■音階と調号: 嬰ニ長調(D#)や変ト短調(Gbm)はなぜないのか?

 [ 長音階と短音階 ]
 ハ長調に代表される長音階(Major scale)「ドレミファソラシド」において、隣り合う各音の間隔すなわち音程は、
   ドレ:全音、レミ:全音、ミファ:半音、ファソ:全音、ソラ:全音、ラシ:全音、シド:半音
となっています。 ハ長調は「ハ(C)」を主音(ド)とする音階ですが、他の音から始まる音階もあり、ヘ長調、ト長調などがあります。
 ト長調(G Major)は「ト(G)」を主音(ド)とする長音階ですが、単純に
   ド:ト(G) レ:イ(A) ミ:ロ(B) ファ:ハ(C) ソ:ニ(D) ラ:ホ(E) シ:ヘ(F) ド:ト(G)
と並べただけでは、隣り合う音の音程は順に
  全音 全音 半音 全音 全音 半音 全音
となって、長音階の約束事に合致しません。 「ヘ(F)」の音に#を付けて半音上げると正しい長音階になることがわかります。このために「ト長調」には シ:「ヘ(F)」の音に#を付加した調子記号(調号)を使用します。

 一方、短調の音階:短音階(Minor scale)「ラシドレミファソラ」においては、
   ラシ:全音、シド:半音、ドレ:全音、レミ:全音、ミファ:半音、ファソ:全音、ソラ:全音
のようになっています。 音階の出発点が異なるだけで、隣り合う各音の音程は長音階と同じです。

 [ アプレットの説明 ]
 下に示すアプレット(Javaプログラム)は長調/短調で主音(長調:ド、短調:ラ)の位置を指定したときの音階を表示するものです。
 ・先ず主音から単純に「ドレミファソラシド」(短調の場合は「ラシドレミファソラ」)の音を
  #、bの変化記号なしで表示します(主音には#、bが付くことあり)。
 ・次に音階上の音符を右クリックすると「#」が、左クリックすると「b」が付加されます。
   再度クリックすると#、bが削除されます。
   音階の最初と最後の音(主音)は変更できません。
  これを繰り返して正しい音階になるように調整します(手動による音程調整)。
 ・「音程調整」ボタンを押すと、正しい音階になるように必要個所に自動的に#、bを付加します。
   正しい音階にできない場合は該当する音符の箇所に「?」マークを表示します。
 ・「演奏」ボタン押すと、表示されている音階を演奏します。
 ・「一括チェック」ボタンを押すと、長調または短調のすべての調(キー)について調号をチェックして表示します。
 ・画面下側の一覧表で「x」マークの付いているものは音階として成立しないものです。
 このアプレットで嬰ニ長調(D#)や変ト短調(Gbm)についてチェックしてみて下さい。音階として成立しないことがわかります。 これ以外にも、表で「x」マークの付いた12種類の長調/短調もありません。

(注1)このプログラムはJavaで書かれています。
   演奏を行うには、Javaの実行環境(JRE)下にサウンドバンクファイルが必要です。
    C:¥Program Files¥・・・¥Java¥jrexxx¥lib¥audio\soundbank.gm
   このファイルがない場合は下記よりダウンロードして下さい。
    サウンドバンクファイルのダウンロード
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