野球のコーナー
2025.6.11
自称「打てる捕手」・坂倉将吾の使い道
広島東洋カープに坂倉というキャッチャーがいる。
自称「打てる捕手」という触れ込みであったが、特に最近は捕手としては全くと言っていいほど良いところがない。
リードは下手糞、キャッチングも下手糞、盗塁はフリーパス。
打つ方だけは3割近くの打率を残しているので「打ち勝つ野球」がお好みの素人ファンには受けが良い。
しかし、彼の捕手としての絶望的なウィークポイントは明らかにチームに悪影響を与えており、投手陣を蝕んでいる。
これを書いているのは6月11日である。
今日も今日とて、坂倉は悪送球をやらかして失点し、なけなしのリードをフイにした。
また、塹江敦哉が一軍登録を抹消され、高橋昂也が登録された。
直近では塹江は打たれまくっており、二軍落ちも仕方のないところであるが、私は敢えて塹江に同情したい。
そもそもまず坂倉の捕手としての実力に疑問を抱いたのは(いや、昔から抱いていたが)、5月28日の讀賣戦である。
この試合の7回に一死二塁の場面、2点ビハインドでこれ以上の失点が許されない場面で塹江が登板した。
ここで讀賣は代打に、「高めの直球に対する弱さ」では定評のあるリチャードを送った。
本来なら高めの直球3つで終わりのはずが、坂倉は何を思ったか捕れもしないフォークを要求しこれを後逸して振り逃げを許し、ピンチを広げた。
そして次打者の泉口に前進守備の間を抜けるヒットを打たれて4点目を献上し、勝敗は決した。
坂倉はあまり各打者のデータを把握していないように見える。
この試合はBS日テレで中継があり、各打者の得意ゾーンと苦手ゾーンが図示されるのだが、坂倉は相手打者の得意ゾーンばかり投げさせていた。
また、駆け引きも苦手のようである。
昨日6月10日のロッテ戦において、坂倉はどう見てもストレート狙いにしか見えないロッテ打線に対し、執拗にストレートを投げさせて痛打されていた。
その痛打された投手陣の中に塹江も含まれていた。二軍落ちの決定的要因はこの試合だったはずである。
無論ストレートを真ん中高めにしか投げられない塹江ら投手陣にも非はあるが、それより「緩急」という概念が全くない坂倉のリードに呆れた。
緩急を上手に使ってあわやノーノーというサモンズの好投を引き出したロッテ・寺地(19歳)とは対照的である。
このように、現状において坂倉は捕手としては完全に失格である。
彼だって無論人並み以上に奮励努力をしているのであろうが、それでもこの惨状なのは本人に捕手としての資質がないからである。
それ以外に理由を考えれば、怪我(骨折した中指の予後が悪いなど)でまともにプレイできる状態にないか、あるいは叛心があるかのどちらかしかない。
もし怪我があるのであれば、悪いことは言わないから正直に申告して二軍(又は三軍)でしっかり治して来るべきである。
本人は良かれと思ってやっているのかも知れないが、キャッチャーというポジションの特性上、自分の成績だけでなく投手陣にも迷惑である。
真面目なサラリーマンがインフルエンザを押して無理をして出勤して職場にウィルスを蔓延させるのと同じと言って良い。
無論ポジションをライバル(石原など)に奪われることに対する危惧はあろうが、本当に実力があるのならすぐ奪い返せるはずである。
叛心だとしたら…知らん。
新井の采配がアホ過ぎてやってられん、とか松田元が因業で辛抱ならん、と言うのであれば私は喜んで支持するが。
ところで、ここまで読んだ方は、私の野球の見方が極端に守備重視であることを奇異に思われるかも知れない。
無論私もそれは自覚しているし、正しいと信じている。
何故なら、「1点を守る方が1点を取るよりも易しい」からである。
現在のカープにおいては、矢野や菊池に代表される「守備お化け」をはじめとして高い守備力を誇る選手が多くいる。
これは他チームにないストロングポイントである。それをすてるなんてとんでもない!
さらに言えば、現状プロ野球全体が極端な「投高打低」である。
打てない打てないと言われるカープだが、実は6月10日現在のチーム打率はセリーグトップである。しかしそれでも.242に過ぎない。
これではいつ出るか分からないタイムリーやホームランに期待するより、当たり前に守って最少失点に抑えて勝つ方が易しいのは自明である。
そこで坂倉である。
彼は確かに3割前後のアベレージを誇っているが、守備力は絶望的である。
いくら「打てる捕手」といえども、あの守備では3割に加えて40本塁打くらいは打ってくれないと割に合わない。
もしかしたら彼のことを快く思わない投手がいるかも知れない(塹江とか)。
彼の扱いは今後、首脳陣の悩みの種となる可能性がある(もうなっているかも知れない)。
率直に言うと、彼に関してはコンバートしてあげた方が本人にとっては幸せだと思う。
しかし問題は、コンバート先がないことである。
以前外野守備を見たことがあるが、惨憺たるものであった。あれではどんなに練習したところで知れたものであろう。
まして、外野は今既に激戦区である。ファビアン、末包は固まっているし、残りの一議席は秋山、中村奨成、野間らが激しい争いを繰り広げている。
二軍にも期待の若手である田村らが控えており、ここに割って入るのも容易ではない。
そうなると一塁と三塁くらいしか可能性がない。ここらは以前守った経験があるし、見られないほど下手な訳ではない。
ただ、一塁にはモンテロがどっかりと腰を下ろしている。しかもモンテロ、実は坂倉より若い(26歳)。
三塁はと言えば、現在においてはまず小園がいる。菊池が第一線を退くまでは三塁が主戦場になるだろう。
菊池が退いて小園が二遊間に収まったとしても、今度はドラフト1位の佐々木泰がいる。スぺ気味なのが気になるが、怪我を治して身体を作れば優先して使われる立場になるだろう。
最悪の場合、坂倉は佐々木の「噛ませ犬」にされる可能性さえある。
こうなると、カープに籍を置き続けるのも考え物である。
仮に怪我ということでなく、捕手としての成長が今後見込めないのであれば、他球団に活路を求めるのも一つの方法と言えよう。
FA権を取るまで待って堂々と宣言するのも良いが、このままだと資格を取る前に自らの商品価値が下落する恐れがある。
そうなると、自ら直訴した上でのトレードという可能性も一応は考える必要があるだろう。
たとえばトレードの弾、という視点で見ると、他球団目線では彼は非常に魅力的に映る。球団にとっても悪い話ではないだろう。
とはいえ、彼を「捕手」として魅力的であると考えるかどうかはまた別の話である。
現状がどれだけ他球団にばれているかは知らないが、いくら「打てる捕手」に魅力があるとはいえ、捕手として守備で醜態を晒し続けている現状で、「捕手としての坂倉」を欲しいと思うチームが多くあるかと言われれば疑問である。
彼が主戦場にするべきなのは、やはり一塁や三塁、又はパリーグのDHであろう。
であれば、長打力のアップは欠かせない。
現状明らかに「飛ばないボール」が使われているとはいえ、シーズントータルで「3割10本塁打」程度ではこのポジションに座るのは難しい。
坂倉にはとにかく、キャッチャーミットを今すぐ捨ててバットを振り込み、マッチョな肉体を身に着けて問答無用でスタンドに放り込めるスラッガーに転身する方向に努力をすることを勧めたい。
そうすればトレード又はFA移籍によってより好待遇を得られる可能性も広がる。
まあそれだけの長打力があるのならばモンテロや小園・佐々木など押しのけてカープでレギュラーポジションを取れるはずであるが。
現在の坂倉は「打てる捕手」の美名に酔って攻守ともに中途半端な選手になりつつあると思う。
彼もじきに三十路の声を聞くことになる。このままでは中途半端なままで終わってしまうだろう。
それは余りに勿体ないので、今こそ現状を打破すべき時であろう。
私が今思いつくのは上述のモデルチェンジくらいであるが、何か自分に出来ること、自分のストロングポイントを見つけてもらいたいと願う。
そのことが自身の商品価値を高め、自身の可能性を広げていくことにつながるからである。
追記(2025.6.13)
昨日の中国新聞のコラム「球炎」において、坂倉の悪送球が槍玉に挙がっていた。
どんなに無様に負けても基本「よかった探し」しかしない中国新聞には珍しいことである。それだけ腹に据えかねたのであろう。
記事によれば、送球難の原因は「曲がった中指」だけでなく(これも大概だと思うが)、精神的なものではないかと述べられている。
何でもイニング間の試投では糸を引くような軌道で二塁に投げているそうだが、走られることを恐れているようである、とのこと。
もしそうであるならば、私が一つ妙案を授けたい。
イニングの守備に就く前に、この言葉を3回唱えなさい。
「どんな弱肩でも會澤よりはマシ」
ちなみに坂倉はこの翌日にも走者へのタッチプレーでミスを犯して敗戦の一因となった。
そして今日は石原にマスクを譲ってDHで出場し、チームは快勝した。
交流戦でDHが使える試合なら良いが、今後首脳陣は坂倉をどう使うのだろうか。
追記(2025.6.15)
今日の対北海道日本ハムファイターズ戦を途中から見ていた。
石原はキャッチングと肩は坂倉より良いと思うが、リードは坂倉に劣るとも勝らないくらい下手だ。
これでは長いシーズンを任せることは難しいだろう。
球団は今オフのドラフトないしトレード等でまともなキャッチャーを確保する必要がある。
カープは捕手陣は豊富であると言われていたが、どうしてこうなった。
まあ石原(老)の教育が全て悪いのだろうが。