■飛行機は音の聞こえる方向からどの程度先に進んでいるか?
 上空約10,000m(10km)付近を飛行する飛行機。
 その飛行音は飛行機の現在位置からかなり遅れた方向から聞こえてきます。
 それでは、音の聞こえる方向からどの程度先に機体は見えるのでしょうか。
 概算してみました。
 飛行機の巡航速度は通常、音速より若干遅い vo = 1,000km/h 程度のようです。
 音速を v = 300m/sとします。
(a)上空 h = 10,000mから地上へ音が到達する時間: t
   t = h / v = 10000 / 300 = 33.3 s
(b)その間に飛行機が進む距離: s
   s = vo x t = 1000 x 1000 / 3600 x 33.3 = 9250 m
(c)角度: θ
 ・真上からの音を聞く場合(下図左側):
   θ = atan(s/h) = atan(9250/10000) ≒ 43 度
 ・真上より手前からの音を聞く場合(下図右側):
   θ = atan(s/2/h) x 2 = atan(9250/2/10000) x 2 ≒ 50 度
 従って、音の聞こえる方向から飛行方向に 40〜50度先を見れば、飛行機の姿を目撃できることになります。
 
 それでは飛行方向はどうやって知ればよいのでしょうか。
 音の聞こえてくる方向の変化をよく観察すればいいのですが、結構難しいです。
 広島市安佐南区内では広島空港から発着する飛行機が多く見られます。その場合、空港の方向がここからほぼ真東にあることから飛行方向が大体わかります。
 下の写真は広島空港から飛び立ったと思われる航空機が描いた飛行機雲です。
 右から1本目、2本目、3本目ですが、1本目は大きく広がり、2本目はほぼ上下に見えます。 3本目は離陸後 間もない飛行機雲で、斜め左上方向に細く立ち上がった先端に飛行機が見えました。
 いずれの飛行機雲も写真中央下部から出ていて、ここが広島空港のようです。
 
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