赤とボラの洗礼

本日の釣果(2001.9.1)

掛かり釣り挑戦

チヌ45cm頭に20枚
マダイ36cm頭に15枚
アジ39cm 等々
(写真は釣果全てでは
 ありません)

その他...ボラは20本
くらい掛けちゃいました。
竿持つ手はもうガタガタ


「よー釣れよるで〜。50cm越えるのも釣れるで〜」
「磯の管理人HP」の管理人。四国在住の釣友すなちゃんから、去年から誘って戴いていた宇和島の北灘湾での掛かり釣りに、やっと挑戦することになりました。

今回は電車で...金曜の夜、クーラとバッカンをキャリアにくくりつけて電車に乗ります。仕事帰りのサラリーマンに混じって。考えてみれば、自分も普段ならこれくらいの時間に帰ってるんだなぁ〜...などと考えると、2時間前に家に帰って、飯を食ってシャワーを浴びて、宇和島へ釣りに行くために電車に乗っている自分は、今日は随分時間を得したな、などと思えてきます。ガタゴトと1時間ほど揺られて柳井港へ。

ここから、お馴染みのオレンジライン柳井−三津浜フェリーに乗ります。

三津浜港着。春の御荘遠征以来、久々ご対面のすなちゃんです。今日も笑顔で迎えて下さいました。もう一方、ご一緒させて戴いたNさんとは初対面です。

まずは釣具屋へ。

短竿の掛かり釣りです。団子が必須。今回、最大の悩みはこれでした。聞けば浅さいポイントで20〜25m。深いポイントだと30〜35mの水深とのこと。さらに、ボラやマダイのアタックが相当激しく、半端な団子では底まで届かないとのこと。
理想的には、私がいつも紀州釣りで使っている糠団子を使いたいところ。これなら、ある程度団子の割れはコントロールできるはず。しかし、この水深と、ボラやマダイのアタックに耐えきれるか?と言われると自信がない。

郷に入っては郷に従え。遠征の時は、これを基本にしています。すなちゃんから事前に教えていただいていた団子の配合を参考にして、若干...そう若干のつもりだったのですが、想像の中でアレンジを加えて団子の材料を買い込みました。これは後の伏線となります。

刺し餌を購入。ボケ(スナモグリ...あちらではテジロと呼ぶそうです)、生ミック、それとオキアミ。すなちゃんは錬り餌の変わりにサナギを準備しています。それと、死にかけホヤホヤのカメジャコをお店から戴いたようです。

積もる話をしていたら、私としてはあっという間に北灘に到着しました。

ここで、少し車の中でうつらうつらとしていると、ジャッカルさんらがご到着されたようです。ご挨拶...豪快なイメージ。相当な猛者であることはすなちゃんからお聞きしています。見るからにそんな感じです。

取りあえず、ジャッカルさんの船の横に船を掛けます。ここは大物場とのこと。

まずはともかく団子作り。

すなちゃんのアドバイスを聞いてから作ればいいのに、海を前にして(というより海の上)じっとしていられない私は、何も考えずにドバドバっとバッカンに団子素材を入れてしまいます。慌ててすなちゃんがアドバイスしてくれたときは既に手遅れ。

まぁいいや、と軽く考えつつ、釣りスタート。今回は竿も借り受けます。がまチヌ中硬調1.2m。
これに持参したバイキングST44(片軸受けリール)。ラインは2号を100m巻いています。ここは大型のマダイが掛かることがあるため、この水深で50mのラインでは全て引き出される可能性が高いとのことです。
針は、チヌ針の5号と6号を中心に使います。普段から考えると恐ろしいくらい大きな針です。真上に掛け合わせる掛かり釣りの場合、小針だと上顎を貫通出来ないため中途半端に針が立ってしまい、針折れしてしまう可能性があります。ということで、今日は大針です。

まだ、落下途中の団子に対するアタックは見られません。

しかし、しばらくすると、着底した団子をつつく団子アタリが出始めます。
勝手な配合の私の団子は、実は粘りが強すぎたのです。なかなか割れない。

握り具合で微妙に調整しながら手返しを始めます。

開始から間もなく...
団子アタリの後、団子から出た刺し餌(テジロ)を何かが喰わえた?穂先がチョン、スーっと入ったので、ともかく合わせてみると...大した抵抗もなく...そうは言いつつも慣れない短竿でぎこちなく浮かせてきたのは30cmクラスのチヌ。

その後、団子アタリ。本人(私)は、団子は割れたと思っていました。アワセ!引きは全くないものの、何か掛かっているようです。重量感はあります。
巻き上げると...ん???団子が....団子アタリそのものにアワセを入れて、粘りけの強すぎる団子を35mの海底から持ち上げてきたようです。誰も見てなければ、そのままもう一度落として誤魔化そうかと思いましたが、横を見ればしっかり見られていました。(これはBBSでの笑いネタの提供になったなぁ〜...実は2回もやったし)

取りあえず、ボウズ回避...と思ったら....ふと、我に返ると、ここは大物場のはず。すなちゃんも同意見。こんなサイズが釣れたのでは先が思いやられます。挙げ句、私が1匹、すなちゃんが1匹ハゲを釣り上げてしまいます。

場所移動。取りあえずハゲから逃げることになりました。

次の場所は、どちらかといえば数釣り場とのこと。ただし、50cmオーバの実績も高いようです。

一発目からヒットもある、とのことで、期待して団子を落としますが、なかなか魚信が出ません。
今日はどうにも渋いようです。

そうは言いつつも流石実績場。すなちゃんが竿を曲げ始めます。流石に上手い。

割れない団子に苦労しながら、自信無げにアタリにアワセを入れて、しばらくしてやっとチヌを追加。

そして期待のマダイ。娘からのリクエストがありましたので、これは大歓迎です。この時点では大歓迎でした。この時点では...
ところで、このマダイ。スカリに入れていたら、口が緩んで逃げてしまいました。この時点では大ショックです。この時点では...

そんなことをやっていると....穂先がチョン、スーっと入ります。アワセ!!
ガシンっという衝撃。底が切れません。相手は底を這うように走ります。短竿越しに強力が伝わります。竿をのされないように両手で竿を支えて、3度ほどスプールを短く逆転させ、グ〜っと耐えたとき....竿はテンションを失います。バラシ?
ラインを回収するとハリスが切れています。根に当たったのでしょう。
ボラかも知れません。が、その後釣れたボラとは明らかに引きが違いました。


・・・ボラ?

すなちゃんから、ヌルヌルしたアタリはボラだから...とアドバイスを貰います。イメージは解ります。ボラだろうなぁ〜と思いつつ、押さえ込まれた穂先に反射的にアワセを入れてしまう悲しい私。

思えば去年秋の堂の浦。20本前後のボラを釣って、しばらく手首の関節が痛かった。

今日もその2の舞です。明らかに、チヌアタリが取れずに、ボラアタリでアワセているようです。また、すなちゃんのアドバイスでは、わざわざボラが食いやすい状況を作っているのでは?とのこと。

解っちゃいるけど止められない...

「ヌルヌルしとろ?ボラっぽいなぁ〜」。
すなちゃんがニヤッっとしています。「優さんが掛けたボラを取り込むの手伝っとったら、ずーっと手伝っとかないかんなぁ」。

それほどまでにボラを掛け続ける私。

すなちゃんはボラを掛けても、実にスムーズに取り込みます(滅多に掛けませんが)。私は取り込もうとするとボラに走られて、もう滅茶苦茶。
もう腕がガタガタです。結局、一日で20本ほどボラを掛けました。

これには団子の悪影響もあるようです。つまり粘りけが強すぎる団子のため、団子の割れが非常に悪いようです。このため、団子が崩された(ボラ等に)あとも、刺し餌に団子がまとわりつき、スルッと刺し餌が抜けません。このため、団子の割れたタイミングがとりづらく、また刺し餌にまとわりついた団子成分をボラがつつきに来て、それを掛けてしまっていることも多々あるようなのです。
団子の芯残り。紀州釣りでは気を付けないといけないこととして、解っているはずのことです。そんな基本がボケていた私への罰だったのでしょう。


・・・マダイ?

すなちゃんは快調にチヌを掛けます。私もすなちゃんのアドバイスを受けて、少しタイミングの取り方が解ってきました。ポツリ、ポツリとチヌを追加します。

チヌは小型の群、中型の群、と、サイズ毎に群を作っているのでしょうか?時折、40オーバのチヌがあがっています。私にも45cmが一枚掛かり、短竿でのチヌの引きを楽しむことが出来ました。引きに合わせて穂先を海に突っ込んだりしながらのやり取り。いつもの長竿とは違ったダイレクトな引きも、これまた楽しいものです。

しかし!すなちゃん、チヌを掛ける。
私、マダイ。

確かに最初はマダイが欲しい、と言ってました。が、マダイが主役状態になってくると...明らかに釣り上げる魚の中のマダイの比率が非常に高い。

マダイの方が、棚が浅いはず。確かに中層で団子が割れた時にはマダイが食いつく可能性も高いのですが、明らかに底で団子が割れた後、普通に出たアタリでアワセてもマダイが釣れる。

黒いのが釣りたい....


そんな中、ガツンっとした衝撃が、また竿を襲います。先ほど、ラインブレークでバラシたものよりは、随分軽いですが、それでも45cmよりはかなり強い引きです。しかも、ボラっぽくない。これは??ひょっとして良型???

が、水面下に見えたのはピンク色。45cmは越えていそうなマダイです。力が抜けますが、この型のマダイなら大歓迎は大歓迎です。が、釣り上げてみると、おでこが妙な形に変形しており、片目が潰れています。
キモチワルイので、これにはお帰り願うこととしました。
これは決して公害等による奇形ではありません。養殖魚で、稚魚時に衝撃を受けて変形してしまったものを、漁師さんが海に戻したものだと言うことでした。


3人で和気藹々と楽しく手返しを続けます。

よい仲間と竿を出す時間。また、顔を上げて見回せば、豊かな緑に包まれている自分を感じることが出来ます。素晴らしい....


終盤に入ると、すなちゃんは一投毎にチヌアタリを捉えてきます。凄いペースでチヌを追加。結局55枚ものチヌを釣り上げたすなちゃんは、やはりかなりの腕です。

私は最後の最後まで、ボラとマダイに振り回されました。


そうそう、25cm前後のアジに混ざって、一瞬ヤズと見間違えた40cmくらいの良型アジも釣り上げました。
これは旨かったです。

それと、素針にアタックしてくるアジやマダイには驚きました。餌無しで釣れる!豊かな海には驚かされます。

チヌの最大寸ですが、すなちゃんも45cmクラスを2〜3枚釣り、ジャッカルさんらもそのサイズが最大だったとのこと。今日は良型運が無かったようです。又の日に...



6時納竿。実に12時間。まだ釣り足りない。「時間が経つの早いよのぉ」...すなちゃん、やっぱり根っからの釣り師です。

今回の北灘遠征は得るものが大きかったです。
掛かり釣りに限って言えば、団子の配合や、ボラアタリの見分け方等々。
次回、この北灘に来るときは、今日と同じ条件であれば、プラス10枚は釣り上げられると思います。
それでも、55枚ものチヌを釣り上げたすなちゃんには遠く及びませんが..

そして、短竿の釣りから得られるものは、普段の釣りにも応用が出来ます。その意味でも、今回の遠征は非常にプラスになりました。次のフカセ、あるいは紀州団子では、何となく感じ取った「何か」を釣りの組立の中に反映させていきたいと思います。

掛かり釣り、面白いですね。またチャレンジしたいと思います。できれば、近いうちにもう一度行きたいな、とも思います。 (もちろん、フカセが中心の私の釣りに変化はありませんが.....)


最後に、今回もお世話になりっぱなしだったすなちゃんに深くお礼申し上げます。遠慮無しにまた四国に行きますから、その時は宜しくお願いします。
そしてNさん。お陰で楽しい遠征になりました。機会あれば、是非またご一緒させて下さい。



戻る     (「釣果報告チヌ」へお戻りの方はここをクリック)