冷闘!8時間

本日の釣果(2001.1.13)

チヌ 37cm 1枚

当に冬の海。厳しかった。

金曜日。
天気予報を何度見ても、今一つポイント選定の決め手に欠ける。

風はさほど強く無さそうですし、降雪確率も午前中は20%程度。最低気温もさほど低くないので、釣行は問題ないのですが、CWWやYAHOOの天気予報を見て気になるのが、正午頃の風向き。この頃だけ南東よりの風が少し強そうな感じがします。

この南東よりの風を避けるか?それとも素直に北西風を避けるか?

そして、周防大島では恐らく雪というより雨が降りそうな予感。昼からの降雪/降水確率50%を考えると、あまりヘンピなところへ入ると、雨が降り始めても、帰れなくなる可能性があります。なにせ正午満潮。



迎えて当日。結局ポイントはまだ決まっていません。取りあえず集魚剤を仕入れて、近場で済ませようか...と思って近場ポイントを見てみると、既に先行者あり。今日は、無精をして家を6時前に出ましたので、既に7時頃。先行者あり、は致し方有りません。

風は殆どない。少し悩んだ挙げ句、風は気にしないことに決定。(何を悩んでいたんだろう...)
後は雨。今日の空模様なら、降っても土砂降りは考えられない。みぞれ混じりか、霧雨のような雨だろう。
これも気にしないことに決定。


秋頃よく行く地磯。1月2月は殆ど入釣したことがないため、ここの状況を探って見ることにしました。

駐車スペースに車をおいて、磯の付け根を見て唖然。滅茶苦茶引いています。本当に潮位−13cm?

15分程歩いて目当ての釣り座に。ところが案の定、潮位が低すぎて足下は一面ガラ藻が頭を出しています。これでは仕掛けを流すにしても、ガラ藻に道糸を取られてしまいそうです。
取りあえず準備をして、2〜3投してみますが、やはりこれは難しい。

やむを得ず30m程右の突き出た岩場に移動します。ここは少し潮位が上がると、付け根が水没してしまうため、じっくり釣れないのですが...

再度、釣り開始。
潮は緩やかに左から右沖へ。この釣り座ではいい潮です。

が、アタリがない。だけならともかく、餌も取られない。海は澄みきった青色。生命感が感じられない。

しばらくすると、草フグだけが姿を見せ始めたようです。ただ活性は低いようで、オキアミや、チモトを囓るだけで、活発に浮きを引き込むような状態ではありません。それとは別に、オキアミを吸い取るような餌の取り方をする餌取りがいるようです。おそらくウマヅラかタナゴ。ウマヅラなら釣れて嬉しいからいいのですが...

針に時折掛かりだしたのはタナゴでした。

あとはメバルが一匹。

他は何も無し。


水没が気になり始めたので、早々に見切りをつけて元々狙っていた釣り座へ帰ります。が、いまだガラ藻の頭は水面近くで、道糸が掛かります。少し待とうか、とも思ったのですが、元来この釣り座は浅い。遠投しないと冬場は無理っぽい。加えて、この釣り座は低い。ずーっと空は厚い雲に覆われていて浮きの視認性はすこぶる悪い。
結局、今度は左側へ50mほど移動した、高い足場の岩場へ移動することにします。

一ヶ所難関が...妙に角のない大きな岩場を越えないといけないのですが、その第一歩。この岩、海苔もついて滑りそうだな...と思った瞬間、ズボッ...右足が海の中。慌てて引き抜いて、防寒着の裾をブーツの中に突っ込んでいたのを引っぱり出します。対処が速かったため、僅かに靴下が濡れた程度で済みました。

この岩場、潮のいいときは、満ちは右へ、引きは右へ、かなり速い潮が流れます。秋ならこの潮に仕掛けを載せて流せば面白い釣りができるのですが...今日の海の状況から考えると、あまり速い潮は戴けないな....と思ったら、久しぶりに速い潮が飛んでいます。

流速は刻一刻と変化します。これに合わせて、こまめに浮きから全て仕掛けを換えます。
0号から3Bの浮き。錘の位置も逐一変更しながら攻めますが、相変わらず全くアタリが出ません。

それでも撒き餌を入れていると、やっと草フグとタナゴは付き合ってくれ始めました。

しばらく釣っていると、漁船がやってきます。この漁船、少し前、さっきまで私が釣っていた磯の周りに網を入れていたのに、すぐに上げて一旦消えました。今度は私の釣り座の15mほど右側まで、100mくらいに渡って藻際近くに網を入れ、網の両端は袋状にしています。「根刮ぎだなぁ...」などと思いながら見ていると、更に、網の磯側へ船を回し、大きな錘が結びつけられたロープで海面を叩き始めました。叩き網漁という奴でしょうか。

右側ですから、浮きが流れていく方向です。

やれやれ...と思いましたが、どのみち気配もないので、一応竿を振りながら、網にどんな魚が掛かるのか見てみることにします。

一通り叩き終わったら、すぐに網を上げ始めました。掛かった魚で目立ったのはボラばかり。後はタナゴ。小さいのはメバルかな?何れにしても大した漁獲ではありません。

少しでも影響を避けるため、更に遠投して仕掛けを流します。

潮位がかなり上がってきました。この釣り座も潮位が上がると山側へは戻れません。

その頃になって、とうとうやってきました。最初は雪かな?と思うような程度だったのですが、これは時雨状態になり、気がつけば防寒着の表面はビショビショです。風も冷たい西風です。

久しぶりに手がかじかんできました。リールシートとレバーブレーキが冷たい。防寒着とフローティングベストを着ていても、肩や腕のアタリ、そしてブーツ越しに冬の風が身に染みてきます。寒い。防寒着のフードを被って、とにかく釣りをします。釣りに集中していないと寒くていけません。気温自体は朝よりは2〜3度高いのでしょうが、体感温度はとても寒く感じられます。

せめて、せめて魚が掛かってくれればいいのですが、海の方の寒さはより深刻です。餌すら全く取られない。

下げ潮が左方向へ速度を上げて流れ始めます。浮きを2B,3Bと大きくし、道糸にB,2Bのガン玉をうって、仕掛けの馴染みを良くして吹き上がりを防ぎます。アタリはない。

このような速い流れだと、刺し餌と撒き餌を同調させるためには、少々多めの撒き餌が必要となってきます。
浮きを流す潮筋に間隔を開けて撒き餌を多段に入れて長く流しても同調できるようにするのです。
ところが、それまでにアタリがないため、少々ペースを考えずに撒き餌を使っていたため、撒き餌の底が見え始めています。撒き餌をセーブすると余計に辛い。

下げ潮が動き始めて1時間、2時間。時計は15時前を指しています。

この頃、潮が緩くなり始めました。浮きをBへ、そしてG2に変更。ハリスにはジンタンG7を2段打ちして流します。少し過浮力気味のようですが、ここの潮は少し複雑なため、この程度でも浮きがシモリ加減になります。

飲まず食わずで寒さに耐えて8時間。そろそろ帰れる程度の潮位になってきました。
撒き餌の残りも後僅かです。

チヌ0.8の針を結び直し、今日は何度上下させたか解らないくらい移動させた浮き止めを矢引ほど深くして、薄く広く打った撒き餌の中を刺し餌を漂わせるように流す。15m潮下で浮きが滲む。フグじゃない気がする...

アワセ!グーンっとチヌ独特の重量感が竿に伝わります。曇り空を映す暗い海の中、ギラッっと銀鱗が反転する。必要以上に丁寧に取り込んだのは、37cmの綺麗なチヌでした。

当に冬の釣り。8時間粘って一枚。面白いけれど、疲れるのも確かです。

そのあと数投しましたが、続く気配はありませんでした。納竿。


今日はポイント選びにも拙い面があったように思います。足下が浅いのは構いませんが、やはりこの時期は沖合の深みに刺し餌が届けられるような潮が出て欲しいものです。今日のポイントは磯と平行に潮が流れるため、こんな結果になったようにも思います。

持ち帰った唯一の成果は、とても脂がのって美味しかったです。冬のチヌは美味い。

さて、しばらくはこういう釣りが続くかな?それはそれで面白いのではありますが....

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