初夏の日差しと、噛み合わぬノッコミと...

本日の釣果(2001.4.6)

チヌ37,35,33,30cm
         4枚

ノッコミピークと聞いていた
が、釣り上げたチヌは未だ
痩せていて、卵も小指大。

最初の群は釣り尽くされた
か?


4月に入り、周防大島でも南西方面の各ポイントでノッコミが始まったようです。
珍しく、平日が休みと言うことで、金曜に会社の釣友のA氏と共に、周防大島へ向かいました。
A氏は、もともと投げ釣り師ですが、最近、フカセに興味を持ち始めたようで、今回が地磯からのフカセは初挑戦です。

釣果が出やすく、行程の楽なメジャーポイントに入ることとしました。先週友波さんがノッコミチヌの釣果を出していますので、充分期待が持てます。

A氏に潮目の前の釣り座に入っていただき、私は横のワンドに向いて釣り座を構えます。
潮は沖の本流の引かれ潮が私の向いているワンドと反対側のワンドから引き出され、A氏の前でぶつかって潮目を作っています。満ち潮時にできるここの本命潮です。
仕掛けを入れると、浮きは時に緩やかに、時に速く沖に向かって出ていきます。

出だしからバタバタっとくるか?と期待していたのですが、思いの外渋い。メバルとクジメが頻繁に竿を曲げるだけです。

1時間半ほど経過したでしょうか。

いい潮が出ています。仕掛けは刺し餌が上擦らないように浮きをG2から2Bに交換し、道糸にB、ハリスにG5,G7を打ちます。

潮目を伝って沖に出て、本流にぶつかる辺りまで流した私の仕掛け。浮きは見えていないので、竿先でアタリをとっていると、スプールから道糸が速度を増して出だしました。アワセを入れると竿が綺麗に円弧を描いた状態で止まります。潮の影響もあるでしょうが、手応えからしてまずまずの良型だと思われます。

ふと、A氏の方を見ると、A氏もチヌを掛けているようです。時合いかな?などと思いながら、強い引きに竿の弾力で耐えていると、フッっと竿先が強い力から解放されます。バラシ...

仕掛けを回収すると、針が延びています。掛かりどころが悪かったようです。いきなりのバラシにその後の影響が気になります。

少し間をおいて....

浮きがジワジワっと滲みます。軽く誘いを入れると、速度を増して浮きが潜行します。典型的なアタリ。
アワセを入れると先ほどよりかなり弱い引きです。

抜き上げたのは33cm。大した重量はありません。のっこみチヌとは思えない。


上げ潮の影響の沖へ出ていく潮も完全に終わり、潮は磯と平行に左から右へ。メリハリのない流れになっています。潮位も徐々に下がってきます。

渋いなぁ...などと思いながら手返しを続けていると、道路から手を振る人がいます。

お仕事中の友波さんでした。通りがかりに私を見つけたようです。竿を置き、道路まで駆け上がります。

今日の渋い状況を話すと、意外だなぁ、というようなことを言っておられました。
友波さんはワンドの中心部あたりが気になるなぁ、と言っておられます。

友波さんと別れて釣りを再開すると、丁度潮がそのワンドの中心方向に動いています。

手前から流すとガラ藻の帯に引っかかりますから、浮きを重量のある大きめのG2に変更し、沖合に遠投して、ワンド方向に仕掛けを張りながら誘導します。

20投ほどしたでしょうか。ガラ藻の裏側アタリで浮きが入ります。アワセるとチヌの引きが伝わります。が、またたいしたサイズではなさそうです。

当然といえば当然ですが、海面まで延びているガラ藻にチヌは突っ込みます。予測していたことなので、特に慌てることなく、少し移動しながら、ジワッ〜っと引っ張り、これで抜けないので、今度は道糸を緩め、一呼吸おいてまたジワッ〜っと引っ張ると、するっとチヌが出てきました。
後は、足下から7〜8m沖くらいまで生えているガラ藻と、シモリをかわせばOK。目寸35cm。

A氏が玉網を持ってこようとしておられますが、「いいです」と言って、足下の岩の上にずり上げて、そのままハンドライディング。これものっこみチヌとは思えない感じです。

少しして、また同じ辺りでアタリ。バシッっとアワセを入れると、一瞬の重量感の後、竿が完全にテンションを失って跳ね上がります。「え?」と思ってみると、トップガイドから先にはまったく道糸が無い。高切れです。傷でも入っていたのでしょう。
道糸を巻き変えようかな...と思っていたのに、実行しなかったのが裏目に出たようです。

浮きは魚が引き込んだまま、全く見えません。長い道糸がそのままつながっているはずです。
(上手く外れてくれるといいけど...)

それから1時間くらいして、ふと浮きが浮き上がってきているのが目に入ります。
先ほど高切れをしたときとは10m程離れた場所です。

急いで仕掛けを投入して引っ掛けようとしますが、そのときは0号遠投用の浮きに、浮き下完全フカセで釣っていましたので、仕掛けが馴染まず、引っ掛かりません。
そのまま、ハリスの鈎上に5Bのガン玉をうって投入。上手く引っ掛かったようです。

ひょっとして...と思ったのですが、針は魚から外れていたようです。

何はともあれ、長い道糸が回収できて、ホッっとします。


日が高くなってくると、暑い。透湿素材のレインウェアの上だけ着ていたのですが、余りの暑さに脱ぎました。
まさに初夏を思わせる日差しです。

ベタ凪の潮の動かない海と、この日差し。なんとなく釣れそうな気がしない状態です。

潮が更に下げてくると、ガラ藻と干出し岩が頭を出し、仕掛けが流せなくなってきました。

釣り座を高場に移動して対処します。


この頃になって、漸くボラの大群が姿を見せました。潮が良い状態であれば、このボラの大群は潮の壁の上で餌が流れてくるのを待っているのですが、今日はそうはいかないようです。20〜30m程の長い列を作ってボラが沖を通過していきます。その列が分散した後、あちこちに固まって時々飛び跳ねています。
撒き餌に反応するボラもかなり居ますが、大半は撒き餌が流れて行くはずもないところで群れているのです。もし、潮が複雑で、方々に潮が溜まっているとしても、そこへ仕掛けを運ぶ流れは見つかりません。


徐々に風が強まってきます。南風ですが、風にまともに当たっていると、少し寒い。

昼を回って潮止まり近い頃、浮きが僅かにシモって止まっています。誘いを入れると浮きが入る。アワセ!が、これは小さそう。元気はいいですが、重みがありません。30cm程のチヌがお決めで浮いてきました。藻をかわしながら引っ張ってきて、さて抜き上げよう、と思ったら、足下の藻に引っ掛かってしまいました。

前の釣り座に置きっぱなしだった玉網をA氏に持ってきてもらい、取り込みます。


潮止まりから満ちに入り、そしてしばらくして満ち潮の流れが出始めますが、如何せん足下の障害物が多すぎ、また風が強くてまともに仕掛けが流せません。

水深は未だ浅いためのですが、風に仕掛けが負けないように、浮きを大きめにし、水中浮きを装着します。効果の是非は解りませんが、水中浮きには潮受けがいいと思われるディンプル加工されたものを選択します。

後は、極力道糸が風に押されたり、藻に捕まったりする影響を抑えながら、潮に自然に仕掛けを運ばさせます。
この様な状態では、意識的な張りによる誘いは避けた方がいいでしょう。

少しして、浮きが滲みます。軽く道糸にテンションを掛けると浮きが潜行します。アワセ!
本日の最長寸ですが、やはりこの時期にしては肥えてなく、またサイズ的にも物足りない37cmでした。


本日はこれで打ち止め。


今日はノッコミっぽい釣りをしたかったのですが、結果的には渋い釣りになってしまいました。
嫌な予感がします。このままノッコミに噛み合わないままシーズンを終わってしまうのでは...
まだ始まったばかりですが、そんな気持ちになります。小理屈を考えながら一枚一枚引きずり出す釣りが好きな私としては、けっしてノッコミの釣りが好き、という訳ではないのですが、年に1度くらいはノッコミという言葉が似合う釣りをしたいのも確かです。


疲れた...いつもより随分楽な釣りをしたはずなのに何故かな?と思ったのですが、考えてみれば、これだけの暑さの中釣りをするのは久しぶりです。例によって、あまり水分も取ってませんのでその為だと思われます。

A氏もかなりお疲れの様子です。普段のA氏の釣りと違い、一日中座ることもなく、8時間以上釣り続けたのですから、当然といえば当然ですが...
しかし、始めてのフカセで1枚揚げられたのですから、素晴らしいと思います。

特に、撒き餌の投入には吃驚。正月に始めて撒き餌を打ったのですが、その時多少アドバイスしただけ。なのに、そこそこの遠投でもコントロール良く撒き餌を打っています。知らない人が見たら、フカセが始めてとは思えないでしょう。若い頃はかなりのスポーツマンだったA氏だからこそ、だと思います。

釣りの最中は、私は何もアドバイスしませんでした。自分が集中してしまうこともありますが、自分の経験から、状況を体験する前に知識を持つことは、理解に先入観が先立って?しまうように思うからです。

体験した状況に対する対処法が解らない、そんなときは人のアドバイスというのは身に付きます。釣りに限らず、何事でもそうですよね...賛否両論もあると思いますが、私は聞かれれば応えるというスタイルです(釣りに限りますが)。ということで、Aさん、何だかんだ言っても、考えてみれば、もう少しアドバイスすれば良かったような気もしています。ノッコミのチヌ釣りを期待させておいて、結局渋い釣りをさせてしまったことと合わせて、どうもすみませんでした。まぁ天気が良くてよかったということで?ご勘弁下さい。


もう一つだけ。
木の枝にゴミを入れた袋をぶら下げて帰った釣り人の方。
また、チヌパワーの袋等々を放置して帰った方。磯の先端方向にあるもので目に付くものは拾って置きましたのでご安心を。私は滅多にメジャーポイントへ行きませんので、次からはお持ち帰り下さい。

メジャーポイントへ行くと、いつも不愉快になるのは...なんとも寂しい限りです。

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