■デジカメ at Random(6): 露出補正が1/3段ステップ毎とは

 露出は絞り(F値)とシャッタースピード(露出時間)によって決まり、これによりCCDなどの撮像素子に当たる光の量(光量または露光量)を調整します。

 コンパクトデジカメにおいては、露出は通常カメラが自動で行ってくれます。 これをAE:自動露出(Auto Exposure)といいます。
 しかし、カメラが決定したこの標準的な露出を好みに応じて微調整することができます(露出補正)。 これにより、画像を意図的に少し明るくしたり暗くしたりできます。

 露出の度合いを露出度といい、EV(Exposure Value)で表記されます。  F値がF1、シャッタースピードが1秒のときのEV値をEV0と定義し、シャッタースピード(正確には露出時間)が2倍になるか、F値がルート2分の1(開口面積が2倍)になって、届く光量が2倍になるごとにEV値は1だけ小さくなります

 F値をF、シャッタースピードをt(秒)とすると、EV値は次式で定義されます。
  EV = log2(1/t) + log2(F2)

     = log2[ F2 / t ]

 露出補正では、EV値を1だけ増減させること(即ち光量を1/2 または 2倍にすること)を1段の補正と呼んでいます。 明るくしたい場合はプラス補正、暗くしたい場合はマイナス補正を施します。

 「1/3段ステップ毎に補正ができる」とは、EV値を1/3 単位で変更できることを示しています。
 +1/3段変化すると、光量は 21/3 = 1.26 倍に、また−1/3段変化すると、光量は 1/21/3 = 0.79 倍になります。
 ●絞り(F値)、シャッタースピード(露出時間)と EV 値の関係を示すアプレット
・F値とシャッタースピードを与えて、EV値を計算します。
・グラフの横軸はシャッタースピード(秒)、縦軸はF値です。
 ・図中の斜めの線はEV値が一定の線を示します(線上の数値がEV値)。
 ・横軸、縦軸ともに対数目盛です。
 ・横軸の数値は露出時間が約2倍ずつになっていく倍数系列にしています。
 ・縦軸の数値はF値がルート2倍ずつ大きくなる(開口面積が半分になる)ようになっています。
・グラフ中でマウスを移動させると、各位置に対するF値、シャッタースピード、EV値を表示します。


[参考文献] Wikipedia: 露出(写真)

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