野球のコーナー

2025.11.6

3か月を追って

前の記事を書いてから3か月が経ったらしい。
広陵の不祥事問題について一本書こうかと思っていたが、書こう書こうと思っているうちに月日が流れてしまった。
まあ書きたいことはほぼ前回で書き尽くしたが、今回一応繰り返して書いておく。

不祥事の遡及適用による処分は残念ながらできないから、今年清算できるのは今年のやらかしのみである。
だから、「○年前にいじめの被害に遭いました」と被害者が訴えたとしても、残念ながら遡って処分をすることはできない。
なので、あくまで直近のいじめ問題に対する高野連の処分の軽重以外に論点がない。
高野連の処分が甘々であったとすれば、広陵側がもっと早く出場辞退の判断をしてその席を崇徳に譲るべきであった。

そもそも本来であれば、「初めから出場をしない」か「加害者を追放した上で出場する」かの二択であったはずである。
ただ、加害者に関する情報がSNSのせいでめちゃくちゃになってしまった。
加害はしたものの盛られた情報があったり、そもそも加害者ではないのに加害者として顔と名前を晒された者もいたとみられる。
加害者はひっそりと去るべきであった。その上で高野連が重く処分をするなり、あるいは広陵側が出場するかしないかを判断するべきであったろう。

今回の騒動がこじれた諸悪の根源は間違いなくSNSである。
SNSは全くのデマを「ある程度確からしく」世間に喧伝することが出来るから、その気になれば悪用し放題である。
兵庫県知事選や参議院議員選挙においてSNSをはじめとするネットによるフェイクニュースが、政治リテラシーのない情弱ネット民を洗脳して選挙結果に大きな影響を与えたことは皆様ご存知のとおりである。

だからこそ、私は広陵側の態度が気に食わなかったのである。
彼らはあたかも「SNSの所為で出場辞退に追い込まれました」と被害者面をした。
これは「ぼくたちはSNSに屈しました」と言っているのと同じである。
「SNSは関係ありません。私たちは自分たちの判断で出場辞退を決断しました」と言うべきであった。
その上で、明らかなデマをばらまいたネット民に対しては法的措置を含めて厳しい対応をするべきであった。

しかし、広陵の対応は煮え切らない状況が続いている。
前回私は「生徒が中井先生を見くびっていたか、中井先生がいじめ暴力肯定派だったかのいずれかだ」と書いたが、多分後者である。
中井(敬称略)は監督の座を退いたが、副校長かつ理事かつ教諭の座にあるままである。
戻ろうと思えばいつでも監督に戻れるだろう。
まあ仮に戻ったとして、「こんな学校」だったことが分かってしまった以上、今後有力選手が集まってくれるとは思わないが。

まあ広陵については正直言ってもうええわ、と思っている。
秋の県大会では優勝したが、中国大会の初戦で高川学園(山口)に負けて決勝に残れなかったので、春のセンバツには出られないだろう。
将来は上述のとおり明るくないだろうから、今後甲子園で中井を見ることはないだろう。
それでおしまいだ。

その中国大会だが、準決勝で非常に残念な出来事があった。
崇徳と倉敷商(岡山)が対戦した試合である。
この試合は初回に崇徳が2点を先制したものの、その後倉敷商が追加点を許さず、終盤まで好ゲームを演じていた。
ところが8回に崇徳が追加点を入れると直後から倉敷商がミスを連発して8失点し、0−10で8回コールドゲームになってしまった。

これには実況も解説も呆れた様子で、特に解説がどこぞで聞いたことのある「癖のある調子」で苦言を連発していた。
「達川か?」と思ったらやっぱり達川だった。
賛否両論どころか否の方が圧倒的に多い解説者だが、こんなローカルな仕事も引き受けるくらいだから、やはり野球が好きなのだろう。
そんな人にこんなことを言わせたらいかんだろ、倉商ナインよ。

前から思っていたが、岡山のチームは「もうダメだ」と思ったら一気に集中が切れて崩壊する傾向がある。
去年の夏の神村学園(鹿児島)にも無抵抗で負けたし、今年の夏の山梨学院(山梨)には惨敗した上に監督が泣き言を垂れて顰蹙を買った。
別に勝った負けたはどうでも良いから、最後まで死力を尽くして戦わんかい。
それができないなら初めから出て来るな。

まあ今回は中国勢は2枠しかないし、仮に神宮大会で崇徳が優勝しても(天地が引っ繰り返ってもないだろうが)、多分3校目は高川学園に惜敗した下関国際が選ばれるはずである。
0−3までで止まっていれば崇徳が優勝したことや地域性を考えても倉敷商が選ばれる可能性は割と高かったと思うが、自らチャンスをどぶに捨てた。
甲子園で岡山勢の無様な野球を見せられなくて済むのは何よりであった。

次いでプロ野球の話をしておきたい。
日本シリーズは4勝1敗でソフトバンクが勝利した。
私は野球の質において阪神の強さは絶対的であり、スイープはともかく4勝1敗乃至2敗で阪神が日本一になると予想していた。

明暗を分けたのは、誰しもが言うように第2戦であった。
阪神は8月初旬以来公式戦登板がなかったデュプランティエを先発させてソフトバンク打線を起こしてしまい、その後為すすべなく4連敗した。
注目すべきことは、藤川がデュプランティエ先発という舐めプをしたこともそうだが、デュプランティエ自身も序盤は球速を抑え、またバッテリーを組んだ坂本も序盤は球種を絞っていたという。要するにバッテリーごと舐めプをしていたのである。これでは捕まって当たり前である。

また、これはソフトバンクの投手陣が優れていたという言い方もできるかも知れないが、阪神得意の「選球眼で四球を取って投手にプレッシャーをかける」という攻撃ができなかったのも痛かった。
負けた4試合での四球数は2、5、2、2であった。
そうは言っても第3戦では5つ四球をもらい、また相手が2つもエラーをしてくれたのにそこに付け込むことが出来なかった。
ここを取れていればまた違った展開も考えられただけに、ここは悔やまれるところであろう。

恐らく阪神の連中は思ったに違いない。

「野球観が変わった…(やっぱり金か…)」

と。
私は阪神の今年のそつのない野球、凡事徹底でもってセリーグを圧勝で制した野球を高く評価していただけに、ソフトバンクの「個の力」に対して全く通用しなかったという点については残念なシリーズだった。

最後に広島東洋バカープについても少し触れておく。
ドラフトではアマチュア球界で実力のある選手たちを指名し、その筋の玄人からは比較的高い評価を得ている。
しかし問題は、その多くが完成されていない、いわゆる「素材型」であることである。
そしてさらなる大問題は、それを育てるべきコーチ陣が全くと言っていいほど変わらなかったことである。
ネット上で叩かれているコーチ(朝山など)を下に落とし、代わりに下にいたコーチを一軍に繰り上げ当選させただけである。

新顔は石井弘寿1名のみであり、彼とて「外部の血」ではあるものの弱投ヤクルトを如何様にもできなかったという点で手腕に大いに疑問が残る。
さらに言えば、秋季キャンプで目立っているのは黒田アドバイザーの方である。
さらにさらに言えば、来シーズンから先発転向が予定されている岡本が早々にリタイヤしたそうである。
投手でもこれであるから、野手はさらに悲惨である。
何せ一軍打撃コーチが新井弟である。
こんなところで「家族野球」を見せられるとは思わなかった。
まさかこんなクソチームの試合のチケットを並んでまで買いに行くバカは広島にはいないだろうね?いないよね?

ちなみにマエケンこと前田健太が今日、日本球界復帰を明言した。
チームがどこかは言わなかったが、カープではないことは間違いないだろう。
まず、広島のメディアが殆どこのニュースについて触れない。大本営(中国新聞)が何も言わない時点でお察しである。

さらに言うと、カープは去年同様支配下選手枠がカツカツであり、現在67枠が埋まっているそうである。
この時点で「もう補強はしません」と言っているに等しい。
せいぜい外国人の入れ替えと現役ドラフトによる選手の入れ替え(まさか2人入れるような馬鹿な真似はしないと思うが)くらいだろう。
あとは育成選手の昇格枠と、やりもしないシーズン途中の補強枠を口実に残しておくに違いない。

マエケンの復帰先だが、最有力候補は讀賣であると言われている。
讀賣は田中マーを引き取って200勝させた実績があるので、マエケンも上手く使えるに違いない。
新井のバカに任せるよりはマエケンも幸せになれるに相違ない。健太、幸せにな。

あるいは、今まで全く縁もゆかりもないチーム、たとえばオリックスや日本ハムに入っても面白そうである。
オリックスは九里や西川など元カープ選手も多いし、何より本人にとっては地元である。
日本ハムのユニフォームは意外に似合いそうだし、名将・新庄のタクトの下、北の大地で躍動するマエケンも見てみたい。
奥さんが東京志向らしいからあり得ないと思うが、噂通りの讀賣だと正直ストーリーとしてはあまり面白くないんだよなあ…
そういえば奥さんは元々名古屋かどこかじゃなかったっけ?ならば中日もありかも知れない。松葉が出そうだし。

他チームのことも書きたいところだが、今回はここまでにしておいて、後日例によって追記しよう。
なので、読まれている方におかれましては、折に触れて覗いていただければ幸いである。


追記(2025.11.15)
先ほど、明治神宮野球大会高校の部で崇徳が花巻東(岩手)と対戦し、大した見せ場もなく1−3で負けた。
大して前評判が高い訳でもない花巻東の、プロ注というほど前評判が高い訳でもない左の萬谷投手に手も足も出ない完敗である。

結局どれだけ中国地方で無双していい気になっていたとしても、全国レベルの相手と当たればこんなものである。
一冬あるとはいえ、これでは春のセンバツも期待できないだろう。
ていうか、今の中国勢には2枠すら多すぎる。何なら崇徳も出なくていい。恥をさらすだけである。

孤立無援の中好投したエースの徳丸投手とそれをリードした新村捕手以外の連中は歩いて帰れと言いたい。
あと、監督は一体何をやっていたのか。
解説をしていた元智辯和歌山の高嶋仁氏が「逆方向を狙わないと…」と再三仰っていたが、結局何らの手も打たず、座して死を待つ道を選んだ。
大方「徳丸さえおれば何もせんでも勝てるやろ」と高を括っていたのかも知れないが、そんなに甘い訳がない。
崇徳は開校150周年記念の春に泥を塗られたくなかったら、今からでも遅くないから勝てる監督を連れて来るべきである。

ただ、 萬谷投手の投球内容とバッテリーのインサイドワークは見事だった。
多分ぼくらのバカープと対戦したら完封されるだろう。
今すぐ石原(老)をクビにしてあのキャッチャーをバッテリーコーチとして迎え入れることが出来ないものだろうか。


追記(2025.11.26)
上述のマエケンであるが、何と東北楽天ゴールデンイーグルスが落札した。
マエケンは家族(某赤いチームのことではない)を大切にするので、奥様が御執心の関東圏のチームを選ぶと思われていたが、意外であった。
こうなると、以前噂されていた讀賣などの首都圏チームが本当にマエケンにオファーを出していたのかが疑わしくなってくる。
少々の年俸の待遇差は彼にとっては問題ではなかろう。にも関わらず敢えて地方球団の楽天を選ぶというのは不可解である。
あるいは、カープファンのことを慮って、カープ復帰でなければせめてパリーグで、ということを考えた可能性はあるが。

まさかとは思うが、来シーズン終了後に、

田中マー(讀賣)⇔マエケン(楽天)

なんてことになったりはしないだろうね。
何ならもう約束してたりなんかして。

あと、マエケン復帰に一縷の望みを賭けていた「松田元の従順な金づる」の皆さん、残念でした。
カープはマエケンにオファーすらしなかったそうですよ。
これでチケットを買う楽しみが一つ消えましたね。
来年はこんなクソチームのことなど忘れて、ストレスフリーな生活を送ることをお勧めします。

…ちなみに私は、バカープがマエケンに声を掛けなかったことそのものを批判している訳ではない。
不可解なことはただ1点、「カープ投手陣で一番能力の劣る投手」と「マエケン」を比較して前者を選択したことである。
恐らくケ○ナあたりが該当すると思うが、仮に○ムナとマエケンがいて、どちらかを選択して良いとしたら、皆さんはどちらの価値が高いと判断するだろうか?

マエケンを獲らないのであれば、今のマエケンより能力が劣ると思われる投手はリリースされるべきである。
それをしないから私はバカープの編成は無能だと言っているのである。
御理解いただけただろうか。



追記(2025.11.30)
昨日、カープレジェンドマッチが開催された。
先日のガラガラだったファン感謝デーと比較しても大勢のファンが詰めかけた。
掛け値なしで良いイベントだったと思う。

両イベントを比べて思うのが、昔の綺羅星の如きレジェンドメンバーと比較して、

今の選手たちに如何に魅力がないか

ということである。
この観客動員の差って結局そういうことでしょ?そうだよね?

今の選手たちの中に、近い将来このメンバーの中に入って見劣りのしない者が一人でもいるだろうか。
彼らはこのレジェンドマッチを見て、彼我の格差に悔し涙の一つでも流さなければならない。

そう言えば新井(敬称略)もこの中にいたが、一緒にホームラン競争に出場した金本知憲氏に、
「僕がホームランを打ったら金本さんにバッティングコーチをやってもらいます!」と宣言し、実際にホームランを打ってしまい、
「ユニフォームの採寸の準備はできてます!佐々木泰には背番号10を譲ってもらいます!」とはしゃいでいた。

言いたいことは3つある。
まず、佐々木に対して大変失礼な暴言である。冗談で済まされる話ではない。
次に、金本氏を打撃コーチにするのなら、弟の新井良太はクビになるのだが、それで良いのか?
最後に、最善なのは自身が退いて金本氏に監督をやってもらうことではないのか。
金本氏は阪神監督時代は結果を残せなかったが、現在の常勝阪神の礎を築いたとして現在再評価されている。
3年かけてチームをぺんぺん草も生えないほど崩壊させた自身とどちらが指揮官として適任か考えてから物を言った方が良い。


あと話は変わるが、高校野球において、前述の中国大会で準優勝して春のセンバツ出場がほぼ当確と見られていた高川学園で暴力事案があったそうな。
サッカーにおいては、正月の高校サッカーの宮城県予選で優勝した仙台育英で悪質なイジメ事案が発覚したため同校が出場を辞退した。
で、準優勝した聖和学園にお鉢が回ってきたのだが、同校でも部員の飲酒・喫煙が発覚し、どうするか揉めた末結局出ることにしたらしい。

こうなると、もはや高校スポーツでそれなりに強いチームの中に清廉潔白な高校などないのかも知れない。
何なら選考・代表校決定の段階で各校に抜き打ちで査察を入れて合格した高校だけ出場OK、なんてこともしなきゃいけないのかも知れない。
部員も部員で、せめて全国大会への出場が決まったとか視野に入ったとかいうのであれば、せめてその間だけでも慎むがいい。
たったそれだけの我慢も出来ないのであれば、その理性は猿と大差なし、と断じざるを得ない。

罪状で言えば、広陵と仙台育英は暴力・イジメという極悪事案であり、しかも常習性が認められる。
高川学園は先輩が後輩に「態度が悪い」と言って暴力沙汰に及んだ一件であるが、常習性なしということで上記2校よりはマシ、という判断だろうか。
しかし高野連の処分は広陵も高川学園も同じ(厳重注意と当該部員への出停)であり、出場の妥当性については問題となる可能性がある。
高川学園が辞退した場合、準決勝の試合内容を考慮して下関国際が棚ぼたを手にするだろう。倉敷商の皆さん、残念でしたね。

聖和学園についても揉める可能性はあるが、飲酒や喫煙がばれた程度で出場辞退していたら出られる高校がなくなってしまう(苦笑)。
暴力やイジメは他人の心身に深い傷を残すものであるが、飲酒や喫煙は精々てめえの身体を痛めるだけだから自業自得である。
この年齢から酒や煙草に嵌って将来肝硬変や肺がんでのたうち回っても良いのならどうぞご自由に、ということである。
なので上記の2校より罪状は軽いのだろうが、そうは言っても触法行為である。
日本の法律さえ守れない者がスポーツのルールを守れるのだろうか。もし出場するのなら、厳しい目で監視しなければならない。


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