■なぜ 「 食塩相当量 = ナトリウム量 X 2.54 」 か?

 最近の食品パッケージの栄養成分表には塩分含有量の代わりに(あるいは併記する形で)ナトリウムの量が記載されていることが多くなっています。

 食塩(塩化ナトリウム:NaCl)を作っているナトリウムと塩素は体内の水分調整に重要な役割を果たしていますが、特にナトリウムは高血圧などの原因となります。そこで国際的にも食塩ではなく、ナトリウムでの表示が求められています。

 食品中のナトリウムは昆布の旨味成分で有名なグルタミン酸ナトリウム:
  構造式 HOOC(CH2)2CH(NH2)COONa)
などにも含まれていますが、食塩としての含有量が圧倒的に多いのが現状です。そこで、ナトリウムがすべて食塩に由来するものとしてその量を食塩量に換算したものが食塩相当量です。

  ・ナトリウム(Na)の原子量= 22.98977
  ・塩素(Cl)の原子量= 35.453
から、食塩の分子量は
   22.98977 + 35.453 = 58.443

従って、ナトリウム1gは
   58.443 ÷ 22.98977 = 2.5421 ≒ 2.54(g)
の食塩に相当することになります。
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  ナトリウムの食塩相当量 = ナトリウム量 X 2.54
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(注1)グルタミン酸ナトリウムの分子式は C5H8NNaO4 です。
(注2)係数2.54は主として米英両国で使用されているヤード‐ポンド法の長さの単位であるインチ(inch)をセンチ(cm)に換算する時の係数と偶然同じです(1インチ=2.54cm)。

<< 参考 :健康増進法について>>
 食品の栄養表示については「健康増進法」に基準や方法が定められていますが、すべての食品にこの基準に沿った
表示義務があるわけではありません。

 一般の消費者に販売する加工食品に、日本語で栄養成分・熱量に関する表示する場合に義務付けられています。

 この法律は従来の栄養改善法(昭和27年制定、平成14年廃止)に代わり、平成14年(2002年)8月に制定されました。
栄養表示については第六章で規定されています。

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