み かき もり ゑ じ
御垣守衛士の
え
たく火の夜はもえて
昼は消えつつ
ものをこそ思へ
御所の門をまもっている兵士の焚くかがり火のように 夜は燃え上がる
恋しい思いに胸を焦がし 昼は恋の物思いで身も心も消え入るように
悲しく 夜も昼も悩み続けているのです
この歌の背景には藤原氏が天下の実権を握って栄華を極めていた時代で
しかも当時の支配階級といわれる貴族たちは 恋愛遊戯に憂き身をやつしていたように
思える だがその中心である宮廷を守護していたのは 諸国から集めた やぼったい若者たちであった
このやぼな田舎物は やがて武家として 天下を奪うべく 雑草のような強さで地方地方に
恐るべき勢力を伸ばしていてその機会をうかがっていた
作者は
神祇を司っていたので中臣といわれ 後に大を加えて大中臣と言った