■デジカメ at Random(3): 焦点距離と光学ズーム倍率の関係
デジカメのカタログには例えば、
・撮像素子 1/2.3型CCD 約1030万画素
・焦点距離 f = 5.0(W) - 20.0mm(T) [ 28(W) - 112mm(T) ]
・光学ズーム倍率 4倍
のように記載されています。
焦点距離の「5.0(W)」は広角側(ワイド側:Wide)で5.0mm、望遠側(Telephoto)で20.0mmであることを示しています。
[ ]内の数値は35mmフィルム換算での値を示しています。 これは、デジカメの撮像素子であるCCDのサイズが小さく、またカメラメーカや型式によってもサイズが異なるため、従来のフィルムカメラとの対比を容易にするために併記されています。
CCDの実際の大きさは 1/2.3型で約6.2mmx4.7mm (横:縦は一般に4:3の比)であり、従って焦点距離 5mmを35mmフィルムに換算すると、
5 x 35 / 6.2 ≒ 28mm
となります。 望遠側も同様に計算できます。
また、レンズの公式:
・1/a + 1/b = 1/f
・倍率 z = b/a
ここで、
a : レンズ中心から物体までの距離
b : レンズ中心から像までの距離
f : レンズの焦点距離
において、一般に焦点距離(f)に比べて物体までの距離(a)が圧倒的に大きいので
b = 1/(1/f - 1/a) = af/(a - f) ≒ af/a = f
となり、像はほぼ焦点位置にできます。
従って倍率zは
z = b/a ≒ f/a
となり、物体までの距離(a)を一定とすると、倍率は焦点距離(f)に比例することがわかります。
従って、f = 5.0(W) - 20.0mm(T)のカメラでは、(光学)ズーム倍率は 20.0/5.0 = 4倍となります。
(注)CCDの大きさについて
1/2.3型は1/2.3インチの意味ですが、これを単純にmm換算すると、
25.4 / 2.3 = 11.04 mm
一方、CCDの実サイズ(約 6.2mmx4.7mm)から対角線の長さを計算すると、
( 6.22 + 4.72 )1/2 = 7.78mm
この違いはどこから来るのでしょうか。
CCDのサイズ呼称は呼び名に相当する管径の撮像管(被写体の像を電気信号に変換するための電子部品で、現在は固体撮像素子に置き換わっている)での撮像面サイズと等しいことを表すため、実サイズは呼びサイズより小さく(約6〜7割に)なっています。
代表的なCCDの型と実サイズの関係の例を示します。
CCDの型(inch) | -> (mm) | 実サイズ(横 x 縦) | 対角長(mm) | 対角長/型(mm) |
2/3型 | 16.93 | 8.8mm x 6.6mm | 11.00 | 0.65 |
1/1.8型 | 14.13 | 6.9mm x 5.2mm | 8.64 | 0.61 |
1/2.3型 | 11.04 | 6.2mm x 4.7mm | 7.78 | 0.70 |
1/2.5型 | 10.16 | 5.7mm x 4.3mm | 7.14 | 0.70 |
1/3型 | 8.47 | 4.8mm x 3.6mm | 6.00 | 0.71 |
[参考文献] Wikipedia:デジタルカメラ、 CCDイメージセンサ、 撮像管
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