疲れた...(捨てる神あれば拾う神あり)

本日の釣果(2000.11.12)

チヌ44cmと27cmの2枚

フカセで久々の良型。

強風で時化気味。
磯の上にじっと立って
いられない。
とにかく疲れました。


どういう訳か、ホームグランドというより、既に週末の”家”と化している周防大島の地磯へ、一月も帰っていない。一種の禁断症状と言いましょうか...いやホームシックなのかも?無性に地磯を歩きたくなり、今日はちょっと型狙いも兼ねて、久しぶりに30分コースを歩くことにしました。

前日の天気予報では雨は免れないかな?と思っていたのですが、朝天気予報を再確認すると降水確率が20%にまで落ちています。これはラッキー!と安易に喜んだのは間違いでした。考えてみれば、雨が降らないということは冬型の気圧配置が強また状態になるということですね。


駐車スペースへ到着。風は今のところ何とかなりそうなレベルです。海を見て、少しばかり動揺します。予想より潮位が高いのです。今回入るポイントへは、潮が高いと2ヶ所ほど水没する部分があります。この為、普段はウェーダーを持参しているのですが、今日は潮を見て、不要と判断し、ウェーダーを持ってきませんでした。

やむを得ずそのまま歩き始めます。

第1関門。案の定、ルートは完全に水没しています。
時間が経てば経つほど潮位が高くなるだけですので、とにかく岩にへばりつきながら、少しでも浅いところに足を着きながら前に進みます....が....いきなりやってしまいました。右足がブーツの上で水の中。

グチョグチョブーツの中で水が音を立てていますが、この分だとどのみち第2関門は無事には渡れそうにないので、そのまま歩きます。

第2関門。最悪....もう開き直ってバシャバシャ進みました。お陰で両足ともブーツの中は水で一杯。膝くらいまで濡れたジーンズから、徐々に上の方に染みあがって来ています。

取りあえず釣り座に着いてから、ブーツの中の水を捨てて、靴下を絞ります。天気は先ほどから小雨が時折降っている状態。空は明るいですが、とても靴下やブーツやズボンを乾かせるような天候ではありません。

裸足で磯の上を歩くわけにもいきませんから、諦めて靴下とブーツを再び履きます。非常にキモチワルイ。
この時点では、歩いてきた余韻で寒さは感じませんが、今日は最高気温でも16度くらいで、風は時間を追う毎に激しくなっていますので、濡れた足が今日一日に与える影響を考えると....考えるだけで寒くなります。

このポイント、満ち潮の釣り座と引き潮の釣り座があります。先ずは満ち潮の釣り座に入りますが、左から右へ動くはずの潮が全く動いてない。大潮で潮が大きいはずなのに...潮の大きさと潮の速さは単純な計算が通用しないものなのでしょうか?

お陰で、どう攻めても草フグの餌食になります。


捨てる神の話....
投入した仕掛けに誘いを掛けようと竿先を操作すると、妙に軽い。「ん?」

またです。道糸が虚しく宙を舞っています。何故、私の道糸はこんなにまで草フグに囓られるのでしょうか?変わった道糸を使っている訳でもないのに.....
プロ山元浮きG2が私の元をさっていきました。


拾う神の話....
アタリ!アワセるとどう考えても草フグの引きです。力無くリールを巻いて仕掛けを回収してみると、針に掛かっているはずの草フグから更に下の方へ道糸が垂れ下がっています。「ん?」

なんと、先ほど切れた仕掛けに草フグが掛かった仕掛けが絡んでくれたようです。浮きも帰ってきています。
が、3m沖で絡んでいた仕掛けが滑って外れてしまいました。

やむを得ず、草フグに協力して貰います。針に掛かったままもう一度海に投入。浮きの近くでやり取り?して、何とか切れた仕掛けにハリスを絡めさせます。

作戦成功!無事に浮きを始めとして、仕掛け全部を回収できました。



さて、風が強い。沖合は白波が激しく立ち、磯にも波が激しく打ち付けられています。寒い。足下から冷えてきます。一向にチヌっぽいアタリも、それらしき気配も見られないため、余計に寒さが身に染みます。

やがて潮止まり。そして潮は下げに入ります。こちらが本命潮。早速引き潮の釣り座に移動します。


が、流速が遅い。このポイント独特の速い流れではなく、トロトロと潮が動いています。潮が走らなければ、沖合に潜む良型に挿し餌を届けることも、またおびき出すことも困難ですし、それ以前に面白みが薄れてしまいます。

大潮の飛ぶような流れを期待していた私は少々意気消沈。

そうは言いながらも、先ほどよりは潮が動いているのですから、あれやこれやの仕掛け変更で、何とか一枚引きずり出すべく手返しを続けます。

少しばかり速度を増した潮に乗せて、曇天で見え辛い浮きが視界の範囲から消える間際まで流したとき、不自然に浮きが消えました。竿先に聞くと魚信が伝わってきます。アワセ!グーンっと穂先を絞り込みながら頭を振り、沈み根に向けて走ります。竿の操作で何とかクリア。

が、最後の難関が待っています。釣り座の下一面は潮が下がると干出す岩の棚になっています。良型は棚の下に突っ込むことが多いのです。竿を寝かせながらやり取りして、できるだけ沖合で浮かせるよう努めます。
魚体が確認できないまま、棚の際まで来てしまいました。ここで躊躇するとマズイので、強引に浮かせにかかります。何とか棚の上にチヌがあがりました。恐らくハリスを棚の角に当てていますから、ここから後は慎重なやり取りが必要です。
元気一杯に最後まで抵抗したチヌを玉網に納めます。

45cm?顔には風格があるのですが、どうにもこの辺りのチヌは年齢の割りに大きくならないようで、検寸したらどう計っても44cmでした。

同じパターンで2匹目の泥鰌を狙いますが、アタってきません。

足下の干出しが降りれるレベルになってきたので、釣り座を下の干出しの棚の上に移します。

ここに立つと当に吹きっさらし!突風が容赦なく私の背中を押していきます。磯の上にじっと立っていられない....磯の上で見苦しいダンスを披露しながら、それでもなお、次の一枚を目指して手返し、そして仕掛けの変更、そして手返し....

余りの風で、仕掛けを回収した後、浮きやハリスを掴むのが大変。仕掛けを換えるときも大変。
油断すれば、仕掛けは手をすり抜けて鯉のぼり状態で宙を漂ってしまいます。


潮の流れが一瞬だけ速くなりました。これに仕掛けを入れ、撒き餌を潮上に数回打って流すと、当に正直なもので、一発で食ってきました。但し、これは27cmの小型。


その少し後、本日最後のドラマ....
道糸を止め、また出し・・・・50m以上仕掛けを流して、浮きは視界から消えていました。道糸を止めて仕掛けを張った直後竿が弓なりに曲がるようなアタリが出ます。オープンベールのまま取りあえず道糸を押さえてアワセ。が、風の影響もあって上手く力が伝わっていないような気がします。ベールを戻そうとしたら、ローラに道糸が入らずに上手くベールが戻らない.....おまけにリールのハンドルがフローティングベストの股紐に引っ掛かって竿が動かせない。
焦りまくりながら、なんとかハンドルを外し、ベールを戻して、竿を起こします。グーンっと竿がしなります....が、次の瞬間、竿のしなりが小さくなります。針外れ....やはりアワセが効いていなかったのか...

風で集中力が欠けてしまっていたのでしょう。

今日のチヌアタリはこれが最後。非常に悔やまれるアタリでした。


今日は下げ潮をゆっくり最後まで釣ろうと思っていたのですが、こんな日に限って....家から電話で娘が熱を出した...とのこと。無視して釣り続けるほど根性もないので....それでも名残惜しげに10投ほどしてから、道具をたたみました。



帰りの道中。
お約束のように、人が釣りをやめると何故だか止まる風に苦笑い。



そして、一日中強風・突風に踊らされた私は、疲れ果てたのでした。


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