21世紀。
いよいよ幕開けです。
・・・・・相も変わらず....
ここは江田島切串港。年々大掛かりになっている会社の釣り仲間での、毎年恒例の初釣り?です。
ただ、私としては初釣りとは認めたくない!!
何故なら、相も変わらず何をしに来たのか解らないような状態が容易に予想できるから....
今年は”おでん”だそうで、大きな鍋が3つほどコンロに掛けられています。元々、釣った魚で魚汁を作って食べたら美味しかった!ということから始まった海辺での宴会なのですが、徐々に”宴会”の方がエスカレートし始めて、今では魚を釣る必要がない状態になってしまっています。
ただ、今年は少し違うことが。
会社の釣り仲間のA氏が「チヌをやってみたいから教えてくれ」と言ってこられたのです。
あまり波止釣りはしないですし、それでも周防大島であれば何となく釣れそうな気もするのですが、私はこの能美・江田島・倉橋方面は苦手なのです。まず経験不足でポイントも掴めないし、宴会が目的での場所決めのため、釣り中心の場所決めも出来ない。加えて、投げ釣り集団なのでチヌのことなど考えてもらえない...
釣れそうにない気はしていたのですが、切串港のこの波止は先端付近なら12〜3m程は水深がありますし、ひょっとしたら釣れるかも???という期待感もあるにはありました。
さてさて、
殆どがおでんの道具なのですが、大荷物を車から降ろし、A氏と波止の先端付近を目指します。
水深のある波止ですし、釣り易い棒浮きを使った浮き釣りでやってみることにしています。
1号負荷の棒浮きを使った仕掛けの作り方、棚取りの仕方等一通り教えて、実釣に入ります。
数投目。いきなり浮きが怪しげな動きをします。少し誘って浮きの引き込みを確認してからアワセると、そこそこの引きが竿を襲います。が、どうにもチヌっぽくはない。
数名のギャラリー(仲間)の中、皆の期待を裏切って上がってきたのは赤茶色っぽい細長い魚体。30cm弱のカンダイでした。
棒浮きを使った重めの仕掛けでの深場の釣りでは、ハリスはフリーにしたいところです。これは食い込みの違和感を減すという狙いもありますが、ハリスをフリーにすることにより、餌の落下をできるだけ自然な状態にし、さらに誘いを掛けた場合の急激な刺し餌の動きを押さえる狙いがあります。
が、今日は季節風が強く吹く天候。追い風なので釣りにならないことはありませんが、投入時にフリーのハリスが前方に流れてしまい、非常に絡みやすくなります。
A氏も、そして私も、何度も糸絡みには苦労します。当然、仕掛けの投入時に、着水前に仕掛けを張ることである程度は防げるのですが、何分風が強く、油断するとすぐに絡んでしまいます。
アタリの方も、殆どなく、小型のメバルが顔を見せた程度でした。
途中、当然おでんを食べたりしましたし、身内ギャラリーの多さに集中して釣りができるような状況でもなかったため、ほぼ諦めムードだったのですが、まぁ1枚くらい...と思い、円錐浮き(B〜2B)に変えて仕掛けを軽くしたりもしてみたのですが、やはり殆どアタリは見えませんでした。
気がつけば、既に皆は荷物を車に詰め込んでいます。
13:30。早めの納竿。
何にしても中途半端な状態でした。A氏にもチヌ釣りの楽しさを味合わせてあげたかったのですが、辛さだけが伝わった感じで....
もう少しいい時期に、できれば周防大島で...ということにして戴きました。
きちんとゴミを拾い、車に積み込みます。これは誰も何も言わなくても、皆が、それぞれ自然にできる仲間達です。
だから、皆が楽しめる新春の宴なのでしょうね。
さて、特に区切る必要はありませんが、21世紀の海とのつき合いが今日からスタートです。
どんな出逢いが待っているでしょうか?楽しみです。
”チヌ釣りを教える”考
私は、チヌ釣りを人に教えるのは苦手です。チヌという魚は、やはり最初は釣れない魚なんです。私自身、独学でフカセをやってきたので、これは身に染みて解っています。
釣り方や考え方を伝えることはできても、それを実践するにはある程度の経験、練習が必要になってきます。
多くの人は、この釣れない釣りが面白くなく、チヌ釣りに対する魅力自体を見失ってしまうように思うのです。
人によっては、最初に出会い頭にチヌを釣り上げ、それでのめり込める運のいい人もおられますが、そうでない人の方が多いと思います。
この釣れない釣りの楽しさを伝える。そのためのいい手段を私は知らないのです。
ん???私自身、”釣れない釣り”を楽しんだのだろうか???楽しい???う〜ん...
結局、それが好きかそうでないか?なのかも知れません。
釣れないフカセは楽しくはなかったのかも知れませんが、少なくとも釣れなくてもそれは好きでした。
これはどうも、個々人の嗜好の問題であるような気がするのです。
であれば、やはりそんなことを教えることはできないですし...
当然、釣れる時期に釣れるポイントに案内して、釣れる仕掛けを作って、その時点での仕掛けの流し方を伝えて、撒き餌をキチンと入れてあげれば釣れる確率は高いと思うのですが、
例えそれで釣れたとしても、次に釣りに行けば、きっと釣れないと思います。
釣り方はその時々、またそのポイント毎に変わってきます。
そんな場合も、結局それが好きかどうか?それに掛かってくるのでしょう。心底好きでなければ、何度も何度も釣れない状態に遭遇すれば、やっぱり気持ちが離れてしまうのでは?
ということで、結局、何が言いたいか?というと、特に何が言いたいわけでもありません。
全く、チヌ釣りを無理強いするつもりはないですし、私から誘うことも滅多にありません。
この楽しくも辛く、苦悩の末に喜びを味わう自虐的とも言えるディープな世界。所詮好きでなければやってられないですから。
ただ、私の気持ちはここに居て、とても幸せだと思いつつ、また変なことを考えて、しかもこんなところに書いているなぁ〜、などと呆れながら...
今日も海を見てきた私でした。
あ、今日の釣果はありません。実質的な初釣りは次の日曜か月曜(祝日)の予定です。
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