【手口と対策】

 @ 「なりすまし詐欺」
 【手口】
   「オレだよ、オレ。交通事故を起こして示談金がすぐにいるんだ」「暴力団から借金の取り立てを受けている。助けて」などと息子や孫を装って電話をかけ、大金を振り込ませる手口です。
   警察官、弁護士、保険会社員などを装い、「ご主人が交通事故を起こした」、「ご主人が痴漢で逮捕された」などと言って示談金名目で現金を振り込ませるケースがあります。
   暴力団などを装い、「お宅の子どもを誘拐した」、「お宅の息子が貸した金を返さない」などと身代金や借金の返済を要求するケースもあります。
   被害者の約8割が女性です。特に中・高年の女性被害が集中しています。
 【対策】
 ・ 相手に名前を言わせる。
   不用意に息子や孫の名前を言わないことです。
   相手が「オレだ」と言ってきた場合には、「オレって誰だい?」と聞きましょう。弁護士や警察官だと言ってきた場合にも相手から息子や孫の名前を聞いてください。
 ・ 名前が合っていても事実確認を。
   名前が合っていても動揺しないでください。「通帳を持ってきてからかけ直す」などと言って電話番号を聞いたり、電話を切った後、本人や家族、警察に確認をとりましょう。


 A 「架空請求詐欺」
 【手口】
  請求書に振込先の銀行口座を明記せず、指定の携帯電話番号に連絡させて振込口座を指定するケースや迷惑メールに記載されたURLをクリックしただけで高額な利用料金を請求するケースが増えています。
  また、総務省やNHKと偽り、「デジタル放送接続請求書」や「地上デジタル放送についてのご案内」と記載した、アンテナ受信端末切り替え工事の費用を請求する文  書を郵送し、現金を振り込ませるケースもあります。
   この手口では、振込を承諾するまで、不安がらせたり、脅すなど電話を切らせず、銀行が閉まるなどと 言って振り込みを急がせるのが特徴です。
   被害者の約6割が男性です。特に若年層への有料サイト利用料金請求が最多となっています。
 
【対策】
 ・ 利用した覚えがなければ振り込まない。
   見覚えのない請求のメールは無視を、請求の電話に対してもはっきりと断ってください。
   利用の覚えがあっても、不当な要求には相手の言うままにならず、警察や消費生活センター等へ相談しましょう。
   地上デジタル放送に関する工事費等の請求は警察などに相談しましょう。
   また、発送元が「裁判所」の場合、放置せず、裁判所に確認をしてください。
・ 見覚えのないアドレスにはアクセスしない。

   不審ななメールに記載されているURLにはアクセスしないようにしましょう。
・ 自分の連絡先を教えない。
   自分の住所や氏名は教えないで下さい。また、絶対に相手に連絡をしないでください。
 

 B 「融資保証金詐欺」
 【手口】
   実際に融資しないにもかかわらず、「お金を融資する」などと融資を餌にハガキや電話、メールを送信してきて、「融資する前」に保証金や登録料などの名目で現金を振り込ませる手口です。
   また、「90日間無利息」「固定金利0.7%」「審査済みなのですぐ融資する」など有利な条件を出してきたり、レターパックなどを使わせて、私書箱に現金を送らせようとするものもあります。
   被害者の多くは30歳代から50歳代です。
 【対策】
 ・ 必ず融資元の確認を。
   実在する業者の登録番号を使ったり、金融機関の貸し金企業の名称、同グループの会社を装っているため、インターネットなどで、融資元の検索・確認を行ってください。 (登録貸金業情報検索サービス)
 ・ 融資の前提として、現金を振り込ませることはありません。
   正規の貸金業者は、融資する前に、保証金や保険料などの名目で、お金を振り込ませることはありません。決して振り込まないことです。


 C 「還付金等詐欺」
 【手口】   
  税務署や自治体などの職員を装い、税金の払いすぎ分を返還するなどと偽って、ATM(現金自動預払 機)に誘い出し、言葉巧みにATMを操作させるなどして犯人の口座に現金を振り込ませる手口です。
 
【対策】
  税務署や社会保険事務所などの職員が、還付金の受け取りのために個人の口座を尋ねたり、ATMの操作を求めることはありません。


 D 「金融商品等取引名目の詐欺」
 【手口】
  実際にはほとんど価値がない社債や未公開株等の有価証券、架空の有価証券、外国通貨などの購入 をダイレクトメール等で斡旋し、その後、別の犯人が電話等で「必ず儲かる」「倍で買い取る」「あなたしか 買えない」などと言って購入をするように勧めて騙し、これらを買えば高額で買い取ってもらえると信じ込ま せ、現金を振り込ませて騙し取る手口です。
  この手口は「劇場型」と呼ばれ、複数の会社や人物が登場し、社債や未公開株等の有価証券に限らず、 外国通貨、鉱物の採掘権、温泉、老人ホーム、水源地などの権利関係の物件やパソコンソフト、仏像、金 、ダイヤモンド等の物品、会員権、社債権などをネタに被害者を騙す手口です。
【対策】
  ・ 未公開株や社債の販売ができるのは、登録を受けた証券会社や販売会社だけです。  
  ・ 豪華なパンフレットにだまされてはいけません。
  ・ うまいもうけ話はありません。うまい話には手を出さないことが必要です。


 E 「ギャンブル必勝情報提供名目の詐欺」
 【手口】
  雑誌の広告やメールなどで、「パチンコ攻略法」や数字選択式宝くじの「当たり番号情報」、「競馬必勝情報」などで虚偽の情報を提供し、これを、名目に現金を振り込ませ、騙し取る手口です。
【対策】
  ・ ギャンブルで必ず勝てる方法はありません。また、宝くじの当選番号を事前に知る方法もありません。
  ・ 「必ず儲かります」などといった文句が出てきたら詐欺と疑うことが必要です。


 F「異性との交際あっせん名目の詐欺」
 【手口】

 
 雑誌やメール、サイト上で「女性を紹介します」などと掲載し、これに申し込んだ人 に対して虚偽の異性の情報を提供した後、会員登録料や保証金等の名目で現金を振り込 ませたり、異性になりすまして現金を要求したり、サイト上で高額なポイント等を購入させるなどして被害者から現金を騙し取る手口です。
 【対策】
  一度だけ実際に会わせ、料金を支払っても、以後、会えなくなるなどした上、料金をだまし取ることもあり 、怪しいサイトや情報には手を出さないことが一番の対策です。


 G その他
  上記以外の特殊詐欺です。
【対策】
・ 「パンフレットが届いた人にしか購入できない有利な商品です」などと購入意欲を煽ったり、「インサイダー取引で逮捕される」などと言ってトラブルに巻き込むケースが多く、儲かる話には注意が必要です。
・ 突然舞い込んできた話で、「必ず儲かります」「今がチャンスです」「あなたしか買えません」などといった 文言が出てきたら、詐欺と疑ってかかるべきです。
・ レターパックや宅配便では現金は送れません。
・ 「私は大丈夫」と思い込んでいる人ほど騙されやすい傾向があります。
・ 一人で判断せず、家族や知人、警察等に相談しましょう。
特殊詐欺とは?
 振り込め詐欺と言われる@「なりすまし詐欺」、A「架空請求詐欺」、B「融資保証金詐欺」、C「還付金等詐欺」に加え、D「金融商品等取引名目の詐欺」、E「ギャンブル必勝情報提供名目の詐欺」、F「異性との交際あっせん名目の詐欺」、G「それ以外の特殊詐欺」の8類型を総称しています

特殊詐欺の手口と対策
現金送れは、全て詐欺です。!