組み立て好きの限界


先日、ガーデンアーチを買った。前から欲しかったのだが、高くて手が出なかった。ツルバラも植えたいのに我慢我慢…。鉢植えはミニバラと挿し木の大きいバラだけ。モッコウバラは職場の近くのお宅で鉢植えで上手に育てておられるところを見て「これならいけるかも」と思い、大瓶に植えてトレリスに絡ませた。ほんとは平面的なトレリスではなく、オベリスクが欲しかった。オベリスクは円柱状に部材が組んである、ツルバラやクレマチスを絡めるにはもってこいの支柱で、朝顔用「アンドン」より強度もあって見栄えもする。とうぜんお値段もそれなりにするわけで、結局買えなかった。モッコウバラが大きくなるまで、トレリスで我慢することにした。

しかし、トレリスで間に合わなくなる日は意外に早く来た。モッコウバラは伸びる時にはガンガン伸びる。去年は枝が数多くでたので、枝は細くて短く、トレリスで間に合っていた。しかし今年出た枝は太いし2メートルを超えそうだ。そのうちメインの茎になりそうな勢いで伸びているので、止めてしまうのは惜しい。

大瓶から金木犀のほうに長い枝が伸びている。枝は最初は立っていたのだが、さすがに2メートル超えになると垂れ下がり、通るのにじゃまになってきた。金木犀にもたれかけるように向けても、顔の前にバラの木がくる。この木の下を毎日通るのだ。木がやわらかいうちに何とか対策を、と思って1カ月すぎ、2カ月すぎ、「この冬じゅうになんとかしなければ」と焦っていたところにガーデンアーチの売り出しである。私は思い切って買った。グズグズしていると機会を逃しそうで、とりあえず買ってきてから父に相談した。「ガーデンアーチを組み立ててくれないか。」はっきり言って目茶苦茶である。組み立ててやるともなんとも聞いてないのに発注し、商品の配達を待つことに。

月曜に仕事から帰ってみると、配達されたいた。雨が降りそうなので、家の中にいれようかと思ったが、重すぎて箱を動かすことはできなかった。梱包を解いて部材一つ一つにすれば何とかなりそうな気もしたが、収拾がつかなくなりそうだ。しかたがないので、ブルーシートをかけて玄関先に置いておくことにした。これだけ重くては盗む者もおるまい。

父も60歳を過ぎ、仕事が毎日あるわけではないので、仕事がない日に組み立てにきてくれた。私は組み立て物は得意である。家の中の組み立て家具等、全部一人でなんとかやってきた。しかし、今回ばかりは「お前、自分でやれよ。」と言われなくてよかったと思った。自分で組み立てられる限界は、自分で部材を運べるまでだと気がついた。今回みたいに梱包が解けないようでは、無理である。

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