サッカーのコーナー

2026.8.9

開幕によせて

「世界基準に合わせた秋春制のJリーグ」とやらが始まった。
よそが秋春制にしているのは多分夏の暑さを避けるためだと思うのだが、日本は今の時期が多分一番暑い。
競技は違うが、ラグビーの選手が8月3日の練習後に熱中症で倒れ、その後命を落としたという。
日本にとってこの時期に開幕するメリットは多分1ミリもないと思うのだが、Jリーグのお偉いさん方は何を考えているのだろうか。

そう言えば、「雪国クラブ」に対する対応は結局どうなったのだろうか。
今は幸か不幸かJ1にいわゆる「雪国クラブ」は一つもないが、新潟や仙台や札幌といったところが上がってきたらどうするつもりなのだろうか。
もしかすると今のプロ野球のように「閉じたリーグ」にして「昇降格なしよ」という規定を作るかも知れない。
雪国のサポは注意して監視しよう。

海外の移籍市場に合わせたい、という目論みもあるようだが、結果としてサンフレッチェの大迫が開幕数日前に海外移籍を視野にチームを離れ、結果反故にされて泣く泣く帰国する、という喜劇悲劇を招いた。
このことについてのJリーグのお偉いさん方の見解も是非訊いてみたいものである。

それはともかく、サンフレッチェである。
「百年構想リーグ」というおまけのようなハーフシーズンの大会を7位を終えた。
相変わらず解説者どもはろくすっぽ取材もせず、単にチーム名だけで順位予想をしているのでサンフレッチェの予想順位は大体5位~7位くらいである。
しかし、上記「百(以下略)」はサンフレッチェにとっては、新監督に就任したガウルの采配の練習の場でしかなかった。
新シーズンではガウルの真価が問われると言って良いだろう。

そして迎えた開幕戦である。
注目すべきことは、スタメンのGKが渦中の大迫ではなく大内だったことである。
ガウルが大迫を「スタメンで出られるコンディションではない」と判断したのだろうが、これは結構な勇気を要する判断だったと思う。
結局大内はクリーンシートに貢献したが、これは大迫も心中穏やかではあるまい。
このままだと「海外移籍」というスケベ心を出したばかりにサンフレッチェでのスタメンの座すら失う恐れがある。
大内本人も語っていたようだが、高レベルでの競争が始まったと言って良いだろう。

試合は終始サンフレッチェが主導権を握り、「百(以下略)」からのJ1昇格組であるジェフ千葉を3-0で一蹴した。
開始早々中野がゴールを決めたもののその後は打てども打てども決まらずやきもきさせられたものの、後半残り10分というところで鈴木が、そして残り5分というところで途中出場で入ったばかりの川村が決めて勝負ありである。
特に復帰早々結果を出した川村には頼もしさを感じる。
この日は負傷した浅野は出ていないし、アレーは後半からの「試運転」であった。
前線に関してはまだまだ強くなる余地があるのは頼もしい限りである。

問題は何度も触れた守備陣である。
今回は荒木と佐々木のじいさんと塩谷のじいさんが揃って出場したから良かったが、この3名とそれ以外の差がいつまでもあるようでは困る。
山崎が最後に少しだけ出場して川村のゴールにも貢献したが、「二人のじいさんのフォロー役」で終わっていてはいけない。
その他の守備陣の面々を含め、昨オフに守備陣の補強がなかったということの意味を噛みしめていただきたい。

最後にガウル采配について考えてみる。
上述のGKの判断から途中交代を含め、疑問手と呼べるものはなかった。
前回少し書いたが、「百(以下略)」の序盤から中盤辺りと比べれば選手交代に落ち着きが出てきたと思う。
また、今日の中国新聞のコラム「ピッチサイド」によれば、選手に対する遠慮がなくなり、自分を出せるようになってきたという。
選手と喧嘩するようでは困るが、最善の結果を出すために本人が信念を持ってやることであればやればいいと思うし、私は支持したい。

ファジアーノ岡山はセレッソ大阪と対戦して1-2で逆転負けを食らった。
このチームは6月以降だけで10人退団という憂き目に遭い、「量より質」とばかりにナサンホ(町田→)、オベルダン(韓国全北→)を迎えたところだが、チームとしてまとまり、真価を見せるにはまだ時間がかかりそうである。
戦力的に見れば落ちるようなレベルではないと思うので、気長にチームの熟成を待ちたい。

その他のチームについては、さすがにまだ初戦だけに評価が難しい。
とりあえずあまりよろしくないと思えるのは町田ゼルビアにボコボコにされたFC東京、ホームに清水サンパレスに完封負けし、しかも翌日のトレーニングマッチで藤枝MYFCにも負けた名古屋サロンパス辺りが挙げられるが、長い長いシーズンであればこのようなことはあるだろう。たまたま最初そうだっただけである。

あと、上位候補と見られる鹿島アントラーズが横浜FMと壮絶な殴り合いの末に4-3で勝利し、またガンバ大阪も相手方浦和レッズに退場者が出たこともあって同じ4-3のスコアで勝利した。
勝ったのはめでたいとしても3失点は決して喜べる結果ではないと思うし、逆に言えば横浜FMと浦和の攻撃力侮り難しとも言える。
特に浦和は名将・曺貴裁監督を迎えており、どのように変わるかが注目される。

8月9日の試合では、その曺貴裁を失った京都サンガがアウェイでVファーレン長崎と対戦したが、1-2で敗れた。
私はVファーレンとサンフレッチェの対戦を昨シーズン観戦したが、Vファーレンは強力な外国人を揃えており、脅威と感じた。
で、前半でチアゴサンタナが2ゴールである。
これは、と思ったのだがVファーレンもそこまでであった。で、後半に京都が1点を返したのだが、これもエリアスの得点である。
相変わらず外国人頼みの両チーム、上位への道は険しいと言わざるを得ない。

東京ヴェルディは川崎フロンターレ相手に引き分けた。
ヴェルディはしぶとい好チームなのだが、何故か引き分けが多い印象がある。この日も後半ATまでリードしながら、最後の最後に決められて勝ち点2を失う形となっている。この辺りが上位に行けるか、あるいは10位辺りをうろうろするかの分水嶺になっているように思える。
フロンターレは戦力的に上位は少々厳しいか。かつてサンフレッチェをボコボコに蹂躙していたあの力は今はない。

まあ繰り返しになるが、まだ始まったばかりである。
しばらくはこのクソ暑い中、死人が出ない程度に熱い試合を見たいものである。


追記(2026.8.15)
本日のサンフレッチェはアウェイで不倶戴天の敵・浦和レッズとの対戦であった。

完勝。何も言うことはない。

ていうか、レッズの守備がスカスカで、あれで勝とうというのは無理というものである。
前の試合で4失点したのは偶然ではなかった。補強するかも知れないが、現状は厳しい。
ゴール裏でブーイングがあったらしいが、はっきり言うと今の両軍の状態を考えるとブーイングをするのは選手が可哀想である。

サンフレッチェは4-1にした後も押し込み続けてゴールを狙い続けたのは好感が持てた。
下手に守りに入ると何が起こるか分からないから、この姿勢は続けてほしい。
以前は少々無理にでもシュートを打つということもあってシュート数ばかり多くて得点は増えないのが悩みの種であったが、鈴木章斗がどうやら目覚めたようであり、ニューフェイスのセバスチャン・アレーにも待望の初ゴールが生まれたのは好材料である。

ガウルの用兵についてであるが、2つ驚いたことがあった。
まずGKでこの日も大内を起用したこと。
これは大迫に対する強烈な叱咤である。普段の練習でもっとアピールしろ、ということだろう。
また大内も、「変なことをしたらすぐ替えられる」という緊張感を持ってプレイをしなければならない。
現状その相乗効果が出ている。ポジション争いという点では最も無風だと思われていたが、今や最大のバチバチの激戦区である。

もう一つは、後半24分に小林志紋を入れたことである。
この時点ではまだ3-1であり、しかもまだ20分以上あった。
そのような中で去年ユースから上がったばかりの2年目の18歳を入れたのである。
ガウルは「百(以下略)」でいろいろ「お試し」をやっており、小林もそのような中で1試合だけだったが出番をもらっていた。
彼の出番が増えるようであれば、戦力は厚みを増すだろう。

ただ、しつこいようだがこの盤石な強さも、不動の3バックがあってのものである。
塩谷のじいさんが今日も得点を決めるなど現状衰えを心配する材料はないのだが、万一アクシデントがあった時などが心配である。
山崎は今日は最後にボランチとしてピッチに立ったが、DFとして不動の3人を脅かす進歩を早く見たい。
ガウルは3バック同士のミラーゲームを避けるため、オプションとして4バックを模索しているらしいが、そこで出番があるかどうかが注目である。

次節はホームで川崎フロンターレとの対戦である。
今のサッカーを続けることができれば悲観することはないのだが、フロンターレには煮え湯を飲まされ続けているだけに油断はならない。

しかし今日こそは順位表の1番上に広島の名が出ると思っていたが、町田は一体何があったのだろうか。
今日は失礼ながら地力に差のある千葉との対戦であったが、とはいえ4-0の圧勝である。
2試合で9得点1失点。まだ始まったばかりとはいえ、今シーズンも大きな脅威になるだろう。


追記(2026.8.23)
昨日の結果を受けて、かなりきつい脱力感に見舞われている。
まず男子の方は川崎フロンターレ相手にホームで引き分けた。
先の2戦を見て夢を見てしまったようだが、現実に引き戻された。
降格候補の2チームが相手だったからボコれただけであり、中位以上の実力のあるチームが相手だとこのとおりである。

スタッツを見ても両軍互角であり、引き分けという結果は妥当であろう。
ガウルが特段変なことをした訳ではない(小林志紋をウイングで使ったのは想定外だったが)。
敢えて言えば、広島のパスワークに対し、川崎はハードワークで対抗したということになるだろうか。
そう言えば去年から今年初め頃の京都サンガにも苦戦した記憶があるが、曺貴裁の「走れ走れサッカー」にやられた感がある。
このような相手への対策が今後の課題になるだろう。

女子は直近負けていなかったINAC神戸に敗れた。
幸先よく先制したものの、後半に逆転されたものである。
相手がいわゆる「3強」の一角であり、かつアウェイであったことを考えれば仕方ないと言えなくもないが、逆に言えば「3強」の一角を崩すためにはここで一太刀浴びせておかなければならなかった。
昨シーズンの主力が残り、男子同様「成熟」という点では他にないアドバンテージがあるだけに、今後の巻き返しに期待したい。



追記(2026.9.6)
男子は今日、アウェイでファジアーノ岡山との中国ダービーに臨んだが、御自慢のディフェンスをズタズタにされて無様に負けた。

だからDFを補強せえと言ったろうが。

昨シーズンも岡山に負けており、これで完全に岡山に対する苦手意識を植え付けられたと言える。
私はDAZNに加入していないので分からないが、ネットニュースによると、
1失点目:荒木(※)がルカオに何もできず失点。
2失点目:中野が白井のドリブルに綺麗に抜かれて失点。
3失点目:誰もマークについておらず失点。
だそうな。
…あれ、佐々木のじいさんは何をしていた?

はっきり言うと、東は論外として中野も3バックの一角に入る選手ではない。中盤のサイド(ウイング)が適役だろう。
で、DFの控えはキムジュソンと熊本から来た18歳の若手の太田大翔の2名だけである。
塩谷のじいさんと山崎は8月26日の天皇杯を最後にずっとベンチ外である。
明らかに質量ともに足りないのに補強を怠ったのは強化部の大失態である。
「二人いっぺんにいなくなるなんて想定していませんでした」なんて言い訳は通用しない。

あと、キムジュソンのパフォーマンスに不安があったのか知らないが、ガウルが上述の中野と東(東は4バックにするため途中から)を最終ラインに入れたのは大失敗だったと思う。
まあ荒木(※)でもルカオに蹂躙されたくらいだから誰を入れても変わらなかったかも知れないが、餅は餅屋という諺をガウルに教えたい。

さらに言えば、相手方のオベルダンがイエロー2枚で退場になった後はほぼハーフコートゲームだったのにシュートが入りゃしねえ。
シュートの下手な奴を起用するなとガウルに言いたい。
まあそれを言ってしまうと「そんなことを言われたら起用する選手がいなくなる」と言われそうだが。
岡山が完全に割り切って5バックにしたことを差し引いてもあれだけ攻勢に出て1点も獲れないとは情けない。
完全に相手の思うつぼであった。

とにかく広島に対しては走り勝つことと強力な個をぶつければどうにかなる、ということを他クラブに教える結果となった。

もう男子に関しては優勝の望みはない。

女子のレジーナはセレッソ大阪ヤンマーに辛勝して2勝目を挙げたらしいから、今後はこちらに期待しよう。


(※)
荒木は不動の3バックとしてその名声をほしいままにしてきたが、最近は調子がおかしいとサポの評判である。
何か悩みでもあるのだろうか。

移籍か?女か?クスリか?

一応気にして見ておくことにしよう。


追記(2026.9.14)
一昨日サンフレッチェはセレッソ大阪と対戦して6-1で圧勝した。
そのことはめでたい。鮎川が化けたのは非常に大きい。
しかしそれ以上に大きいのは、山崎大地の怪我である。

全治10か月。ほぼ今シーズン丸々絶望。

強化部今すぐ動け。
Jリーグの補強期間は決まっているはずだ。
もう時間はそんなに残されていなかったと思う。
いつまでだ?何?9月16日?

明後日じゃねえか。

もしかしてこの悲惨な守備陣で過酷なシーズンを1年間戦わないといけない訳?
嗚呼、眩暈が…



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