■音楽用CDの最大収録時間とサンプリング周波数

 CD(コンパクトディスク)の記憶容量は通常 640MBまたは700MBで、これにCD-DA(Compact Disk - Digital Audio)形式で音楽を入れると、最大収録時間はそれぞれ約74分と80分です。

 CDの記憶容量はCD-ROM形式での値であり、1セクタあたりのデータ容量を 2,048バイトとしていますが、音楽用CD(CD-DA)の場合にはエラー訂正用(ECC)データ等が不要なためセクターの全領域 2,352バイトが使用できます。
 従って、表示されている記憶容量の 2,352/2,048≒1.15倍の記憶ができることになります。

 CDの最大収録時間は次のようにして求められます。

 ・サンプリング周波数 44.1 kHz
 ・ビット深度 16 bits
 ・チャンネル数 2 ch(ステレオ)

で記録するので、1秒間のデータ量は
 16 x 2 x 44.1 x 1000 ÷ 8 = 176,400 (bytes/s)

従って、記憶容量700MBのCDの最大収録時間は(1MB = 1024kB, 1kB = 1024B 換算)
 700 x 2352 ÷ 2048 x 1024 x 1024 ÷ 176,400 ÷ 60 = 79.644… ≒ 80(分)
となります。

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 なお、サンプリング周波数44.1kHz は以下のような理由から決定されました。
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 人間の可聴領域の最高周波数の20kHzを表現するには、標本化定理(サンプリング定理)により、その2倍の40kHzのサンプリング周波数が必要になります。 これに10%程度の余裕を持たせて44.1kHzという周波数を使っています。

 キリのいい44kHzではなく、端数の付いた周波数になっているのは、初期のCD製作のためのPCM録音に用いた機器に由来しています。

[参考文献] Wikipedia: コンパクトディスク、 サンプリング周波数

人が聞き取れる周波数は?[可聴領域]
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