■豆100gは400kcal それとも 2兆kcal ?(特殊相対性理論)

 袋詰めの赤花豆(インゲン豆)の栄養表示に 100g当たり 397kcalと記されていました。

 ところで、あの有名なアインシュタイン(Albert Einstein, 1879-1955)が特殊相対性理論の帰結として発表した質量とエネルギーの等価式
  E = m c2     (E : エネルギー、   : 質量、   : 光速度)

によれば、100gの物質に相当するエネルギーは
 E = m c2
   = 100g x (300,000 km/s)2
   = 0.1kg x (3 x 105 x 103 m/s)2
   = 0.1 x 9 x 1016 kgm2/s2

ここで、
 1kgm2/s2 = 1J
 1kcal = 4.1868 x 103J

であるので、
 E = 0.9 x 1016 J
   = 0.9 x 1016 / (4.1868 x 103) kcal
   = 2.15 x 1012 kcal

となり、約2兆kcalとなります。

 何と、栄養表示 397kcal の約50億倍のエネルギーが豆には潜んでいることになります。 これが単純に熱量に変われば、世界の食糧問題は一気に解決するのですが・・・(下記注)。

 1921年にノーベル物理学賞を受賞したアインシュタイン博士は翌年(大正11年)日本を訪れ、12月23日から門司市の旧三井倶楽部に5泊しています。 アインシュタイン夫妻が宿泊した2階部分は資料館(アインシュタインメモリアルルーム)として公開されています。 なお、博士は1度離婚を経験していて、1919年に3歳年上の従姉のエルザと再婚していますので、この時来日したのはエルザということになります。

(注)世界中の人が1年間に必要とする摂取熱量
 2009年末時点での世界人口約68億人について、1日の必要摂取熱量を平均2,000kcalと仮定すると、1年間に必要な総摂取熱量は
  2000 x 365 x 68 x 108 = 4.964 x 1015 kcal

これをすべて豆から E = m c2 によって転化されたエネルギーで賄うものとすると、
  4.964 x 1015 kcal / 21.5 x 1012 kcal/kg = 231 kg

となります。 従って、わずか230kg余りの豆があれば、世界中の人々が1年間生活できることになります。
[参考文献] Wikipedia: E = mc2、 アルベルト・アインシュタイン

ホーム