■太陽光発電：　メーカー別、地域別の年間発電量比較

　太陽光発電システムの代表的メーカーのホームページから、全国各地の年間発電量を予測した結果は次のとおりです（南向き、屋根傾斜３０度）。

　・3.01kW換算の発電量は三洋電機が他社より約10% 高い値になっている。
　・広島市は他の都市に比べて発電量が多く、全国でトップクラスの太陽光発電適地である。
　・表には各地の年間平均日射量（1990-2003年平均、水平面上、単位：MJ/m2/日）の値も併記してある。
　　当然であるが、日射量と発電量の大小は大いに関係している。

●生データ　（kWh/年）

メーカー	kW	広　島	札　幌	仙　台	東　京	名古屋	金　沢	大　阪	高　松	福　岡	那　覇
三菱電機	3.7	4,365	4,038	3,945	3,842	4,219	3,724	4,018	4,281	3,856	4,136
シャープ	3.91	4,597	4,229	4,149	4,048	4,442	3,947	4,234	4,509	4,077	4,405
京 セ ラ	3.29	3,780	3,548	3,480	3,396	3,725	3,311	3,552	3,782	3,419	3,695
三洋電機	4.3	5,456	5,026	4,918	4,797	5,264	4,694	5,025	5,351	4,843	5,232

●3.01kW 換算　（kWh/年）

メーカー	kW	広　島	札　幌	仙　台	東　京	名古屋	金　沢	大　阪	高　松	福　岡	那　覇
三菱電機	3.01	3,551	3,285	3,209	3,126	3,432	3,030	3,269	3,483	3,137	3,365
シャープ	3.01	3,539	3,256	3,194	3,116	3,420	3,038	3,259	3,471	3,139	3,391
京 セ ラ	3.01	3,458	3,246	3,184	3,107	3,408	3,029	3,250	3,460	3,128	3,381
三洋電機	3.01	3,819	3,518	3,443	3,358	3,685	3,286	3,518	3,746	3,390	3,662
日 射 量		13.7	12.0	12.3	12.1	13.7	12.1	12.6	13.7	13.2	14.1

●3.01kW 換算、広島=100として指数化

メーカー	kW	広　島	札　幌	仙　台	東　京	名古屋	金　沢	大　阪	高　松	福　岡	那　覇
三菱電機	3.01	100	93	90	88	97	85	92	98	88	95
シャープ	3.01	100	92	90	88	97	86	92	98	89	96
京 セ ラ	3.01	100	94	92	90	99	88	94	100	90	98
三洋電機	3.01	100	92	90	88	96	86	92	98	89	96
日 射 量		100	88	90	88	100	88	92	100	96	103

　札幌の発電量が日射量に比べて多いのは気温が低く、太陽電池セルの変換効率が高いからと推察されます。　逆に那覇の発電量が日射量に比べて少ないのは気温が高く、変換効率が低いからと推察されます。　福岡は気温に加えて、積雪の影響があるのかもしれません。

　しかし、この考えは的を得ていません。　実は、発電量に関係するのは水平面上の日射量ではなく、屋根（太陽光パネル）の傾斜角に沿った斜面上の日射量なのです。　詳細は別途まとめてみる予定ですが、札幌など北海道地域は水平日射量に対する斜面日射量の比率が高く、逆に九州・沖縄地域は水平日射量に対する斜面日射量の比率があまり高くないのです。　他の地域はちょうど中間に位置します。

　各メーカーが使用している気象データはそれぞれのホームページによれば、
　　・シャープ：NEDO全国日射関連データマップの日射量データ（1961〜1990年までの平均）
　　・他　　社：日本気象協会「日射関連データの作成調査」（平成10年3月）
であり、ほぼ同じものと思われます。　NEDOとは新エネルギー・産業技術総合開発機構で、上記日射量データはNEDOが日本気象協会に委託して作成したものです。
　尚、これらのデータはJIS C 8907 「太陽光発電システムの発電電力量推定方法」で推奨されています。