スポーツのコーナー(廣島死闘篇)

2025.7.19

静かな退職

今、「静かな退職」という言葉が流行っているそうである。
本来の意味は、「クワイエット・クイッティング」の和訳であり、実際に会社を辞めはしないものの、仕事への意欲を持たず、必要最低限の業務のみをこなす働き方を指す言葉だそうである。(ウィキベディアより)

何故そのような働き方に堕するのか。
元々最初からやる気のない社員はまずいないのであるが、会社の在り様に愛想を尽かしてそうなっていく、というのが正しいようである。
※逆に理不尽な目に遭いながらそれでも必死に働く社員は、「適応障害」「うつ病」など別の形で戦線離脱することになる。

「LISKUL」というサイトの記事によれば、「静かな退職」の原因は次のとおりである。
1 過剰な業務負担とストレス
2 公平性や承認の欠如
3 ワークライフバランスの欠如
4 コミュニケーションの不足
5 キャリア成長の停滞

これらを見て、あることに思い当たらないだろうか。
私はすぐに思った。
これは広島東洋バカープの、殊に投手陣のことをまんま言い当てている、と。

まず原因の1である。
新井(敬称略)はまず中継ぎ・抑え投手陣をこき使って焼け野原にした。
そしてこの度は先発投手陣に対し、「これからは中5日でいくぞ!」と号令を掛けたそうである。
さらに、どれだけ好投しても野手陣は全く打たないし、守りでもエラーやへぼリードで足を引っ張る。
このことに新井は何も言わず、何も手を打たない。割を食うのは自分たちばかりである。

次いで2である。
野手については、全く役に立っていないのにいつまでも一軍に置いてもらっている者(上本や、最近落ちたが堂林など)がいる。
然るに自分たちは一回打たれただけで簡単に二軍に落とされる。
新井は就任当時、「俺は好き嫌いで選手を使わない」と偉そうなことを言っていたが、大嘘であることが白日の下に晒された。

3はプロ野球選手という職業の性質上、出来ることは限られるので言及しない。
4と5は…容易に想像できることであろう。
簡単に前言を翻し、平気で嘘を吐く者と好き好んでコミュニケーションを取るような人好しはいない。
こんなチームにいたのでは勝ち星も挙がらないし、自分の選手としてのキャリアに悪影響が出る、と危機感を持つのは当然のことである。

今日は7月19日である。
バカープはダントツ最下位の東京ヤクルトに無様に負けた。
先発投手は森下であった。
彼なりに粘って投げていたが、先に2点という大量点を献上してしまい、事実上5回で試合が決まってしまった。

同サイトによれば、「静かな退職」の特徴は次のとおりである。
1 業務への取り組みが消極的になる。
2 職場への関与が減少する。
3 明確な不満を示さない。
4 モチベーションの低下が顕著となる。

正に今日の森下の姿そのままだと思った。
明確な不満を口にすることはないものの、モチベーションを持って投げているようにはとても見えなかった。
表情は冴えず、何だか自分の中で「今日もどうせ負けだ」という気持ちで投げているように見えた。
明確な不満を示す訳ではないにしろ、彼の投球から「勝つぞ!」という闘志は感じられず、淡々と自分の仕事だけをこなす姿があった。

言うまでもなく、彼は移籍を希望している。
一応外向けには「メジャーを目指す」と言っているようだが、あのレベルでは絶対に通用しない。
特に5回の失点は、メジャーを目指すような投手なら絶対に投げてはいけない失投である。
彼の球威や変化球のレベルを考えると、往年の北別府学氏並みのコントロールでもないとまず通用しない。
本人も多分それは分かっているだろう。

結局のところ、森下も九里(現オリックス)と同様、こんなクソチームをとっとと出て行きたいだけである。
ファンならば「行かないで」と懇願するか、「出て行きたいならとっとと出て行け」と憤るだろう。
私もちょっと前までであれば後者の立場を取っただろうが、今日のザマを見ているととてもそんなことは言えない。
何だかもう何も気にしなくて良いから、讀賣でもソフトバンクでも自分を正当に評価してくれるチームに行きなさい、と諭してあげたい。

このように考えているのは森下だけではないだろう。
他の投手たちだって、出て行けるものなら出て行きたい、このままでは潰されてしまう、と思っているだろう。
このまま居たいと思っているのは、ぬるま湯に浸かり切った大瀬良などのベテラン勢くらいだと思う。
床田や栗林辺りは間違いなく今、転職先ならぬFA取得後の移籍先探しをしていることだろう。

このような状況になった以上、新井は解任されなければならない。
投手陣は元より、野手陣だって今の新井を胴上げしたい、男にしたいとは思っていないだろう。
「家族」と聞こえのいいことを言っていたが、現実には上述の問題を解決できず、特に特定選手の依怙贔屓で人心の離反を招いた。
少々のへぼ采配は人望があればカバーできるが、多くの選手のやる気を削いでしまってはもはやチームとして戦えない。

そして、新しい指揮官によってチームの立て直しを図らなければならない。
その場合、上述の5項目で選手が苦しむことがないように配慮する必要がある。
対策は次のとおりである。なお、先に私が指摘した新井の罪状のほぼ真逆を書いているだけであることをお断りしておく。

1 投手陣のコンディションに配慮し、無茶な投手運用(特攻ローテや無理な連投)をしないこと。
2 選手の起用や昇降格に私情を交えず、実力と好不調のみで厳格に判断すること。
3 選手やコーチと綿密にコミュニケーションを取ること。
4 選手の成長の邪魔になる無能なコーチ陣を排除すること。

5 自分の言葉に責任を持ち、嘘を吐かないこと。


これを今すぐやらないと、バカープは遠からぬうちにチーム崩壊するだろう。
現状東京ヤクルトがぶっちぎりの最下位になっているが、今日見た限りではヤクルトの選手の方が余程生き生きとしていた。
ヤクルトの高津監督は、現状こそ低迷しているものの、優勝2回に日本一も1回達成している名将である。
監督としての器という点では、新井など足元にも及ばない。
恐らく来年には(下手したら今年かも知れないが)両者の立場は逆転するだろう。

そう言えば高津監督は広島県出身であり、新井の高校(広島工)の先輩に当たる。
多分今年でヤクルトの監督の任を解かれるだろうから、三顧の礼で来てもらえないだろうか。
まあ松田元が首を縦に振るとは思えないが、仮に拒絶するなら来年もガラガラのマツダスタジアムを指をくわえて見ていれば良い。
どうせ観客動員が減ったとしても、松田元のお小遣いが減るだけであり、誰も痛くも痒くもないのだから。

ところでこの「静かな退職」、事はバカープに限った話ではない。
サンフレッチェ広島も、無能指揮官・スキッベの所為でチーム崩壊待ったなしである。
しかもバカープと違ってこっちは簡単に転職ならぬ移籍が出来るのだから大問題だ。
全然「静か」ではないのだが、気付いたときには既に手遅れ、という点では同じである。

直近では、MF小原基樹のアルビレックス新潟への移籍が噂されている。多分出て行くだろう。
これで今シーズンになってからだけでも出て行くのは6人目である。
しかも全員、主力〜準主力のメンバーばかりであり、6人中3人がユース出身である。
異常事態である。

サンフレッチェについて言えば、上述の「静かな退職」の原因のうち2、4、5に該当する可能性が高い。
特に酷いのは2であり、どんな過密日程でもターンオーバーを全くしないため、選手としては「俺をそんなに信用していないのか!」と思うだろう。
これに対してスキッベが適切なコミュニケーションでフォローしているという話は聞かない。
そうなれば選手としては、「どうせ使ってもらえないのなら他所で…」となるのは当然であろう。

さて、先に行われた東アジアE−1選手権で、森保監督率いる日本代表が優勝し、サンフレッチェのジャーメイン良が5得点でMVPを獲得した。
無論相手のレベルが違うことは考慮に入れないといけないが、サンフレッチェであれだけ苦しんでいたのが、監督が違えばこれである。
結局ジャーメインの実力の問題ではなく、スキッベの戦術上の無為無策が決定力不足の原因であったことがはっきりした。
このジャーメインだってチームに戻れば糞詰まりサッカーでまた苦しむことになり、モチベーションの低下が顕著となるだろう。

サンフレッチェにとって、この男を指揮官に据え続けるメリットは何もない。
強化部は選手が出て行くたびに新しい選手を補充しているが、先にこの疫病神を斬った方がよほど時間と手間と金の経済である。
いくら社長が二代目のバカボンとはいえ、そろそろいい加減に決断を下さないと、「サンフレッチェを崩壊に追い込んだ無能」としてクラブの歴史に悪い意味で名を刻むことになるであろうことを予言しておく。


追記(2025.7.26)
今日の中国新聞とネットニュースによれば、新井は「これからは若手中心に舵を切る」と仰ったそうである。
なので、今日の讀賣戦を楽しみにしていたファンも少なからずいたであろう。
その結果は…

1番秋山。

はあ?
まあ秋山が悪い訳ではないのだが、新井はどうしてこんなに息をするように嘘を吐けるのだろうか。
大変申し訳ない言い方だが、どんな育ち方をすればこんな嘘吐きが育つのだろうか。
大変失礼ながら、親の顔が見てみたい。

今日も何の収穫もなく敗色濃厚である。
もうこうなったら、現地に来ている少年ファンに「新井辞めろ!」と叫んでもらうしかない。
さすがにそうなれば新井も心が折れて辞める決意をするかも知れない。
あれだけ平気で嘘を吐ける面の皮の厚さでは無理かもしれないが。


 

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