■計算尺: 計算尺とは

 計算尺(slide rule)は対数の性質
   a x b = c <---> log a + log b = log c
を応用して、乗除算、三角関数、対数、指数計算を行うアナログ計算機です。

 計算尺は下図のように固定尺滑尺(中尺)カーソルから構成されています。
 滑尺は左右に動かすことができ、カーソルは目盛を読み取るときに使用します(これも自由に移動可)。

 固定尺と滑尺には通常いくつかの目盛()が付いていますが、ここでは固定尺にD尺、滑尺にC尺のみが付いた最も単純な計算尺で次の掛け算をしてみましょう。

[ 掛け算: 15.4 x 35.2 ]
 ・滑尺を移動して、C尺の目盛1をD尺の1.54に合わせます。
 ・カーソルをC尺の3.52に合わせます。
 ・その位置でのD尺の目盛を読み取ります(5.42付近)。
 ・これより答えは 5.42 x 100 = 542 。
   計算尺は数字の有効数字の部分だけを計算する道具です。
   結果の桁数(位取り)は自分で考えて調整します。


 次の掛け算を行ってみましょう。
 (1)3.71 x 2.45
 (2)3.71 x 4.17

(2)の計算を前記の方法で行うと、C尺の4.17がD尺の目盛範囲から外れて計算できません(目外れと呼びます)。 このような時はC尺の右端の目盛10をD尺の3.71に合わせます。
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