ラジオたんぱ ”歯科医の時間”
平成12年8月27日 放送 (要旨)
門前 弘美 広島市 開業
局所麻酔として浸潤麻酔法は日常臨床において欠かせない手法で、麻酔時の疼痛
を 減らすために、如何に施行するかが大切である。
疼痛を与えない、しかも効果的な麻酔―無痛的な治療を行うことは、患者さんにとっ
て大きな願いである。
浸潤麻酔法の疼痛は注射針の刺入、そしてそのあとの注射薬の注入によるもので
その軽減のため、鋭利な針や細い針の使用、刺入部位の粘膜を緊張させたり、注
射薬の温度を体温に近いものにするなど、また表面麻酔や笑気吸入鎮静法併用な
どの方法も用いられている。
また、できるだけ疼痛を起こさせないためには、注入速度を緩除にし、また注入圧を
弱める操作上のテクニックも考慮に入れる必要がある。
注入速度については1分間で2ml/分以下にするものから、1分間で1ml/分以下とす
るものがあり、一定した基準値は見当たらない。注射器の加圧も経験的な感触(目安)
で施行しているにすぎないものである。
近年、注射器や注射針などの付属器具の進歩、改良で、従来にない新しい局所麻酔
注射器が登場してきた。
今回、コンピューター制御局所麻酔装置"Wand"の使用経験により、その有用性と問
題点をとりあげた。
注射器のイメージ
刺入時の疼痛 注入力 注入時間 麻酔効果量 針刺し事故 コスト 1.0mLカートリッジ |
ある あり 強い 短い 1量として 起こりうる 針購入価のみ できる |
ない 軽減される 軽い やや長い 1/3 〜 2/3 量 起こりにくい 高い 使用できない |