スポーツのコーナー(廣島死闘篇)

2025.6.14

無様な負け試合から学んでいただきたいこと

今回の教材は、6月14日の北海道日本ハム対広島東洋バカープの試合である。
この日のバカープは、事実上のエースである床田を立てて必勝を期したものの、3本塁打を食らって敢えなく撃沈した。
さらに打線も全く振るわず、日本ハムのルーキー細野に苦もなく捻られてプロ初勝利を献上した。

ネット上では新井批判が渦巻いている。
まず批判の俎上に乗せられたのはスタメンである。
相手が左の細野であるという理由で、好調の大盛や前日猛打賞の田中を外し、1番に上本、2番に中村奨成を置いた。
これが全く振るわず、打線は繋がりを欠いた。

この批判にも一理ある。
本来であれば、多くのプロ野球チームはレギュラーは多くが固まっているものである。
毎試合毎試合、対戦相手の投手が右か左か、また各選手がちょっと打ったか打たないかでコロコロ変えるチームはここくらいである。
特に「いい時は変えない」というのが勝負事の鉄則である。それが出来ない新井が誹られるのは仕方ない。

とはいえ、メンバーを固定できない原因の一端は半端者揃いの野手陣にもある。
バカープの野手陣は実力がなくてレギュラーに定着できないか、あるいは実績はあるが年齢が高くてフル稼働できないかのいずれかであるため、固定できない事情があるということは酌まなければならないだろう。

私の考えを言えば、上本や中村奨成を置くこと自体は悪いことではないと思う。
特に上本はこの日サードで好守備を見せてピンチを未然に防いでいる。
中村奨成にしても、どこかで復調のきっかけを与えるという考えが間違っているとまでは言い切れない。

ただ、打順が間違いである。
どうしてもこの両名を1番2番に置かなければならないのであれば、せめて1番中村、2番上本にするべきであった。
小技しかできない上本を1番に置いた理由がどうしても私には分からない。

とはいえ、スタメンに関しての文句はこのくらいである。
仮に大盛や田中を出したところで、彼らが獅子奮迅の活躍をしてチームを勝利に導けたかと問われると、とてもその自信はない。

私が論いたいのは、5回表の攻撃である。
末包と坂倉が連続ヒットで出塁し、無死一塁二塁のチャンスである。
まだ試合は中盤であり、少なくとも2点を返せばまだ勝敗の行方は分からないところであった。
しかし新井をはじめとするベンチは無策にも石原にそのまま打たせ、結果は最悪のゲッツーであった。

私はこの攻撃には非常に憤りを感じた。
何故石原に送りバントをさせて一死二・三塁の場面を作り、1点でも2点でも返そうと考えなかったのか。(※1)
相手はキャリアの少ない細野であり、失点すれば精神的に動揺させる可能性もあった。
しかし新井をはじめとする無能首脳陣はこの場面で何もせず、むざむざチャンスを潰した。これは敗退行為である。
敗退行為であるから、新井をはじめとする首脳陣は球界から永久追放されるべきである。

テレビ中継で解説をしていた野村謙二郎にも呆れる。
彼は「4点差があるので打たせるしかない訳ですが…」と宣ったのである。
そんなことだから5年間の監督在任期間中一度も優勝できず、「責任は感じるものではなく取るものだ」とファンの罵声を浴びたのである。
何故広島東洋バカープにはこのような脳筋バカのOBしかいないのであろうか。
これでは強くならないのは当たり前である。

次に、4点を奪われた床田についてである。
これまでの活躍を考えれば文句を言うのは些か気の毒であるが、今日の醜態は擁護できない。
何せ同じような球を同じように被弾したのである。

原因を挙げれば、床田のコントロールが悪かったことと配球に工夫を欠いたことである。
前者については、そもそもキャッチャーの構えたところにボールが行かないケースが多々あった。
被弾した球など、私がバッティングセンターで打つようなレベルの球速・コースの打ち頃のボールである。
後者については、今日は明らかにストレートが少なく、変化球に依存していた。
石原がサインを出していたのであれば石原が悪いし、床田が配球の主導権を持っていたなら床田が悪い。
石原は坂倉の度重なるやらかしでせっかくチャンスを得たのに、このざまでは投手の信頼を得られない。
「やっぱり坂倉の方が…」になることは目に見えている。そして日の目を見ないままひっそりとNPBから姿を消すことになるだろう。

私は別項において、野球は守備力であり「一点を取るより一点を守る方が容易である」と書いた。
しかし、どんなに守備力が高くてもホームランだけは防ぎようがない。
こうもポンポンポンポンホームランを打たれたのではその前提が根本から揺らいでしまう。
石原はひっそりと消えるのが嫌なら、被弾を防ぐためのリードを一つでも勉強しなければならない。

さて、北海道日本ハムファイターズは本塁打数トップだそうである。
中でもレイエスはこの時点で14本塁打を放ってホームランダービートップである。
翻ってバカープの両外国人はどうか。
ファビアンは6本、モンテロに至っては1本である。二人足してもレイエスの半分しか打っていない。

ファビアンは両リーグでも希少な、「規定打席に立って3割(前後)打っている」バッターである。
元々中距離打者との触れ込みであるし、まあまあ合格点である。
ただ、本来長距離砲という触れ込みでやってきたモンテロはこのままでは不合格である。(※2)
打率は2割8分程度打っているが、ホームランが少なすぎる。
去年のレイノルズとシャイナーが酷すぎたのでこの成績でも救世主扱いされているが、このままの成績なら普通はクビである。

駐米スカウト連中はまさかこの両名でもって役目を果たした、クビが繋がったと思ってはいないだろうね。
エルドレッドは「長い目で見てくれ」と言い訳がましいことを言っていたが、毎年毎年自分が連れて来る外国人選手がクソほどの役にも立たず、チームの足を引っ張り続けているということを自覚していたらそんなことは口が裂けても言えないはずである。
もし彼らにスカウトの才覚がないのであれば、粛々とその任を解かれるだけである。

これらはあくまでミクロな視点での話であるが、マクロな視点で言えば最悪はオーナーをはじめとするフロントである。
松田元はいつまで「金をかけずにチームを作って大儲け」というバカな夢を見ているのか。
マツダスタジアムに空席が目立っているのを奴(彼、とは呼びたくない)は自覚しているのだろうか。
編成は一体何を考えて今年のメンバーを策定したのだろうか。

聞くところによると、バカープの編成部長は山根雅仁であるらしい。
ドラフト1位で岡山南高校から鳴り物入りでプロ入りしたものの全く戦力にならず、いつの間にか編成部長に就任して相変わらずチームに寄生し、迷惑をかけ続けている。
岡山の人間には広島を嫌っている者が多いが、そうまで広島が憎いのか。
そうでなければいい加減真面目に仕事をするか、出来ないなら岡山へ帰ってくれ。頼むから。

このように、一つの負け試合からチームの問題点が数多く炙り出すことが出来るものである。
そのための教材だと思えば、授業料としてこの無様な負けも受け入れることが出来る。
ただ問題は、この教材でもって学習しなければならない連中にその気が全く感じられないことである。

最後に一つ、この試合を中継したテレビ局にお願いがある。
事あるごとにバカープのベンチを映して新井と藤井のアホ面を晒すのは勘弁していただきたい。
北海道での試合であるので、北海道の局の作成であるとお見受けする。
広島にも中継されていることはご存知だろうし、これを見た広島の視聴者が不快な思いをすることも理解できるだろう。
私は北海道は大好きだし、何ならバカープを捨ててファイターズに宗旨替えすることもやぶさかではない。
北海道を嫌いになりたくないので、何卒武士の情けにてご配慮いただけると有難い。


(※1)
バカープが無様に負けてから1時間後、東北楽天ゴールデンイーグルス対阪神タイガースの試合で似た局面があった。
9回表、1点ビハインドの状況で二者連続ヒット、無死一・二塁のチャンスを作った。
阪神は勿論次打者熊谷に送りバントを命じ、相手のフィルダースチョイスを誘って無死満塁となった。
そして一死後、糸原が押し出しのフォアボールを選んで同点に追い付いた。

このような可能性もあったのである。
まあバカープの今までの実績を考えれば無死満塁でも点が入らなかったかも知れないが、優勝するチームと暗黒チームの差を見た思いである。
この次の日の試合で北海道日本ハムファイターズは0−7から引っ繰り返して逆転サヨナラ勝ちに結びつけた。
諦めず最善を尽くせばこのようなことだって起こったかも知れないのである。
監督をはじめとする首脳陣がそれすらしないようでは優勝・日本一など百年待っても無理だろう。
優勝が見たい方は、こんなクソチームはさっさと見捨てて宗旨替えするのが正解である。


(※2)
これを書いた翌日の試合で、モンテロはタイムリーを放った上に守備でも失点を防ぐファインプレーを見せる勲功を挙げた。
上記で「このままではクビ」と書いたが、たとえば極端な話「2割8分でホームラン1本だが打点100、堅守」なら個人としては合格だろう。
ただ、チームのバランスとして「ホームランを期待できる打者が誰もいない」では困る。
この日、北海道日本ハムファイターズは0−7から引っ繰り返して逆転サヨナラ勝ちに結びつけた。
これも偏に、ホームランの脅威でカープバッテリーを威圧し続けたからである。最後勝負を決めたのもホームランであった。
ここを改善するのが編成・駐米スカウトの仕事である、ということは申し上げておきたい。


追記(2025.6.15)
本日の広島東洋バカープは北海道日本ハムファイターズと対戦し、0−7から引っ繰り返されて逆転負けするという偉業を達成した。
無論、ネットは新井批判で炎上している。
批判の論点は以下のとおり。

1 森翔平を引っ張り過ぎ。
2 中崎を出すとかなめとんか。
3 スキャンダル野郎の上本なんぞ出すな。

その他にもあるが、素人の言いがかり(矢野を出すな、など)だと思うのでここでは無視する。

ただ、今日に関しては恐らく私が監督でも同じ動きをしていただろうと思う。
森に関しては6回辺りから急におかしくなるという欠点があるが、前回はそれを乗り越えて完封している。
まだ若く、キャリアの浅い森に壁を乗り越えてもらいたいと願うのは人情であろう。

中崎の起用も悪いとは思わない。
今シーズンは好調であり、防御率が1点そこそこ、何より幾度も修羅場をくぐり抜けた経験がある。
勝ちパターンを出せ、という者がいるが、中崎も一応は勝ちパターンである。
ではあの場面で誰を出せば抑えることが出来ただろうか。森浦もハーンも栗林もアレだったではないか。

上本は6回の猛攻時に田中広輔に出した代走である。
三塁に関しては本来堅守であり、終盤の守備固めに使うこと自体は間違いではない。
そもそも、三塁手が上本でも田中でも大して結果に影響を及ぼしたとは思わない。
スキャンダルを起こしたという点においても同じである。

今日に関しては、はっきり言って「力負け」である。
采配はあまり関係ない。

上述したように、7点差がついても勝負を諦めなかったファイターズを称えるべきであり、また「7点差があっても諦めない」という自信の根拠となるチームの地力、殊に打線の破壊力を見習うべきである。
今日に限れば悪いのは新井ではなく、ファイターズに伍する戦力を整えなかった編成である。
「是非ファイターズと日本シリーズを」とカープファンは言うだろうが、仮に運よくそうなったとしても勝つ可能性は微塵もない。
その現実だけは受け止めるべきである。

 

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