第6回 「か・た・お・も・い」について


気になっていた娘が、明日で会社を去る。
僕は、どうしたらよいかワカラナイ。
自分の気持ちを伝えられないまま。
その娘の前では、平静を装っている自分が居る。

何時頃だろう、今の気持ちに気づいたのは・・・。
明るい声、笑顔が僕の頭の中を独占し始めたのは・・・。

いい加減、仕事が嫌になりかけていた僕にやる気を起こさせてくれた彼女の存在。
どうやって落とすかなんて、考えてた。
不器用だから言葉や態度にできない。
・・・ただ、言葉にすることで失うものが怖かっただけなのに。

明日、退職の挨拶に来るそうだ。
自分の夢を実現するために彼女は会社を去る。
きっと僕は、何事も無かった様に彼女を送り出すのだろう。

想いを伝えなければ、結果は出ないのはわかっている。
彼女の退職を知ってから、ずっと悩み続けている間に最後の日を迎える。
そのことで、仕事も手に付かなくなった日もあった。
自分の気持ちにカモフラージュしつづけている自分が情けなくもなった。
眠れない状態が続き、コンポのディスプレイの明かりとヘッドフォンから流れる音楽
と共に朝を迎えていた。
体重も落ちた・・・。
訳のわからないときに突然襲い来る寂しさ・・・。

20世紀の終わりに、こんな思いをするとは思ってもいなかった。
僕にも夢はあった。
ただ、年齢が許してくれなかった。
だから、彼女の夢を実現することを願う気持ちと共に、”夢”がとても歯がゆい。

僕の想いとは裏腹に、時計は、刻一刻と別れの時間に近づいてゆく。
悩めば悩むほど時計の針は、足早に時を刻む。
もうそこまで、夜明けが近づいている。

年が変わり、主を失った机を見たとき、僕は・・・。


タイトルとはの内容とは随分かけ離れてしまいましたが、結局、「片思い」は
思い出のままにしておく方がいいのかもわかりません。
辛い経験を乗り越えることが、人に対する優しさを生むのではないでしょうか?
ひ弱なことを言うようですが・・・。
高校に入るまで、人に対して冷酷であった私が、肉親との死別や、失恋を経験し、
友人たちに、「変わったね」と言われるようになったことを省みると、やはり、
辛い経験は人を穏やかに優しく変えるものであると思います。
したがって、「片思い」という経験は、人の考え方を左右するものなのです。
と、私の現状と共に、勝手な思いを書いてみました。
反論等はあると思いますが、現実に踏み出せない臆病者の戯言と思ってください。



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