「グリーンホームの亡霊たち」

「寂しい。家に帰りたい。帰る場所がない。待っててくれる人がいない。
―――違う?」
(「グリーンホームの亡霊たち」p102)

*

後に「緑の我が家 Home,Green Home」と改題、改稿されて再出版された。

  グリーンホームの亡霊たち 緑の我が家 Home,Green Home
グリーンホームの前の道の描写  何でもない道だった。コンビニエンス・ストアを兼ねた酒屋と、レンタルビデオショップに入り口を挟まれた細い路地。自転車やスクーターが無秩序にとめてあって、ただでさえ二メートルほどしかない道を、さらに細くせばめていた。(p5) どうということはない商店街の一角だった。/ 一方のビルの一階にはコンビニを兼ねた酒屋、もう一方のビルの一階にはレンタルビデオショップ。二つの建物の間に口を開けた細い路地。/ あたりには自転車やスクーターが無秩序に止めてあって、両脇の店の前から路地の入り口にまで溢れている。(後略)(p.6)
電話線の差込口等   プラグ モジュラージャック
 
あと、不動産屋からの書類の送付手段を「Fax」に書き換えたりしてある。つまり、この物語自体、「○○年の出来事で無ければならない」という時間的制約は必要ない、もしくは設定されてはいないものと考えられる。(だかそうしたら「
THe Green Home」との繋がりに矛盾が生じるようにも思えるのだが)
和泉 謎めいた少年。

例):ずいぶんと細い小柄な奴で、まっ白な肌が印象に残った。/彼はぼくと視線が合うと、やんわりと笑って言った。(p15)
おどおどした処が強調されている。

(例):ずいぶんと細い小柄な奴で、やたら色が白くて、それでいかにも貧相な感じだった。/そいつは僕と視線が合うと、上目遣いにぼくを見て、ちょっと笑う。気後れでもしたような、おどおどした感じの笑みだった。(p20)
句読点/
漢字の使用
少ない。

(例):くりかえしたが返答はない。ぼくは乱暴に受話器を置いた(p25)
句点の数が増えている。

(例):繰り返したが、返答はない。ぼくは電話を切り、乱暴に受話器を置いた(p32)

 漢字に直してある文字もあれば、逆に平仮名に戻してあるものもある。漢字に直してある単語の数が多い。
文末。 ・・・へ行った。・・・た。 ・・・へ行く。・・・た。(一文目の時制が現在形?)
グリーンホームの玄関 描写無し。 扉の横の壁に「グリーンホーム」と名前の入ったブロンズ製のプレートが埋め込まれている。
その他   情景描写が詳しくなっている。浩志の心情の書き込みが増えている。
出版元 朝日ソノラマパンプキン文庫
1990.11.30 初版発行(ISBN4-257-75007-3)
講談社X文庫ホワイトハート
1997.6.5 初版発行(ISBN4-06-255294-9)
挿画 生嶋美弥 山内直実

 

<一言>

 個人的な好みで言わせて頂ければ、「緑の我が家」よりも「グリーンホームの亡霊たち」のが好きです。同じ作品の筈なのになぜそこで好みの話がでるのか? それは上の比較表や、「緑の我が家」の<一言>を見ていただければ判りますように、どこそこに変更が加えられているからです。そうして私は改稿される前の作品の方が好きでした。何故なら、和泉が違うんですよ(:_;。「グリーンホーム」ではちょっと謎の美少年っぽいのに、何故あそこまで「おどおどした感じ」に書き換える必要があったのでしょう? 脱、少女小説を目指されたのかもしれないですね。

 

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