剛力

本日の釣果(2000.11.3)

落とし込み、実質的な初
体験でした。

チヌ42cm一枚。
嬉しい一枚です。


落とし込み。撒き餌も団子も使わず、シンプルな仕掛けで茅渟を獲る。探り釣りと同じように自然に優しい釣りです。
私が普段やっている釣りはフカセと団子ですから、幾らその影響が小さいなどという意見を聞いたとしても、海にないものを撒いている訳ですから、できれば撒かない方がいいに決まっています。

団子釣りの団子はともかくとして、フカセ釣りの撒き餌は必ずしも必須ではないのですが、現実的には限られた時間の中で釣りを楽しもうと思うと、自分の弱さを押さえることができません。また私などは、撒き餌やその他のファクターの複雑な組み合わせで、結果として一枚釣ることに喜びを感じるタイプですから、私にとってのフカセには撒き餌は必須なのだと思います。

だから、いつかは...そんな釣りを離れる事もあるかも知れない(今は考えられないけれど)。

そうしたときに羨ましく思うのは落とし込みという釣り方なのです。自然に...また意識的に刺し餌を沈めながら釣るスタイルはフカセにも共通するところがあり、いつかはこの釣りに手を出さないわけにはいかない!と思っていたのでした。

今回、幸いにも落とし込みのベテランの茅渟夢想氏にレクチャー戴けることになり、タックルレンタル付きでお願いしたのです。


波止に付くと、先行入釣者が波止に這い蹲って何かしています。
ん?と思って見ていたら、どうやら潮が未だ低いため、玉網が届きにくかったようです。

茅渟夢想氏によると、この波止全体であがる枚数は3〜4枚程度。人数が増えれば増えるほど一人あたりの釣れる枚数は少なくなる...とのこと。ということは、あと3枚????

茅渟夢想氏よりタックルを借り受け、丁寧な指導に聞き入ります。

一通りの説明を聞き終わり、蟹を針に刺して早速開始です。

折から強風。波気だったほうが食いがいいのでしょうが、なにせ初心者。舞い上がる針に刺した蟹と落とし込みの目印を見ながら苦笑い。

それでも、何とかなるものです。

このポイントは水深15mほど。足下から3mほど下は空洞になっていてオーバーハングした状態になっています。これに一定間隔に支柱が立っています。狙いはその支柱周りです。また可能な限り足下のオーバーハングの中に餌を落としていく方がいいようです。

風を利用して、仕掛けを足下に放り込みます。

思ったより随分早く目印が沈んでいきます。針にうったBのガン玉は重いんだなぁ、と再認識しながら、表層から5m程度をテンポよく探っていきます。

竿だしから30分ほど経ったでしょうか。

目印が上から3つが海面に残った状態で沈むのが止まります。

何度もイメージトレーニングした止めのアタリですが、まさかいきなり釣れるとも思わないし、何分はじめての事なので、ん?????と不確かな気持ちのまま、竿先で聞いてみます。

重い....蟹が支柱に張りついたのかな?でもここには支柱はないけど....一瞬の間に色々考えた...次の瞬間!魚!アワセ!一瞬バランスを崩し掛けるほどの衝撃が3.6mの短い竿を通じて伝わります。

いきなりのヒット。チヌは足下の空洞の奥深くに向けて強烈に突っ込みます。なんと言ってもラインは7〜8mしか出していない状態ですから、いつものフカセ釣りとはチヌの力の伝わり方、そのダイレクトさがまるで違います。

竿を起こせばオーバーハングしたコンクリートの角に道糸が当たってお終いですし、ラインを出せば支柱に巻き付かれる可能性があります。

1:1の落とし混みようリールをそれでも何度か短く空転させながら、耐えます。

剛力! まさにそんな感じです。

足下から出ろ!出ろ!1:1のリールが歯がゆい。思うように糸が巻けない。いつも、如何にスピニングリールのギヤ比に助けられているのか、を痛感します。

やっと....チヌは沖側に向けて泳ぎました。こうなればもう心配は必要ありません。浮かせて、玉網を....と思ったら、普段は背負うことのない玉網を背負っているので、これが引っ掛かって取れない。そんなことをしていると、チヌが海面近くで反転してまた突っ込む。

そんな素人丸出しのどたばたを演じながら、なんとかその黒々とした魚体を玉網に納めました。


茅渟夢想氏に報告しにいきます。満面の笑顔で祝福して戴きました。

件寸すると42cm。フカセで釣るのとは違う新鮮な引きでした。


写真を撮ったり、ストリンガーにつないだりしながら、呑気に茅渟夢想氏に質問をしていると、どうにも質問に答えてくれている茅渟夢想氏の様子が変です。

もしかして釣れてるんですか?などと間抜けな質問をしたら(竿の曲がりを見れば解りそうなものですが)、うんうんと頷かれます。

行ってみると、これまた良型のチヌが浮いています。取り込んだのは43cmのやはり黒々としたチヌでした。流石です。

その後、チヌの活性が落ちたのか、蟹餌をフグに囓られるだけで時間が過ぎていきました。

恐らくアタリがあってもアタリを拾えていなかったのでしょうが、少なくとも蟹を潰されるようなことはありませんでした。

茅渟夢想氏はやはり流石です。そんな中で30cm少しオーバした2枚目を掛けます。


結局、波止全体で4枚。茅渟夢想氏の予言?通りの結末となりました。ビギナーズラックでしょうが、4枚のうち1枚を釣り上げることができて、今日は満足。本当に釣りというのは面白いものですね。また少し世界が広がりました。

そのうちタックルも揃えようかな....(どこにお金があるんだろう...ないな...)



茅渟夢想氏。本当にどうも有り難うございました。


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