足腰が....


朝、釣具屋で話を聞くと、やはり大島の南〜西海岸方面ではノッコミが本格化しつつあるようです。

それなら...と、止せばいいのに、ノッコミが本格化する前の居着きの大型を狙って....などと分不相応なことを考え、北海岸を車を走らせます。

しばしポイント設定に悩んだ挙げ句、大きく見ると湾奥に位置する磯で、かつ足下から水深のあるポイントに決めました。ここは以前、友波さんと一度来ただけの場所で、ノッコミや厳寒期の状況は全く解りません。

さて、ここは歩く距離はさほど長くないのですが、潮がかなり引かないと崖にへばりつきながらでなければ進めない場所です。


朝日が顔を出し始めた頃、岩の割れ目を前に考え込んでいる男がいます。

(う〜ん、これをまたぐと、きっと荷物が重いし、またいだままの状態で前に進めなくなるなぁ)
(いっそ、もう一段上からジャンプするか...が、上がってみると結構高いし、やっぱり荷物がなぁ)
(ウェーダーは持ってるけど、ここさえクリアすれば後は必要なさそうだし...帰って洗うの面倒だしなぁ)
(でも、先週も海にはまったばかりだし、今日は安全サイドにふって....)
(でもでも、ここに足を掛けて...)

「う...」

ドボン....


なんとその男は、試しに足場になりそうな岩の突起に足を掛けたところ、オキアミ3kg+アミエビ2kg入りのバッカンを岩にぶつけてバランスを崩し、2週連続で釣り始める前からブーツの中を水浸しにしたのでした。

先週は雨の中でしたが、割合暖かかった。また南回りだったため、水温も...今日に比べれば高かったようです。
ここの海は先週の海より明らかに冷たかったです。



そういう紆余曲折?がありつつも、なんとか釣り座に到着しました。

撒き餌を作って足下に入れてみますが、磯ベラが1匹出てくるだけです。活性は低そう。

20投ほど撒き餌を入れてから仕掛けを作り、しばらく釣りをしていると、なんだか海面が騒がしくなってきました。よく見るとイカナゴの群です。相当な数。

嫌な予感がします。イカナゴの群が回ると、メバルだけでなくチヌもイカナゴに惹かれる傾向があるように思います。オキアミに反応しにくくなるようなのです。

しばらくすると、ボラがかなりの数、姿を見せ始めました。期待が持てるか....


餌は頻繁になくなります。餌取りはタナゴと草フグが中心のようです。
が、活性は低く、浮きを引き込むようなアタリは滅多に出ません。

深場の釣りはあまり得意な方ではない私です。ここの水深は満潮時には10m沖で竿1.5本程度ありそうです。

0号でのスルスル、G2での半誘導、2Bや3Bの浮きを使ったり、あれやこれや考えられる仕掛けを試してみます。

時間だけが過ぎていきます。

満潮近くなった頃、全く餌が取られなくなってしまいました。

チヌの気配?そう思って、集中しますが、いっこうにそれらしいアタリは出ません。
その状態が2時間近く続いたころ....

沖の方で、ボラが派手に暴れているなぁ....と2時間前ほどから思っていたのですが、どうやらそれはボラの飛沫ではなかったようです。

30m沖。巨大な茶色の物体が2度、3度とジャンプします。

エイでした。どうやら、このエイがこの辺りをずーっとうろついていたようです。餌が取られなくなったのはコイツのせいでしょう。

それ以降、水面には姿を現さなくなりましたが、どこかに泳ぎ去ったか、或いはまだその辺りにいるのか?

風も強く、ジーンズと靴下を脱いで岩に干し、素足でブーツを履いて、レインウェアのズボンを直接履いている私には、何とも厳しい寒さです。足の指がブーツの中で泳いでいます。ブーツの中に中綿があるため、幾らひっくり返しても海水が全て出ず、歩くとしみ出してくるのです。
・・・せめて釣れてくれれば、気分が違うのですが....

結局そのままの状況でした。寒いので早めに納竿したかったのですが、前述したようにある程度引かないと帰れない場所です。

時計は16時を指しています。なんとか朝来たときより少し潮位が高いくらいまで潮が下がりました。

ここからが大変。

比較的崩れやすい岩質なので、安易に進むと、またびしょ濡れになります。

ウェーダーを履こうか、とも思ったのですが、どのみち足はびしょ濡れですから、少々はまってもいいや!と思い、そのまま進みます。

濡れてもいい、といいつつも、やはり濡れたくないのが人間なのでしょうか。
朝より厳しい状況、ロッククライミングのように岩に指を掛け、崩れそうにない足場を探しつつ慎重に進みます。

朝、海にはまった難所は、今度は何とかクリア。

車につくと、指、背中、腰、大腿四頭筋、膝がこわばり、特に足腰に脱力感が襲ってきます。
普段使わないような筋肉まで駆使して、自分の身体を支えたからでしょうか。
こんな疲れ方は久しぶりです。

筋力アップをしておかないといけません。これは....やはり自分を支えるのは自分ですから、ね。


で、結局私の目論見は崩れ去り、釣果の無い一日が終わったのでした。

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