■太陽光発電: アメダス地点とその近隣地域における日射量の差

 太陽光発電システムの発電量予測は最寄りの気象官署、アメダス地点の日射量データをベースに行われますが、システム設置場所と気象観測点は通常離れているのが一般的です。

 このような場合、両地点での日射量データにどの程度の差があるかを予め知っておくことが重要です。

 これに関して、NEDO&日本気象協会の研究資料「標準日射データの地理的分解能向上に関する調査研究(H18年)」に詳しく述べられていますので、以下簡単に紹介しましょう。

気象官署、アメダス地点は約21km間隔で設置されている(全部で約800か所)。
H13〜14年度に、局地気象モデル(ANEMOS)を利用して全国1kmメッシュの時間積算日射量データを1 年分整備した。
任意のメッシュ点と近隣アメダス地点(数地点)の時間積算日射量の差を1年分(但し日射のある時間帯のみ)解析し、RMSE(2乗平均平方根誤差)を算出した。
RMSE最小のアメダス点を、そのメッシュ点の日射代表領域とした。
代表アメダス地点と日射代表領域内に含まれるメッシュ点の時間積算日射量の誤差を解析した。
 「広島」では、対象メッシュ数=232、RMSE平均誤差=0.069MJ/m2、最大誤差=0.145MJ/m2
その結果、晴天時の日中の時間積算日射量が約3.5 MJ/m2 程度であることから、殆どの地域において、アメダス地点の日射量を代表値として利用することで大きな誤差は生じない

 下図は広島県とその周辺地域における日射代表領域図です(前記資料から抜粋)。
日射代表領域  

 これによる成果は、MESH-METPVとして整備・公開されています。
日本気象協会:標準気象データ

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