写真館1「夏のかけら」


蓮は私より背伸びしています。
びろうどの葉を広げ、夕立を待っているようです。
見渡す限り蓮田です。
私の前も後ろも、右も左も同じ景色です。
蓮田の一本道はどこまでも真っすぐ続きます。
蓮田の道をぬけて、海に出ました。
いつもいろんな人が通りますが、今日は珍しく私ひとりです。潮がひいていて、堤防をわたる風がアオサのにおいです。
真っすぐな堤防の先を曲がると、工事をしています。海へと伸びる赤茶けた足はまわりの風景とミスマッチです。

足場の工事が始まって、このあたりにカラスが増えました。カラスを恐れて、冬の小さな渡り鳥が寄りつかなくなりました。

道端の夏草にまぎれて、黄色いルドベキアが咲いています。来年はこのあたりじゅう、黄色い花が咲くのでしょうか。
西日をうけて空にそびえるひまわり。
ひょろひょろで力強さはないけれど、一生懸命太陽をつかもうとしています。

撮影日/1999年7月31日 午後4時ごろ
写真を撮るため車で出かけたところ、雨が降りそうになってきたので、一旦帰りました。しばらくして、晴れてきたので今度は自転車で近所の夏のかけらを探しに行きました。夕立が降りそうで降らない、西日の暑苦しい岩国の夏の一コマです。

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