水道代を節約するためには使用後に蛇口を完全に閉めることが大切です。 これが不完全だと左下図のようにわずかではありますが水が出っぱなしとなり、これが1日、1か月の間に予想外の無駄遣いとなります。ホーム
たとえば蛇口から100mm下がったところの水流の直径(d)が3.47mmの場合、毎秒約13cc(ml)の水が流れ出しており、これは1か月に約34m3の無駄遣い(水漏れ)になります。
右下の表は蛇口から100mm下がったところの水流の直径(d)と水漏れ量の関係を示しています。水流直径が1mmであっても1か月に2.85m3の水が無駄になります。平均的な家庭の1か月の水道使用量が約20m3ですから、無視できない量です。
水を1m3節約すると、CO2排出量が約0.36kg削減できます(環境省「(家庭からの二酸化炭素排出量算定用)排出係数一覧」から)。
高さ100mmでの水流直径と水漏れ量 水流直径(mm) 水漏れ(ml/s) 水漏れ(m3/h) 水漏れ(m3/日) 水漏れ(m3/月) CO2排出量(kg/月) 0.5 0.3 0.0010 0.02 0.71 0.26 1 1.1 0.0040 0.10 2.85 1.03 2 4.4 0.0158 0.38 11.40 4.11 3 9.9 0.0357 0.86 25.69 9.25 4 17.7 0.0636 1.53 45.81 16.49 5 27.8 0.1001 2.40 72.04 25.94 6 40.5 0.1459 3.50 105.01 37.80
(注1)v0: 蛇口の出口での水の速度
d : 水流の直径(蛇口から100mm下での)
Q1: 毎秒の水漏れ量
Q2: 1か月の水漏れ量
(注2)蛇口の直径(内径)は一般的な値である13mmと仮定
(注3)マウスホイールの回転により、左図の流速v0が変えられます。
[参考]計算式
・次の記号を使用します。
d0: 蛇口の直径(内径) sqrt: 平方根
v0: そこでの流速
h : 蛇口からの降下距離
d : hでの水流の直径
v : hでの流速
g : 重力加速度
m : 水の質量
・質量mの水について次のエネルギー保存則が成立します。
(1/2)mv2 = mgh + (1/2)mv02
∴ v2 = 2gh + v02 ・・・(式1)
・流量が一定であることから、
(π/4)d2v = (π/4)d02v0
d2v = d02v0
∴ v = (d0/d)2v0 ・・・(式2)
・(式1)、(式2)より
(d0/d)4v02 = 2gh + v02
[(d0/d)4 - 1]v02 = 2gh
v02 = 2gh/[(d0/d)4 - 1]
∴ v0 = sqrt[2gh/[(d0/d)4 - 1]] ・・・(式3)
・流量Qは
Q = (π/4)d02v0
= (π/4)d02sqrt[2gh/[(d0/d)4 - 1]]
・流量Qの近似式(d << d0 のとき)
Q ≒ (π/4)d02sqrt[2gh/[(d0/d)4]]
≒ (π/4)d02sqrt[2gh]・[(d/d0)2]
≒ (π/4)d2sqrt[2gh]
h = 100mmでの水流直径d(mm)がわかれば流量Qは
Q ≒ (π/4)d2sqrt[2・9800・100]
≒ 1100d2 (mm3/s)
≒ 1.1d2 (ml/s) ・・・(式4)