この「知りすぎていた男」はヒッチコック自身の34年作品「暗殺者の家」(原題は同じ)のリメイクです。私がヒッチコック作品を初めて見たのは「ファミリー・プロット」(彼の最後の作品)でそれまでヒッチコックという名は知っていたのですがこの映画で彼の作品に興味を持ち始めました。次いで「ダイヤルMを廻せ!」が当時珍しかったノーカットで放送され(ソニー提供の番組だった…)ビデオに録画し、何度も見たものです。
その後レンタルビデオの波が押し寄せ次々リリースされ、国内初上映から"解禁"される事の無かった作品が上映(映画館では見てません…)されビデオも発売、何事もなくこの作品を見ることができたのです。
そして前作「暗殺者の家」も見たかったのですがリリースが無く、ついにフジビデオなるメーカーから発売されたのですが近所になく、当時多かった違法ダビング通販(ホントに多かった…)で入手、ついに新旧を見比べる事ができたのです。
ヒッチコック自身も認めていますがリメイク版の方が作品の完成度は高く、いつものブラック・ユーモアが無いにも関わらず「サイコ」まで抜いていつの間にかこの作品がヒッチコック作品の中で最高の一本になってしまいました。
この作品自体は入手に手間取ることは無かったのですが今でも国内発売されていない作品はまだあります。(「山鷲」に関してはフィルム自体残ってないらしい…)いつの日か残る作品も全て手に入れたいと思う今日この頃です。
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1956年 アメリカパラマウント作品
カラー・ビスタサイズ 120分
監督 : アルフレッド・ヒッチコック
原案 : チャールズ・ベネット、他
脚本 : ジョン・マイケル・ヘイズ、他
音楽 : バーナード・ハーマン
撮影 : ロバート・バークス
ベン : ジェームス・スチュアート
ジョー : ドリス・デイ
ハンク : クリストファー・オルセン
ドレートン : バーナード・マイルズ
ドレートン夫人 : ブレンダ・デ・バンジー
ベルナール : ダニエル・ジェラン
主題歌
「What Will Be, Will Be」 (ケ・セラ・セラ)
アカデミー音楽主題歌賞
この作品自体はビスタサイズですがスタンダート版しかリリースされていません。また前作「暗殺者の家」は84分版と74分版があるそうです。(なぜか国内版は71分版でのリリースです。)しかもヒッチコック作品のノー・トリ版は「北北西に進路を取れ」しか出てないという散々な状態です。
この作品の見所はやはり前作より洗練されたアルバートホールでのシーンでしょう。長いシーンをうまくサスペンスタッチに盛り上げるあたりさすがヒッチコックだと思います。このシーンは何度見ても緊張してしまいます。ラストの子供を救出するシーンも前作とは違ったアイデアで見せてくれ、子供を思う親の気持ちが歌の中から感じられます。(前作は当時多かった銃撃戦でしたから)
ジョー役のドリス・デイは大物歌手だったそうですが私知りませんでした…(ケ・セラ・セラが映画の主題歌だったという事も…)そこら辺、自然に見ることができるのはやっぱり演技力なんでしょうね。しかし正々堂々と自分の作品をリメイクする人は当時少なかったそうで、このあたりにもブラックユーモアを感じさせます。