■デジカメ at Random(7): 記録画素数 と 目の解像度の関係

 デジカメの記録画素数は撮像素子のカメラ部有効画素数の範囲内で数種類の中から選択できるようになっています。
 1例を示します(Canon IXY シリーズ)。
  ・撮像素子/総画素数 約 1030万画素
  ・記録画素数
     ラージ : 3648 x 2736 (10M pixel)
     ミドル1: 2816 x 2112 ( 6M pixel)
     ミドル2: 2272 x 1704 ( 4M pixel)
     ミドル3: 1600 x 1200 ( 2M pixel)
     スモール:  640 x 480 (0.3M pixel)

 カメラで撮った画像(写真)は最終的にはパソコンやテレビの画面で、またプリンターで印刷して目で鑑賞します。 従って、写真の画質を考える上では、デジカメの記録画素数、パソコン等の画面解像度、プリンターの解像度と我々人間の目の解像度の間の関係について理解しておく必要があります。

 ここでは、パソコン等の画面で鑑賞する場合について考えてみます。
 先ずは、目の解像度と視力の関係です。
 ●目の解像度 と 視力(JavaScript版はこちら)

 視力検査では色々な大きさの「C」の字の開いている個所を上、下、右、左、斜めなどと答えて視力を判定します。 このCの字は考案者の名をとって、ランドルト(Landolt)環と呼ばれています。



 視力1.0とは直径約7.272mmの環の約1.454mmのすきま(切れ目)が5m離れたところから判別できる能力で、これは視角1分に相当します。
  5000 x π/180 / 60 = 1.454441…

 また、視力0.5は最小視角2分、0.2は5分、一般に視力xは最小視角(1/x)分に相当します。

 さて、視力1.0の人が約40cm離れたところから画像を眺める場合、近接した2点を別々の点として認識できる最小距離(目の解像度)はおおよそ
  1.454 x 0.4 / 5 ≒ 0.12mm
です。
 これをプリンターの解像度風に表現すると、1インチ = 25.4mm であるので、
  25.4 / 0.12 ≒ 200 dpi
ということになります。

(注1)ランドルト環のすきまは直径の丁度1/5です。 環の幅も直径の丁度1/5です。

(注2)視力1.0の上記ランドルト環の寸法(7.272 x 1.454mm)はISOでの規格であり、日本ではこれを丸めて、直径7.5mm、すきま1.5mmとしています。 なお、距離3m用の視力表では直径4.5mm、すきま0.9mmです。

(注3)視力が最小視角の逆数であることから、ランドルト環のすきまは視力に反比例しています。
   例えば、日本における5m用視力表では、
    視力  すきま(mm)
     0.1   15.0
     0.2    7.5
     0.5    3.0
     1.0    1.5
     1.5    1.0
     2.0    0.75
 ●パソコンの画面解像度

 パソコンの画面解像度は機種や設定によって異なりますが、例えば
  15.4型 1280 x 800 dot
の画面を考えてみましょう。

 デジカメの画像をこのパソコンの画面で見るとき、記録画素数が画面のドット数を越えるものについては全体が一度に表示されず、画面を左右あるいは上下にスクロールさせる必要があります。
 従って画像全体を一度に画面に表示して鑑賞したい場合は画面解像度に合った記録画素数で十分です。

 また、この画面のドット間隔は概略 0.25mm であり、視力1.0の人が約80cm以内のところから画像を眺めれば隣り合う2点を別々の点として認識できます。
デジカメ at Random(5): 有効画素数 と 記録画素数

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