聞いているが...

取りあえず、オキアミ生6kg(うち1.5kgは刺し餌用も兼ねるため崩していない)、地アミ3kg、チヌパワーV9遠投,グレパワーV9遠投各一袋とオカラダンゴ半袋。初戦敗退すると滅茶苦茶余りそうな量だが、それは考えずに準備だけは家を出る前にしてきました。

G杯は1戦がたったの2時間。2時間でどの程度撒き餌を撒けるのか?まぁ撒くのが目的ではないのですが、いつもこの半分の量で8時間くらい釣りをしている私としては未知の世界です。

ゼッケン順に船割り。私は最終組である。釣り場は阿多田島とのこと。私と私の対戦相手のO氏には長浦鼻が割り当てられた。ここは釣り座が狭いので、殆ど背中合わせで竿を出すこととなります。

ベテランのO氏は気さくな方で、私もすっかり安心、おまけに名の売れた超ベテランが対戦相手ということで、逆にすっかりリラックスしてしまいました。

じゃんけんをして、釣り座分けをします。勝った方が海に向かって右側。潮は僅かに右から左へ当て潮気味に動いていますが、潮の動きが緩いのでどちらでもさほど変わらないでしょう。私がじゃんけんに勝ったので右側。

午前6時。試合開始。8時までの2時間。最初の1時間で釣り座交替です。

仕掛けは手前に緩やかに当てて流れてきます。取りあえず寄せよう。そんな気持ちで小さめの杓を使い撒き餌の投入回数を増やしていきます。子メバル、草フグ、ベラ。餌取りはこんなものでしょう。

静かな時間が過ぎます。前半40分ほど経過した頃でしょうか。浮きが滲み、そして視界から消えます。
アワセ!グンッ!チヌです。念には念を入れて慎重に取り込んだのは35cm弱のチヌです。

これで気が楽になる....訳は有りません。たった一枚です。対戦相手が自分より大きいのを釣れば終わりですし、当然複数枚釣られれば負けです。勝負は重量勝負。

場所交替。何となくチヌの気配を感じます。が、アタらない。時間だけが刻々と過ぎていきます。
「過ぎるならとっとと過ぎてくれ...」(いやいや)「もっと釣りがしたい」。おかしな葛藤。

結局そのまま試合終了。「(勝った)」

取りあえずの目標だった初戦突破が叶いました。


受付会場。友波さんが少し遅れて帰ってきました。聞いてみるとこちらも初戦突破!

第2戦

2回戦。船割りのくじを引くと47番。今度は友波さんと同船です。番号が離れているので直接対決ではありません。
我々を乗せた船は宮島へ向かいます。私と私の対戦相手は最初に降りなければなりません。

船は革籠(コウゴウ)へ向かいます。嫌な予感....
実はゴールデンウィークのコウゴウへの釣行は、G杯の下見だったのですが、この時は私は思うような釣りができませんでした。その時の嫌な感覚が蘇ります。

釣り開始。終了は正午です。

じゃんけんには負けて、私は海に向かって左側。潮上です。コウゴウは潮が下がると干出しだらけになり非常に釣りにくい。ベストな釣り座は右側(潮下)なのです。釣り開始時点では右側はまだ充分攻め易そう。

私の方は、GWの時と同じで草フグだらけ。子メバルだらけ。遠投に勝負を掛けます。

1時間経過。両者とも釣果無し。釣り座交替です。本命ポイント!ですが、もう干出しは頭を出しています。
仕掛けを流すと海面まで延びたガラ藻が道糸を捉え、仕掛けが流れません。苦しい。

そんなとき、潮上N対戦相手が良型を取り込みます。

焦り!手返しを早め、撒き餌の投入量を増やし...しかし焦りからコントロールは定まりません。
「落ち着け、落ち着け...」自分に言い聞かせます。

終了15分前。沈黙を守っていた私の浮きが滲みます。アワセ!チヌ...はチヌですが、小さい。
検量サイズあるかどうか?ギリギリのサイズです。取りあえず海水を張ったバッカンに入れます。

更に手返しを早めます。終了5分前。待望の2枚目は30cm弱。2枚合わせても重量では対戦相手に負けていそうな気がします。

もう一枚.....

時間は無情に流れ、試合終了。


受付会場で検量。小型のチヌもなんとか検量サイズでした。

私、780g(2枚合計)。対戦相手、960g。

180gの壁に阻まれて、私の2000年G杯は昼過ぎで終わりました。


感触?この180gの壁は越えられない壁ではありません。
確かに上手い人は上手いですが、参加者120人、そんなに大差は無い?
しかし、場数を踏んでいるか踏んでいないかでは大きな差があります。もっと色々なポイントへの適応力を付けなければいけません。
今回のG杯参戦は、色々な意味で勉強になることだらけでした。明日から(いや、次回から)の釣行に反映させていきたいと思います。

見ず知らずの対戦相手と交わす会話。いいものですね〜。


もう一つ。改めて認識しました。G杯は自分と対戦相手の戦いではない。結局はチヌを釣るだけのこと。そして己の弱さ(焦り等)との戦いでした。


・・・・・・・・・・まだ続きますよ。

仲良く2回戦敗退した友波さん。
私のバッカンにも友波さんのバッカンにも撒き餌が一杯入ってる。

初戦で敗退したら大島へ走ろうと思っていたのですが、流石に昼過ぎですからこれから大島へ行くわけにもいかない。(もっとも友波さんは家へ帰るだけですが)

そこで、友波さんにお付き合いいただいて、前々から気になっていた地元ポイントを確かめて見ることにしました。

佐伯郡大野町にある小田島公園。休日ともなると、公園では子供達の歓声。周囲を取り巻く護岸ではお父さん達がチヌ等を狙っています。

特に、この護岸から梅原漁港側は、昔はチヌが良く上がっていた場所です。
今は時々、希に上がっているのを見るくらい。

私が気になっていたのは、小田島公園の護岸から梅原漁港を挟んだ位置にある岩場。

釣れるはず。そんな風にいつも思っていたのでした。


実際行ってみると、潮位も低い時間だったことも手伝って、普通に考えたら、誰もフカセでチヌを釣ろうとは考えないんじゃないか?と思うような場所でした。


なにせ浅い。フルスイングしても浮き下1.5ヒロで海底の藻に引っ掛かる。

おまけに大島基準の私の目に映るこの海は....汚い。

G杯での緊張と昨夜の睡眠不足も手伝って、余り力が入りません。

友波さんをとんでもないところに連れてきてしまいました。

余った撒き餌を消化する為に、手返しを続けます。

干潮潮止まりから満ち潮へ転じたその一瞬でした。沈黙を守っていた浮きが視界から消えます。
アワセ!グ〜ンっと横走りしたのは32cmのチヌでした。


釣った本人もびっくり!友波さんもびっくり!まさか釣れるとは思わなかった...

地磯の釣りはこの意外性が面白い。やはり「いつも海を見ていた」精神?でこれからもゆっくりと楽しんでいきたいと思います。

友波さんは大島へ帰らないといけないし、私も相当疲れていたので、早々に納竿します。


今日は色々な意味で貴重な一日でした。釣りは、海は、磯は、そして友達は、やっぱりいいですね〜!

(本日の釣果2000.5.16)
チヌ35cm弱、32cm、28cm、21cm  以上4枚。

戻る     (「釣果報告チヌ」へお戻りの方はここをクリック)