■プロ二輪レーサー事故死の真実

プロ二輪レーサー阿部典史さんが、二車線の公道をバイクで右車線走行中に、左車線から急なUターン中のトラックの前方に衝突し、 事故死に至った事について元警部補 平下元幸さんはこう述べた。

Uターン禁止の場所で、トラックがUターンした事だけが原因と一般報道されてますが、これには疑問な点がいくつか残ります。まず、事故を起こした道路は制限速度が50キロなんです。仮に50キロでノーブレーキで正面衝突しても、ヘルメット着用で死亡事故まで発展するケースは無いと言っていいでしょう。よって、まず、阿部さんは制限速度以上で走行してた事が想定されます。

次に、バイクのブレーキ痕が無かった点を、トラックの急なUターンと決定した事についても疑問が残ります。トラックがUターンをするには、外に流れる力が荷物を積んでいる分、通常の車より大きくなります。よって、急なUターンをするにしても、20キロ以上の速度でUターンを行うとトラックが横転してしまいます。

仮にUターンを開始したのが一般報道の、トラックの真横にバイクが居た場合を想定しても、Uターンで走行車線を塞ぐ前にバイクは走り抜けています。つまり、Uターンを開始した時点のバイクの位置は、トラックの動きが見える、かなり後方に居た可能性が強いのです。そして、急なUターンが原因での接触であれば、停車できずにトラック後方に衝突していますし、制限速度を守っていれば停車が可能です。だから、トラック前方の衝突もおかしいのです。

真実はこうでしょう。前方に左車線から右車線に移るトラックを確認した阿部さんは、おそらく、車線変更かUターンを判断できたでしょう。しかし、トラックの速度が遅いため速度を上げれば追い抜けると判断しました。しかし、追い抜かす事が出来ずにトラック前方に衝突したわけです。となればブレーキ痕が無いのも、トラック前方の衝突位置も、死亡事故を招く速度超過が起きてた事も、全てに納得が出来ます。

プロの二輪レーサーが判断を間違える分けないと思われがちですが、これにも納得できる理由があります。 レーサーの知識は追い抜きで、一般道の知識は安全運転です。 この意識差で起こったと言えば納得は出来ます。各報道機関は、二度と悲劇的なヒーローを生まない、正しい報道姿勢を志して欲しいです。今回は作られたヒーローか、仮にそうでないとすると捜査の怠慢でしょう。

(2007/10/15/23:54 場度売新聞 無断転載禁止)


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