■鉄道用レールも温暖化で伸びる?: 温度変化による湾曲計算

 いわゆる地球温暖化とは関係ありませんが、レールも暑いときには伸び、寒いときには縮みます。従って、レールの継ぎ目にはこれを吸収するためにスキマが設けられています。また、レールは枕木に固定されていますので、温度変化による伸縮量は単純な計算値ほど大きくはありません。
 ここではレールが両端のみで固定されていて、温度変化によるレールの伸びが湾曲となって現れる場合を考えてみましょう。

 図のように、長さ(a)のレールが温度上昇(凾煤jにより円弧状に湾曲した場合、その湾曲の高さ(h)がどの程度になるか計算で求めます。
 計算式は(式6)で示されるとおりです。たとえば、
  ・レールの長さ=25m
  ・温度上昇=30度
  ・レール(鋼材)の線膨張係数=1.05x10-6 /℃
のとき、
  膨張量(伸縮量)=25,000 x 30 x 1.05x10-6 = 7.88 (mm)
従って、湾曲量(h)は
  h = (6 x 15,000 x 7.88)1/2 / 4 = 272 (mm)
となります。温度や熱の持つエネルギーが何と偉大なことか・・・。

rail.jpg
(注)ここでは円弧状に曲がるとしてその量を計算していますが、実際の形状はサインカーブ(正弦波)です。
  円弧では曲率は一定ですが、サインカーブではその両端で曲率は0となります。
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