フカセに挟まれた団子の一日

本日の釣果(2001.2.4)

チヌ32,28,22cm
  計3枚(一枚リリース
済み) + バラシ×2

久しぶりに団子を投げて
来ました。


まず、釣り場に着いて唖然としたこと。
大きな波止なのに、至る所人....この時期、手近な場所でチヌを狙えるところは少ないので、皆考えることは一緒なのかも知れませんが....暗いうちから入っておられます。

今日は、久しぶりに「広島湾のチヌ釣り」高橋さんと、茅渟夢想さんとの釣行です。高橋さんと私は団子。茅渟夢想さんは落とし込みです。

「今日は人が多いねぇ。あれ、多分フカセだから団子はキツイよ。」
「落とし込みも攻めるところがありませんねぇ。」
などと話をしていると、また人が...

出だしからハードな一日が容易に想像できる展開です。


今日の団子は、冬場と言うこともあって、糠,砂,荒挽き,押し麦のベース配合にオキアミ1kgをスライスして混ぜ合わせています。集魚材(チヌパワー)も念のため持参しますが、これは最後の最後、どうしても反応が無いときに入れるつもりです。

さて、前回の団子釣りから使用しているバイキングST44。掛かり釣りでよく使われる安いリールですが、今日もこれにフロロカーボンハリス1.5号を巻いて、これの通しで仕掛けを作ります。

まずは、若狭をホームグランドに活躍される岩崎魚成さんに戴いた魚成浮きを使用。非常に軽く、高感度な浮きです。
ただ、そのままでは、足下近くに団子を投入する今日のポイントには若干使いづらい面があります。棒浮きであるため、足端の環にラインを通すと、15m程の水深を団子を沈める際、ラインの僅かな縒れが引っ掛かって、軽量なこの浮きは沈んでしまうことがあります。
そこで、少し工夫させて戴いて、足の下端側部に2cm程のパイプを糸巻きして固定し、このパイプにラインを通しました。ラインの通過時の抵抗が大きくなるため、余計に浮きが沈みやすくなるような気がしますが、これが以外にスムーズに通過し、糸縒れの影響を受けにくくなるのです。この辺りの基本的な構成についても、実は以前「黒鯛団子釣り名人への道」の竹下さんから聞いていたものを応用しました。

今日の団子釣りは、あるテーマを持って臨んでいます。上述の仕掛けは、このテーマを実践するためのものです。

掛かり釣りでは、鈎上20cmとか30cmくらいの位置に2Bとか3Bといった大きめの錘を打つことが多いように思います。
通常の浮き釣りでは、魚が餌をくわえたときの抵抗を嫌ってこのような位置に大きな錘は付けないことが多いハズです。口錘を使う場合でも、もう少し小さな錘を使うのではないでしょうか。

このような差が生じる理由は、浮きは喰い込ませる釣り、掛かり釣りは掛け合わせる釣り、という点にあるように思うのです。当然、それぞれの釣りにおいても、釣法は千差万別ですから、一概には言えません。私の浅い知識からくる勝手な一般論ですから、ご容赦下さい。

今日のテーマは、浮き釣りにおける一発掛け合わせ、です。
伸びのないフロロラインと、鈎上30cmに打った3Bのガン玉、そして高感度な浮き。これでどうか?

私の予想は、低水温で動きの悪いチヌは、餌を喰った後移動する距離や速度が遅いと思われるため、仕掛けの支点、つまり錘の位置を下方に下れば、浮きにはある程度ハッキリした魚信がでるはず、但し、食い込みは悪いはずなので、一瞬のアタリに集中して掛け合わせれば釣れるのでは?というものでした。

結論から言うと、これは失敗。まだ理由が整理できませんが、確かに僅かながらでもアタリは目に見えたように思いますが、どのタイミングでアワセを入れても、全く掛かりません。思った以上に錘の抵抗を嫌ったようです。

何故なら、この時、私の隣では高橋さんがバタバタっと釣果を重ねておられたのです。あっという間に4枚。

もっと早く見切りをつければ良かったのですが、私が今回考えた屁理屈にこだわる時間が長すぎたため、結果的には時合いを逃してしまったようです。

我慢できなくなって、取りあえず仕掛けはそのままにして、錘を2Bに交換し、さらに錘の位置を針から1,5ヒロほど上に移動させます。
それから数投目。この時期、アタリは数センチレベルの浮きの動きを捉えなければなりません。僅かにシモった状態で浮きが静止した場合、待てば殆どの場合、チヌは餌を離すようです。このため、僅かにシモるときの浮きの動きにアワセて行かなければいけません。そんな動きに エイッ!っとアワセを入れると、やっと一枚目。目寸30cmちょっと。いつものように引き抜こうと思ったのですが、ナイロンラインのような伸びがないフロロラインを使っているため大事をとって玉網を使います。

アタリが続くか?と思ったのですが、続かない。

浮きをG2の円錐浮きに交換します。ハリスにはG5を一つだけ打ちます。若干過浮力に思えますが、底潮の動きが若干中層以上の潮と違う動きをしていたため、このバランスで丁度シモル程度の浮力設定となります。

15cm程度水深より余分に浮き下を深くしがハワセ気味の設定で手返しを続けます。

次の魚信は掛けた瞬間小さい!と解るサイズ。浮いてきたのは22cmの小チヌでした。口掛かりですので、そのままリリースします。

浮きに魚の気配は感じます。が、掛からない。そんな時間がかなり続いた後、待望のキープサイズ2枚目。しかし小さな28cmが竿を曲げます。

少し間をおいて...続いて魚信を捉えますが、海面下3〜4m程まで巻き上げたところで、竿がテンションを失います。バラシ。針が立ちきっていなかったようです。

しばらくすると、浮きに感じていた魚の気配が感じられなくなってきました。高橋さんもアタリがない、と言っておられます。


そんな中、手を止めている高橋さんと話をしながら浮きを見ていると、浮きが僅かに動きます。「真面目に手返しをしていると釣れるんですねぇ〜」などといい気になって上げていると、フッっと魚が動かなくなりました。どうやら波止の支柱にラインが掛かった様子。苦笑いしながら引っ張ると、プツリ。針から一ヒロくらい上が切れていました。何ともドジな話です。


後は、納竿間際にバシッっと掛けた良型は....ボラでした。


さて、このポイント。基本的にはもう少し釣れるポイントです。
が、今日は、こんなものかも知れません。

何分、右も左もフカセの人だらけ、撒き餌が打ち込まれています。我々の集魚材の入っていない団子では、チヌを足止めすることは難しかったと思われますし、やはり、フカセの撒き餌の影響でチヌの棚が上擦っていた可能性が高いと思われます。

年間を通して、その大半がフカセ師の私です。間違えても団子釣りをしている人のすぐ横でフカセをやるのは止めよう、と思った次第でした。・・・・と言っても、殆ど磯でやってますから、そういうケースは殆どないと思いますが...そもそも、今日は私達が後で入ったので、逆にフカセの方に迷惑かけた可能性が高いのですが....何れにしても一本の波止に17人のチヌ釣り師は多すぎた。そんな一日でした。

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