平成20年4月からは、医療機関は、医療費の内容が分かる明細書を、領収書とは別に無償で交付しなければならなくなりましたので、ある程度内容を知ることができます。下記は、それまでのわかり難かった、明細のある領収書の例です。
明細書の発行が義務付けられたのは、レセプトを電子請求している医療機関や薬局で、原則として全患者への無償発行が求められています。
これに対し、電子請求が義務付けられていても、「明細書の発行機能がないレセプトコンピューターを使用している」「明細書を発行するのに自動入金機の改修が必要」といった「正当な理由」があったり、レセプトの電子請求自体が義務付けられていなかったりする場合には、明細書の無償発行も義務化の対象外となっています。
ただし、このうち「正当な理由」がある医療機関や薬局でも、患者の求めがあれば明細書を発行しなくてはなりません。
もし、明細を発行してくれない医療機関があれば、やはり問題ですので、必要なら請求してください。遠慮する必要はありません。
領収書(診療費明細)の見方(外来医療費の例)
一般的な病院の領収書(診療費明細)の見方について、説明させていただきます。
「保険」の欄にはいわゆる保険診療分、即ちみなさんがお使いの健康保険証が適用される診療分が表示されます。ご負担割合については、例ではお名前の直下に「費用区分」「負担割合」という欄に示してあります。
(例えば国民健康保険であれば法別番号の69、負担割合には30%などが表示されます)
明細は、上記例では「保険」欄の上段が点数、下段は点数X負担割合の「負担額(円)」になります。
1.基本診察料(医学管理料など)とは:初診か再診か、また受診時間などで、異なります
基本診察料には、「初診料」と再診料」があります。
初診料とは、ある病気やけがで初めて医師の診察を受けたときにかかるものです。以前に受診したことがある医療機関でも、前回受診したことのある病気やけがが、”治癒”したとみなされれば、初診料がかかることになります。(同じ医療機関で同時に2つ以上の科にかかることになった場合は、平成18年4月からは、初診料は1.5倍になります)
一方、同じ病気やけがで2回目以降に診察を受けたときにかかるのが、再診料です。しかし、前回の受診から約3ケ月以上あいていると、”治療を中止した”とみなされ、初診料になることがあります。(医師より6ケ月後にと言われた場合などは、当然再診料です)
受診時間や年齢により「加算」がある
診療表示時間外や休日、深夜に受診した場合は、初診料と再診料に「時間外加算」が加わります。また患者さんの年齢が6歳未満の場合も、「乳幼児加算」がつきますが、多くの場合、市区町村に助成制度がありますので、各自治体の窓口で確認しておきましょう。
医学管理料
医学管理料という表現で、指導料などを表す領収書もあります。診療所や中小病院では、病気に応じて基本診察料に「指導管理料」がプラスされる場合があります。これは、特定の病気に対して、医師が服用や休養、食事などに関する説明や指導などをし場合に算定できる料金のことで、「特定疾患指導管理料」などがあります。特定疾患指導管理料が算定されるのは月2回までで、生活習慣病指導管理料は月1回までです。同じ月に同じ診療を受けても、金額が違うことがあるのは、このような仕組みがあるからです。
2.投薬料とは:院内に薬局がある病院では薬剤料や投薬料などの料金
投薬料は、薬の料金である「薬剤料」に、医師が薬の種類や量などを指示する「処方料」(院外薬局の場合は、処方箋料)、薬剤師の基本料金である「調剤基本料」、薬を調剤する「調剤料」を加えたものです。
処方箋は診察を受けることが原則
薬剤料を安くしたい場合、医師に「ジェネリック医薬品」を選んでもらうことも可能です。処方料・処方箋料は先発品よりわずかに高いのですが、一般に薬剤料が半額程度なので、自己負担は安くすみます。(平成18年4月より、処方箋の様式が、ジェネリックへの変更ができるものに、変わっていますので、申し出やすくなっています。平成20年4月からは、再度処方箋の様式が変わり、「後発品(ジェネリック医薬品)への変更不可」欄に医師のサインがない場合は、保険薬局で薬剤師と相談の上、患者がジェネリック医薬品を選ぶことができるようになりました)
医療機関に薬だけをもらいに行けば、診察料を払わずに安くすむと思う人がいるかもしれません。しかし、診察をせずに薬だけ処方することは認められていません。薬だけをもらいに行ったつもりでも、投薬料に加えて必ず再診料がかかります。
3.注射料とは:静脈注射や点滴注射などの料金
注射を打つ技術料と薬剤料込みで、皮下注射、筋肉注射、静脈注射、点滴などの料金がそれぞれ設定されています。
4.処置料とは:ガーゼを交換したり、吸入をしたりといった処置の料金
やけどや切り傷の手当て、吸入などの治療行為を行った場合、技術料と薬剤料を組み合わせた処置料を請求されます。首や腰の牽引、電気治療なども処置料に含まれます。
5.手術料とは:縫合をしたり、内視鏡で異物を取ったり、脱臼を整復したりという手術の料金
縫合や切開だけでなく、脱臼の整復なども手術料となります。手術をする部位と内容によって金額は異なり、薬剤料や麻酔料、手術材料費などが加わることもあります。
また内視鏡で行ったポリープの切除や止血術なども、手術の欄に記載されます。
6.検査料とは:血液検査や生理機能検査(心電図・エコーなど)、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラなど)など検査の料金
検査料は、基本的には検査の実施料と検査の結果を判断する判断料の合計からなります。検査の種類によっては採取料(採血料など)が加わります。
血液検査の場合、一度の採血でも、それに対して行われた検査項目の種類や数によって、検査料は変わってきます。
内視鏡の検査の場合、胃や大腸の場所などによっても料金が変わりますが、検査中に疑わしい部分があり、組織を採取した場合は、採取料や病理組織検査も加わるため、内容によって大きく変化します。このように、”胃カメラを行った”といっても、内容によって料金が大きく異なることもあります。
7.レントゲン料とは:レントゲン写真やCT、MRIなどの料金
エックス線やCT、MRIなどの画像検査の場合は、基本的に、画像を撮影する料金と、その画像を診断する料金に、フィルム代などを加えた料金になります。
撮影した部位や、撮った画像の枚数、造影剤の使用の有無、CT・MRIの場合は機械の性能によって、料金が違ってきます。
8:リハビリ
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家によるリハビリテーションが行われた場合にかかるものです。患者さんの病気の種類や、時間単位数などで、変化します。
その他
院外処方箋(別枠で記載されている場合もある)の料金などが、記載されていることが多いです。
9:入院料
入院したときに、どの医療機関でも必ずかかるのが「入院基本料」です。医師の診察料と、看護職員による看護料、そして部屋代が含まれます。
入院基本料は、ホテルや旅館などの「一泊いくら」という料金設定とは異なり、「一日いくら」という設定になっています。そのため、夜に入院して翌朝退院しても、その日ごとに計算されるので、入院基本料は二日分かかることになります。
入院基本料の料金は、医療機関の病棟の種類で異なります。一般的な病気やけがで入院する「一般病棟」、慢性的な病気による長期入院のいための「療養病棟」、大学病院など高度な設備を備え、先進的な医療を行う「特定機能病院」などがあります。
また同じ種類の病棟でも、看護配置(患者さんの数に対する、看護師や介護職員の数)や平均在院日数でも変化します。
入院中に食事が提供された場合、毎食ごとに「食事療養一部負担金」が請求されます。この料金は”点”ではなく”円”で表示されます。
自費
自費の部分には、診断書や予防接種など健康保険を使わない自費診療の料金が記載されます。
自費診療(自由診療)の場合、健康保険の料金を基準とし、120%、200%などという請求をする医療機関もあるようです。これは、現在の健康保険の料金が安めに設定されていることや、自費の場合自由に料金が設定できることからでしょう。もし健康保険に変わった場合などは、当然健康保険の料金(100%)に戻ることになります。
自費診療に関しては、多くのご質問がよせられています。保険が利かないケースについては、こちらのページをごらんください。
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