円の周の長さと直径の比として定義される円周率πは無理数であり、次のように無限に続く値です。
π = 3.14159 26535 89793 23846 26433 …
円周率の計算は現在はコンピュータを用いて種々の方法で行われますが、ここではよく知られた級数展開式を用いた計算法およびシミュレーション(数値実験)による推定法について紹介します。
- 級数展開式1 : π/4 = 1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + 1/9 - …
- 級数展開式2 : π^2/6 = 1 + 1/2^2 + 1/3^2 + 1/4^2 + … (注)^2 は2乗を表す
- シミュレーション1: 正方形に内接する円を用いる
下図のような正方形(1辺の長さ:d)に内接する円を用意し、正方形内にでたらめ(ランダム)に点を打ちます。点の総数をn、円内の点の数をmとすると、両者の比は次第に面積比=d^2/(πd^2/4)=4/πに近づきます。従って、nとmの比からπの値が推定できます。
- シミュレーション2: 2本の平行線と線分(針)を用いる
図のような2本の平行線を引いた平面上で、平行線の間隔(a)より短い線分(長さ:L<a)の中点が平行線の内部に来るようにでたらめ(ランダム)に落とします。この線分は平行線と交差するときと交差しないときがありますが、全体の線分の数nに対する交差する線分の数mの比(m/n)は次第に 2L/(πa)に近づくことが証明できます。従ってこれからπの値が推定できます。
これら4種類の方法を下図により実際に体験することができます。方法を選択し、"Start"ボタンを押してください。その他詳細については図の下の説明を見て下さい。
・"Start"で計算開始(または再開)、"Stop"で中断、"Clear"で計算終了・画面クリアです。
・計算スピードは、毎秒1回、10回、100回、1000回の中から選択できます。Step実行を選択して"Start"を押すと、毎回停止しますので値を確認してから次に進むことができます。
・2種類以上の方法を同時に実行することもできます。
・3月14日は多くの国で「円周率の日」と呼ばれています。また、この日がアインシュタインの誕生日であることから日本では「数学の日」にもなっています。
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