野球のコーナー

2025.8.7〜

高校野球日記

夏の高校野球が開幕した。
開幕を前にして早々に私を滅入らせているのは、SNSによる某出場校の暴力事件に関する情報の拡散である。
いや、某出場校などとまどろっこしいことは書くまい。はっきり言えば、広陵である。

当初はこの話、どうも胡散臭いと思っていた。
本来ならば、「火のない所に煙は立たぬ」という諺もあるので、「マジかよ広陵最低だな」と言うところだが、引っ掛かるところがあった。
メディアからは何も発表されておらず、あくまでX(旧ツイッター)上で拡散されていた話であった。
こういうことを言うと、陰謀論に毒された某政党の信者辺りが、「オールドメディアが情報を隠蔽している!」と大喜びで喧伝するのだろうが、

「知らない人が呟いてたんだよ!」

というACの「決めつけ刑事」のCMそのままのような気がして俄かに同調しづらいものがあった。

だが、これを書いている8月5日についにメディアが報じるところとなった。
報じているのが産経新聞とデイリースポーツという、どちらかと言うとネット上のフェイクニュースに親和性のありそうなメディアなのが少々心許ないが、学校側が事実関係を認めた、3月上旬に高野連に報告して厳重注意を受けた、という一連の流れは一応確からしいので、信憑性は高いと言える。
※その後、他メディアも報じるところとなり、高野連と広陵高校側も声明を発表し、事実であることが判明した。

広陵と言えば中井監督である。選手たちから見れば「中井先生」である。
中井先生はその采配にネット上で非常にしばしば疑義が呈されるものの、一応高校野球の名監督として名が通っている。
彼の名声を支えるのは、偏にその人徳、人望、求心力である。
選手たちは「中井先生」を信奉し、びっちりついてくる。まるで宗教の教祖様のようである。

そんな「中井先生」がそばについていながらこのような問題が起こるとは一体どういうことなのだろうか。
考えられるのは、中井先生がイジメ暴力肯定派なのか、あるいは選手が中井先生を舐め腐って「このくらいやっても大丈夫」と高を括ったかのどちらかである。
前者なら論外であるし、後者なら中井監督の指導力に大いに疑問符がつく。

最近の広陵と言えば、カープの上本・中村奨成の女性スキャンダル、大商大に進学した某捕手の逮捕、そして今回の暴力沙汰と碌な話題がない。
広陵の指導は野球の技術のみならず、人間性も伸ばしてくれるという評判が長いことあったが、こうなると看板を下ろさないといけない。
そしてこのような堕落した環境を拵えてしまった中井先生は、可及的速やかに潔く自らの身を処すべきである。
そして本件に関わった馬鹿どもは、中井先生の顔に泥を塗ったことを恥じ、必要な償いをした上で生涯十字架を背負って生きなければならない。

さて、世間には広陵は出場を辞退し、県大会で準優勝した崇徳が出るべきである、という意見もある。
(まあ高校野球ファンはともかく、N○K党に言われる筋合いはないと思うが)
私から見れば、恐らくどちらが出ても実力的には大差ないと思う。
県大会の決勝を見たが、両方とも投手を中心とした、良く言えば守りのチーム、悪く言えば貧打のチームである。
両方ともまあまあのレベルの投手を複数擁しており、この点は勝ち進むのに有利であるが、いかんせん点が取れなさすぎる。
特に広陵は「相手が左の好投手だとその時点で終了」という弱点を今年も抱えており、正直期待はしていない。
多分今回の件でムード的にも完全アウェイ(ブーイングの嵐)になるだろうから尚更である。

さて、大会の話に戻ろう。
8月3日に組み合わせ抽選会が行われ、先に決まっていた開幕戦(何故開幕戦だけ先に決める必要があったのか解せないが)以外のカードが決まった。
中国地方勢の対戦は、試合の早い順に次のとおり。

鳥取城北(鳥取)−仙台育英(宮城)
開星(島根)−宮崎商(宮崎)
広陵(広島)−旭川志峯(北北海道) ※旭川志峯は旧旭川大高
高川学園(山口)−未来富山(富山)
岡山学芸館(岡山)−松商学園(長野)

鳥取勢のくじ運のなさが大きな話題になっているが、今大会も期待を裏切らなかった。
とはいえ、ネームバリューだけで実力を評価することが誤りであることは、去年の大社が証明している。
ちなみに大社と当たった各校は決して舐めてかかった訳ではなく、戦力を分析した結果、「大社侮り難し」と警戒して挑んだという。
大社はそのような中を躍進したのである。お隣の鳥取にも頑張っていただきたい。

この試合であるが、鳥取城北はバランス型であり、仙台育英は堅い守りが看板である。
そうなると、鳥取城北が勝つためにはエラーをしないこと、3名の主戦投手で相手打線の目先を上手く変えることが条件になるだろう。
ここが決壊すると0−6くらいで負けそうな気がするが、ロースコアの接戦に持ち込むことが出来れば勝機があるかも知れない。

そしてその次の試合でお隣の島根・開星が登場する。
「大社が見たかった」と言われないためにも、「打倒宮崎商」はノルマである。
開星はあのジャイアン白根の世代に代表されるように、島根らしからぬ大型チームを作ってくることに定評がある。
今回は準決勝の大社戦では大接戦を制し、かと思えば決勝の松江南戦では26点を奪って虐殺している。
あらゆる展開を経験しているのは強みと言える。
相手の宮崎商は打線のつながりと継投が特徴のバランス型であり、個の力で圧倒するチームではなさそうなので、勝機は十分あるだろう。
落とし穴があるとすれば、相手を舐めて大雑把な野球をして自滅することである。例の21世紀枠・向陽戦のように。

とりあえず、

1日で2つ消えるのは勘弁してくれ。

そう願っておく。


8月7日である。
昨日の山陰勢2試合は1勝1敗に終わった。
まあ予想通りである。

鳥取城北は仙台育英に対し、一度ビッグイニングを作られたのが痛く、0−5で敗れた。
私は仕事でこの日の試合を見ていないので詳細な論評は避けるが、鳥取城北の加藤監督の談話から、スコア以上の実力差を感じたようである。
鳥取城北とて他地区からそれなりの実力の選手(大都市圏の高校だとレギュラーに漏れるレベル)を集めているはずだが、この点は意外だった。
ただ、鳥取勢を見ているとどうしても線の細さというか、パワーのなさが致命的である印象がある。
鳥取の予選でのスコアを見ると、やはり全国レベルの強豪に伍するには高い壁があるようだ。
鳥取の予選如きは蹂躙して出てくるくらいのパワーがなければ、鳥取勢の連敗記録は止まらないのかも知れない。

開星は宮崎商の粘りの前に苦戦を強いられたが、延長タイブレークの末何とか押し切った。
開星も島根予選の大社戦で苦しい接戦は経験しており、その経験が生きたのだろうと思う。
また、一度もリードは許さなかったことと、後攻だったことも精神的に救いとなったのかも知れない。
次戦は鳥取城北の仇討ちとなる仙台育英戦となるが、やはり強豪校らしくそつがない。
残塁、エラー、四死球は致命傷になると心得て、隙のない野球で勝機を見出したいところである。
野々村監督は「相手は大横綱、うちはふんどし担ぎ」と言っていたが、ふんどし担ぎならふんどし担ぎらしく全力で横綱の胸にぶつかってもらいたい。

今日は午前の試合は中止・順延となったが、午後の試合は予定通り行われるようである。

広陵のブーイング祭りは予定通り開催されます。

見たいような、見たくないような。

一応展望も書いておくと、普通に戦えば広陵が勝つだろう。
旭川志峯の決勝の試合のダイジェスト動画を見たが、選手は皆小粒であるし、エースはごく普通の右投手である(逆に左なら広陵は苦戦を免れない)。
小粒らしからぬ長打攻勢も秘めているが、広陵の投手陣を打てるかと言われたら多分難しいだろう。
広陵が負けるとしたら、上述のアウェイの雰囲気に飲まれることくらいだろう。
そう言えば、雰囲気に飲まれ、審判まで敵に回して絶対優位と言われていた公立校との試合に負けたことがあったっけ。
アレの再現があればあるいは危ないかも知れない。

ただ、仮に広陵が勝ったとすれば問題はその後だろう。
松井5敬遠後の明徳義塾対星稜戦以来の「アレ」が見られるかも知れない。

で、問題の試合である。
感想を言わせてもらうと、

レベル低っく。

お前ら両方とも負けてしまえ。

広陵も広陵だが、旭川も旭川である。
広陵は例のアレの所為か、普段の力の半分も出ていない。
旭川としては絶好のチャンスなのだが、こちらはこちらで野球が下手糞すぎる。
私も長年高校野球を見ているが、こんなにつまらない、レベルの低い試合は全国レベルではあまり目にしたことがない。
何せ5回を終わって1−1だが、1点は両方ともエラー絡みである。
拙攻拙守のオンパレードであり、5回表には広陵の控え選手の練習ボールがフィールド内に入ってプレイが中断する始末。

結局試合は壮絶な譲り合いの末、後半にちょっとだけ打線が本気を出した広陵が3−1で勝利した。
正直見ているのが苦痛なほどの凡戦であった。
旭川志峯は良いプレイもあったのだが、この貧打戦の中でエラーで点をやったのでは勝てる訳がない。
先発にエースの河合投手ではなく大渕投手を、そして2番手も法泉投手を送ったのも謎である。
一応下馬評で実力上位と言われている相手に対してエースを温存するという舐めプをしたことについては説明を求めたいところである。

この凡戦のMVPを挙げるとすれば、観客の皆様である。
私の見ている限りではあるが、ブーイングもなければ「帰れコール」もなかった。
これだけ紳士的にこの試合を観てもらえるとは思わなかった。
結局騒いでいた連中は普段野球を見ていない連中だったのだろうか。

広陵の次の対戦相手は津田学園(三重)である。
エースの桑山投手はサウスポーである。
打線にしたって今日の旭川志峯よりは上のはずである。
今日のザマでは間違いなく負けるだろう。
下手に勝ち上がって毎試合「広陵高校は暴力を伴う不適切な…」とNHKに紹介されるのも何なので、適当なところで負けた方が良いのかも知れないが。

さて、次の高川学園と未来富山の試合は8月10日であり、間が空く。
未来富山は広陵のやらかしで自分たちの不祥事が霞んでほっとしていることだろう。
個人的には高川学園は中国勢なので応援したいし、何より未来富山が勝ち進むと広陵との暴力ダービーが実現する恐れがある。
その芽は早めに摘んでおきたい。
高川学園の健闘を祈る。


これを書いているのは8月12日である。
この間寄生奇声帰省していたので間が空いてしまったのだが、まず広陵が出場辞退でいなくなった。
これに関しては今後どこかでまるまる一本書くと思うが、まず最初に思ったのは「今更?」ということであった。
疑惑のあった段階で事実関係を認めて出場辞退しておけばこんな大事にはならなかったし、代わりに崇徳に活躍してもらうことも出来たろう。
結論を先延ばしした所為で取り返しのつかないことになるのはどこぞの国の政府と同じである。

さらに言えば、私が問題視しているのは、出場辞退に当たって広陵側が述べた談話の内容である。
広陵側は出場辞退の理由を、「SNSで拡散され、部員や保護者、生徒に危険が及んだこと」「寮に爆破予告があったこと」としている。
これは2つの点で問題がある。

まず一つ目は、世間から「被害者面をしている」と思われることである。
広陵野球部でいじめに遭って転校を強いられた部員が現にいるのであれば、広陵高校は学校として当該部員に対し責任を取らなければならない。
それに触れず、又は触れたとしてもそれより大きく「ぼくだってひどいめにあったもん!」ということを強調するのはおかしい。

二つ目は、この談話によって「私たちはネットリンチに屈しました」ということを世間に認めたことになるからである。
今やSNS上を中心とした「ネットリンチ」は後を絶たない。
最も悪質な例としては、兵庫県知事選のいざこざで間接的に人を○した立花某とその一派であるが、自らがネットリンチをして仮に相手が自死を選んだとしても、やった方の人間は「ぼくたちのせいぎがかったぞ!やったあ!」としか思わない。

広陵であった行為は許されるものではないが、事実かどうかも怪しいような情報を根拠とした「ネットリンチ」も同様に許されるものではない。
今回広陵がこれを理由として出場辞退をしたことで、「寮を爆破する」と書いて投稿した馬鹿を含めた大勢の軽薄なネット民を増長させる恐れがある。
なので、広陵サイドとしては絶対にこれを理由としてはいけなかった。
「成功体験」を得た彼らの行為がますますエスカレートするのは必定だからである。

広陵は「遅くなってしまったが、暴力行為の責任を取って出場を辞退します。SNSは関係ありません」と言えば良かった。
暴力沙汰は暴力沙汰として厳正に対応した上で、ネットリンチに対しては別途対応するのが正しいやり方である。
ついでに「中井監督は解任します」と言えば尚良かったが、それもしなかった。
しょうもないプライドやしがらみで事態を悪化させてしまった。
考えられる限り最悪の対応を取った訳である。

閑話休題。
8月11日に、高川学園が未来富山と対戦した。
まず印象に残ったのは、両軍のガタイの良さである。
未来富山は実質「通信制の野球専門学校」といった風情であり、これ一本で鍛えているから分かるが、高川学園も負けてはいない。

未来富山の先発はプロ注目左腕と言われる江藤投手であったが、どうやらこの日は調子が悪かったらしい。
そうは言っても、1本塁打5打点を挙げた遠矢捕手をはじめとして、この投手を力で真っ向から粉砕した打力は見事であった。
遠矢捕手はキャプテンであり、女房役でもあり、見た目からして「頼れまっせ!」というオーラがにじみ出ている。
なかなかに将来が楽しみな選手だと思った。

高川学園は木下投手からエースの松本投手への継投を見せた。
木下投手は立ち上がりにいきなり2ランを食らったが、低めに球を集めて躱す投球でリードを守ると、6回から松本投手が4イニングを1失点と試合を締めた。
未来富山に悔いが残るとすれば、6回にマウンドに上がった松本投手の立ち上がりを捉え損ねたことだろう。
四球とヒットで無死一・二塁のチャンスを掴んだが、犠打の後三振と遊ゴロで無得点に終わった。
ここで2点くらい返せれば試合はもう少しもつれていたかも知れない。

醜聞云々はさておき、チームとしては未来富山は好チームであった。
しかし、高川学園はこれより1ランク上の実力がある。
次戦は前評判の高い日大三(西東京)が相手であるが、俄然楽しみなカードとなってきた。
日大三はエース近藤投手の好投で豊橋中央(愛知)との接戦を制したが、いつもの如く長打力も併せ持ったチームである。
今日の様子だと何だかノーガードの殴り合いになりそうだが、要注目である。

そして今日8月12日は、岡山学芸館が松商学園と対戦し、3−0で勝利した。
松商学園は県予選でエラーなしという鉄壁の守備力を誇るチームであったが、岡山学芸館の機動力に動揺し、守備に綻びが生じた。
岡山学芸館は松商学園の粘り強い攻撃の前に毎度毎度ピンチを招いていたが、エース青中投手が粘りの投球で全てゼロに抑えた。
松商学園としては岡山よりチャンスを多く作り、特に中盤まではほぼ毎回得点圏にランナーを送ったが、「あと一本」に泣いた。
特に中部・東海勢にこの種の惜敗が多く見られ、「拙攻はドラゴンズだけで十分だ」という嘆きが聞かれるが、その「あと一本」が力の差なのであろう。

岡山学芸館の次戦の相手は山梨学院(山梨)である。
初戦で東北の雄・聖光学院(福島)を寄せ付けない鉄壁の攻守を見せた強敵である。
戦力の厚みを考えても岡山学芸館より一枚も二枚も上と言って良いだろう。
相手のキーマンはこれまた頼りになる女房役の横山捕手である。
この対戦の見どころは岡山学芸館の機動力VS.山梨学院・横山、ということになるかと思われるので、ここを注目しておきたい。

それにしても今大会は中国勢が好調である。
今日で全て出そろったが、5戦やって4勝1敗である。
上述したように、次戦は開星−仙台育英、高川学園−日大三、岡山学芸館−山梨学院である。
いずれも強敵であるが、健闘を祈りたい。

あれ、4つ勝ったから1つ足りない気がするが…
気のせいかな?儂も歳を取ったのう。


8月15日である。
昨日、開星が仙台育英と対戦したが、2−6で敗れた。
この試合も仕事で見られなかったので詳細な論評はできないが、4エラーでは勝てない。
相手方仙台育英には「令和のアライバ」と称される1年生の二遊間コンビがいるそうな。
身体能力は勿論だが、新聞記事での談話を見る限り野球脳も相当なもののようである。
守備力の差、と言えばそれまでではあるが、これだけレベルの差を見せ付けられてはどうしようもない。

ただ、開星の野々村監督はこの結果にも大いに満足だったようである。
当初は「島根県最弱のチーム」と呼んでいたということで、地力・素質という点に関しては今までのチームには及ばないと考えていたようだ。
そんなチームが成長し、久々の甲子園に連れてきてくれて、1勝までしてくれたということは今までと違った感慨があったのだろう。

惜しまれるのはやはりミスである。
ノーミスであれば僅少差に持ち込み、あわやの展開もあったかも知れない。
上述のように野々村監督は「相手は大横綱、うちはふんどし担ぎ」と言ったが、相撲に喩えれば立ち合いは上手くいったものの土俵に足を滑らせてしまい、気が付いたら相手十分の形を作られてしまって為すすべなく押し出された、とでも言うべきか。
選手たちは悔しがっていたので、「もう少しいい試合が出来たのに」「もしかしたら勝てたかも知れなかったのに」という思いはあったと推察される。
あるいは15年前の因縁の相手でもあり、実力上位の相手でもあり、気負いや過剰なリスペクトがあったのかも知れない。

さて、勝ち上がった仙台育英であるが、派手さはないが玄人好みのするチームと言える。
このようなチームが一つくらい勝ち上がった方が面白い。
いろんな強みを持つチームがいてこそ盛り上がるというものである。
次の仙台育英の相手は沖縄尚学(沖縄)である。
とりあえず中国勢でなかったことにほっとしている。


8月16日である。
昨日夜更かしをしたため、起きたのは朝9時前であった。
第1試合で高川学園と日大三の対戦がある。
奥さんが違う番組を見ていたため、スマホでスコアを見ると、1−7

私はそっと画面を閉じた。
ある程度の失点は予想されていたし、あるいはノーガードの殴り合いも想定していたが、さすがによーいドンで7失点では勝負にならない。
その後すぐ3点を取り返して僅かな望みをつないだが、7回にとどめを刺されてジ・エンドでございます。

で、第2試合の岡山学芸館と山梨学院の対戦であるが、中国新聞の戦前の論評が、

「接戦に持ち込みたい」

これは彼我の力の差が大きく、まともにやったら惨敗必至の場合に使われる表現である。
今日で最終回確定である。
やんぬるかな。

肝心の試合であるが、もはや触れる価値もない。
中盤までは何とか堪えていたが、5回に見事に決壊して勝負あり、である。
実際この試合は見ていない。用事をしに外に出て、帰ってテレビをつけたら0−7になっていたので見るのをやめた。
で、最終結果を見てさらに愕然とした次第である。

それにしても、去年もそんな感じだったのだが、岡山学芸館は「勝てない」と分かると途端に無抵抗になってしまう印象がある。
こんな負け方をすると、初戦で負けた松商学園が「あんなところに負けてやんの。松商って今大会最弱かも」と誹られる可能性がある。
初戦で対戦した学校のためにも、少しは爪跡を残してもらいたかったが、残念である。
なお、試合後のインタビューで岡山学芸館の監督が「横浜や仙台育英じゃないと無理」と泣き言をほざいたそうな。
岡山学芸館、と言うよりこの監督には二度と甲子園に来てもらいたくない。この監督では絶対に上には行けない。

総括に入ろう。
今大会の中国勢は、いずれも1つ勝つ力はあったと思う。
鳥取城北も初戦で負けたが、たとえば旭川志峯あたりとやっていたら恐らく勝つことは出来ただろう。
ただ、それより上、上位勢との力の差が大きい。

今大会は各校の力の差がそれほど大きくないのではないかと思っていた。
超高校級と呼ばれる選手はそれほど多くなく、横浜(神奈川)などの高校が優勝候補に挙げられていたものの、その横浜と対戦した綾羽(滋賀)がそれなりに健闘したこともあって、その感は強かった。
もしかすると中国勢にも上位の一角に割って入ることが出来るのではないか、という期待があった。

しかし、実際にはそうではなかった。
上位勢はやはり強く、その壁は以前より高くなったように思える。
思えば今大会は公立校の出場が少なかった(6校)のみならず、勝ったのは伝統校の県岐阜商(岐阜)と優勝経験校の佐賀北(佐賀)※のみ。
初出場校も5校にとどまり、勝ったのは聖隷クリストファー(静岡)と上述の綾羽(滋賀)のみである。その2校も2戦目で消えている。
段々と一見さんには厳しい大会になりつつあるという印象である。
※ちなみに佐賀北が勝ち進むとメディアと審判がおかしくなるため、個人的には佐賀北が負けたことには安堵している。

そのような中で、中国勢はやはり粒が小さい印象を受けた。
その点で言えば一番期待できたのは高川学園であったが、ディフェンスがあれでは手の打ちようがない。
打力は大事だが、守備力が基礎になければ試合にならない。
仙台育英を見ていると、その事実を痛感させられる。

聞いてるか、新井。

聞いてるか、カープのにわかファンども。

そりゃあ打てた方が、「負けている時に縋る藁」にはなるから打てないよりはましだが、負けという結果は同じである。

八つ当たりはさておき、仮に崇徳が出ていた場合の広島県代表を含め、今大会の中国勢では上位進出は厳しい。
明らかに全国の、殊にトップ校のレベルが上がっている。
そのような中で昨年の大会であれだけ戦った大社に対する尊崇の念は深まるばかりである。
いやマジで。どうやったんだ、あれ?



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