■音律と音階の科学(6): 2つの楽音の不協和曲線(その3)
               ピアースの8音平均律

 「音律と音階の科学(3): 2つの楽音の不協和曲線」では、倍音を考慮した2つの楽音の周波数比と不協和度の関係を見ましたが、ここでは音源が主音(基本波)と複数の任意の周波数成分を持つと仮定したときの不協和度のグラフを紹介します。

 「任意の周波数成分」の欄では、基本波の周波数に対する倍率を低周波側から順にカンマで区切って指定します。
 「ピアース」を指定すると、ジョン・R・ピアース(1910-2002, 米国)が8音平均律研究の際に仮定したスペクトル分布、即ち r = 21/8 と置くとき、基本波の
   1, r10, r16, r20, r22, r24
倍の位置にピークを持つ周波数分布となります。
 その他の入力方法は前と同じです。


[ 計算方法 ]
 「音律と音階の科学(3): 2つの楽音の不協和曲線」と同様です。

(注1)「音律と音階の科学」の図84 を作図するものです。

(注2)ピアースのスペクトル分布:1, r10, r16, r20, r22, r24 は、
    1, 2.378, 4.000, 5.657, 6.727, 8.000
  になります。

(注3)ピアースはベル電話研究所で進行波管、通信理論、音響の分野で数多くの業績をあげ、通信基礎研究部長などの要職を歴任。その後カリフォルニア工科大学教授となりました。
  また、「音楽の科学」(The Science of Musical Sound)の著者としても有名です。

[参考文献]小方厚著「音律と音階の科学」(講談社発行)

音律と音階の科学(7): 4重音(4和音)の不協和曲面
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