宮島七不思議

宮島は神の島、神々が宿る島です。昔から不思議な事がたくさん起こっています。今から紹介するお話は、宮島の七不思議として言われてきたもので島民に伝承されている話も一部ご紹介いたします。科学文明が発達した現代社会ですが、いにしえの人々からのメッセージであると考えると、それは自然に対する畏敬や、子々孫々への警告であり、生活の知恵の伝授かもかも知れません。今でもよくわからない数々の現象の謎解きに、貴方もぜひ挑戦してみて下さい。
1.宮うつし貝 大鳥居の根潟に居る白い貝の表には、鳥居や神社の形をした模様がついているそうです。掘ったり食べたりすると罰があたります。
2.サルの口どめ 毎年10月の初申祭に「口どめ」の行事が行われます。この日は、島中大きな声や物音をたててはならない決まりです。弥山のサルもこの日をさかいに翌年の二月初申祭がすむまでキャッキャーとさわぐこともなくおとなしくするそうです。
3.つもごり山伏
12月の大晦日に行われる鎮火祭は、もともとは大聖院のお祭りでした。大聖院から厳島神社拝殿まで山伏が手に手に松明を持ち、ほら貝をふき、あたりかまわず火の粉を撒き散らしながら走りぬける行事でした。不思議にもこの火が元で火事になったことは一度も有りません。それどころかこの残り火は火事よけのお守りになるそうです。
4.多賀江念仏 毎年旧暦7月16日、17日は、「厳島おどり」を踊って神様をおなぐさめする日です。昔々多賀江兵衛という大将が、厳島おどりの夜、いくさ船で島の沖を通りかかりました。島中の者がこぞって浜で踊っていたのを見て、怒った兵衛は「いくさの最中に、踊るとは何事か」と大きな声で怒鳴りました。とたんに神罰が当たり、兵衛は船もろともに海の中に沈みました。その後死んだ兵衛の幽霊が夜な夜な沖を通る船にいたずらをする為、厳島おどりの夜、念仏百万遍をとなえて兵衛の霊をしずめるようになりました。これが多賀江念仏の始まりだそうです。
5.そとば石
昔、平康頼という人が、薩摩の鬼界ヶ島に流罪になりました。都に一人残した母を思い、康頼は墓に立てる木の板「そとば」に(薩摩潟 沖の小島に われありと 親につげよ 八重の潮風)という和歌を千枚書いて海に流しました。その「そとば」の一枚が流れ流れて宮島に漂着し、たまたま宮島にお参りにきていた康頼縁者の坊さんが見つけて都の母に届けました。
康頼の母は70歳を超える高齢で、息子の流した「そとば」をかきいだいて泣きました。やがて康頼は罪を許され、無事に母のもとに帰ることが出来ました。康頼はこれも平家一門を日頃からお守りくださる厳島明神のおかげと、大きな灯篭を神社に寄進しました。「そとば」が流れついたところにあった石を「そとば石」と呼び今でも灯篭のそばにあります。


弥山の八合目にある目洗薬師さんそばの干満岩には、1メートルもない浅い穴がが有ります。この穴には水がたまり、その水は海の満ち干にあわせて増えたり減ったりするそうです。塩分も含んだ不思議な水で、この水で眼を洗うと眼病が治ったそうです。
6.干満岩


厳島神社に献上された馬は、ふつうの毛並みの馬も、四、五年もたつとみんな白馬に変身するそうです。
7.宮島の神馬
8.消えずの火

弥山には1200年間、絶えることなく燃え続けている霊火があります。
9.拍子木の音 深夜、人の気配の無いところから拍子木の音が響き聞こえてくるそうです。島民は山に住む天狗の仕業だと伝えています。
10.龍灯の火 旧正月初旬の夜、海面にたくさんの灯火が現れるそうです。これを龍灯の火と呼んでおります。
11.錫杖の梅 弘法大師がたてかけた錫杖(しゃくじよう)が根をはり八重紅梅となって弥山にあるそうです。山内の不吉な兆候があると花が咲かないそうです。
12.しぐれ桜 宮島の弥山には、晴天の日でもしぐれのように露がおちている桜があるそうです。
13.曼荼羅岩 弘法大師が石面に梵字(ぼんじ)と真字で「三世諸仏天照大神宮正八幡三所三千七百余神云々」と刻まれた数十畳の大岩があるそうです。
14.誓真井戸
誓真さんは、宮島杓子の考案者として有名ですが、宮島では数々の公共事業をおこなった事で知られています。飲料水の不足に苦しむ島民のために各所に井戸を掘りました。その井戸はどんな干ばつの時にも枯れることがないそうです。
15.奥の院の迷い道 島内には今でも墓地は有りません。対岸の宮島口に埋葬します。しかし死後50年が経つと仏が神になり宮島に帰ることが出来ると言い伝えられています。50回忌をすませると宮島の奥の院に「そとば」を立てて供養いたします。その奥の院に「そとば」を立てに行った多くの人が不思議な体験をしています。いくら奥の院に行こうとしても元の道に帰ってしまう迷い道があるのです。天狗のいたずらだとも云われています。
16.暗い山 宮島の山歩きは注意が必要です。日中でも日の差さない暗い山があるそうです。
宮島にはまだまだたくさんの言い伝えがあるようです。こんな事を聞いたことがあると云う方の情報をお待ちしております。