この潮で


先週、竿を出さなかった。来週も竿が出せそうにない。実は再来週も竿が出せない。
当に危機的な状況。

また、今日の潮は地磯アングラーにとって最高とも言える潮。

今日、釣りに行かぬ訳にはいかない!

自分にとって、もっとも期待値の高いポイントへ。磯を歩きます。

釣り開始。潮が低いので干出しの上から竿を振ります。折から北風が強く当たります。苦労しそうです。
まずは、京都の岩崎魚成さんから戴いた新作魚成浮きのテストです。少し重量アップしてあるのですが、やはり風が吹くと風の抵抗を受けやすい棒浮きタイプは難しいようです。基本的に軽量なため、飛距離が稼げません。
やむを得ず、円錐浮きの0号の遠投用を飛ばし浮きとして使用します。

緩い潮に乗せて流すと、魚成浮きが明確なアタリを伝えます。20cmクラスのアイナメ、15cmクラスのメバル、そして25cmクラスのタナゴ、フグ...この時期の外道を一通り釣り上げたところで、潮位が高くなってきたので釣り座を変えます。流石にアタリは気持ちいいほどハッキリ取れます。

高場から遠投しながら引き続き満ち上がりの潮を攻めますが、風の抵抗と、沖と手前の潮の向きが違う、という条件。

そうしているうちに風がかなり強くなってきました。突風で身体が押されるような風です。
浮きのトップが倒されるため、取りあえず、一旦いつもの仕掛けに戻します。

しかし、浮きはアタリを伝えない。偶のアタリはタナゴとフグ。

仕掛けを落ち着かせるため、3B浮きに水中浮きをつけたりもしましたが同じ事でした。

ただ、この時点では未だ気持ちに余裕がありました。このポイントの本命は下げ潮です。
今日の潮なら、下げ潮はかなり走るはず。釣れる....と思いながらも、この年間を通して一番厳しい時期の周防大島で、速い潮の中で釣れるのか?という不安も少し。

下げ潮に変わり、潮が下がってきたので釣り座を朝の位置に戻します。

気持ちいいほど理想的な潮が沖に向かって走ります。足下から右斜め沖の干出し岩へ。干出し岩をかすめるようにして左斜め沖方向に潮が流れを変え、更に沖の速い流れに仕掛けは乗ります。沖の流れと、干出し岩の向こう側あたりで合流しているようです。ヒットするとすればこのあたりでしょう。

ジンタンのG7、G5を段打ちして、後は潮の速さに合わせて3Bを基本に浮きを変えていきます。

この流れに対しても、魚成浮き単体で再度攻めてみますが、表面積が小さいため潮を掴みきれないようで、潮に乗りません。風を受ける道糸に対抗して、仕掛けを引っ張るだけの潮受けがないと難しそうです。


・・・・・・・全くアタリが出ない。

この理想的とも言えるような素晴らしい潮なのに....どんな仕掛けにしても、全くアタリが出ない。

考えられる限りの攻め方をしてみますが、理想的であるはずの潮は浮きを沖へ運ぶだけです。

仕掛けの基本形態は2パターン。
一つは先に書いた錘の段打ち。2段から3段と...また錘の位置を変えながら試しますがダメ。
二つ目は、ハリスを完全にふかして、道糸に少し大きめの錘(3Bから4B)をつけて流します。が、これもダメ。

チヌが浮いている可能性もあるため、浅棚も攻めますが、これもダメ。

当然、底も攻めますがこれもダメ。

粘りに粘って、当初の納竿予定をオーバして攻めますが、更に期待の潮の揺るみ始めすら無反応。

まさかのボ・・でした。正直、今日の潮でこの結果は予想しませんでした。

やはりこの時期に流れの中を攻めることが間違いだったのかも知れません。
ただ、これだけ考えられることの全てをぶつけた結果ですから、結果に対しての諦めはつきます。

しかし、この海にチヌが全く居なかったとも思えません。攻め方の引き出しが足りなかったのでしょう。


さて、足下を見るとワカメがかなり生えています。今日はこれでも少し戴いて帰りましょう。

真面目にチヌを狙ってのボ・・。やっぱりこの時期の地磯は厳しいですね。少し水深のある沖磯を攻めた方が確率は高そうです。

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