アムネスティグループ活動の課題

200811月12、2009年1のアムネスティ松江グループの活動については、あまりグループとしての活動ができませんでした。これは、しなかったというよりも、言い訳をさせていただければ、するのが難しい状況になってきているということのほうが、正確です。
実際、正直なところ、島根県、あるいは山陰地方における 「アムネスティインターナショナルの人権グループ活動」は停滞気味です。
 もちろん、地域における個々の人権活動 (子供の権利、教育権問題、地域の生活権における人権問題、原子力と環境、地方の教育機関で学ばれている在住外国人の方々(主に留学生)の人権問題、障害者の権利の問題、女性、マイノリティーの権利の問題など)は、松江、出雲、雲南、大田など島根県東部を中心にした地域でそれぞれに活発に行われています。が、全体的に、人権活動の牽引世代が高齢化しており、またネットワークとして他の地域、(例えばお隣の鳥取、広島、岡山、山口など)とのつながりがいまひとつで、山陰地域として孤立しがちであることが否めません。

 しかし、実はこのような問題は山陰地方に限った問題ではないことが、この間の他地域のアムネスティのメンバーとの交流、インターネットのメーリングリストによる参加や、実際に他の広範囲な会議に参加をしてわかってきました。特に、かつて、地域においてフェイストゥーフェイスを中心に構成されてきたグループ活動が、現在全国的に著しく、停滞、衰退しているようです。特に、北海道、東北、北陸地域など (山陰もそうだとおもいますが)交通アクセス、地域経済の停滞人口の減少などにともなって、非常に元気がありません。

 昨年の11月8日(土)、京都の興正会館で、残存している全国の地域グループの運営担当などのメンバーが集まって、数少なくなっているグループ活動をどうするべきか、地域の人権グループ活動は果たして必要なものなのか、地域の人権活動を世界の人権ネットワーク活動にどのようにつなげるか、などの話し合いをしました。名古屋の地域グループの方々が、アムネスティインターナショナル日本の公益改革法人移行問題にたいして、グループの活動を明確に位置づけるための法制度的な改革案なども、提出されています。

 ここ10数年、アムネスティインターナショナル日本はユース活動、ジェンダー問題チームなど、新しいスタイルでインターネットなどの新しいツールを使い、コールトゥーアクション(東京などの都心部を中心とした事務所から、全国の会員に直接電話をかけ、呼びかける、街頭でキャッチして話をし、会員になってもらう)などの活動戦略をとって、人権活動の活性化を図ってきました。が、そのなかで従来の地域で活動していたグループがどんどん衰退し、メンバーが抜け、あるいは残ったものたちが高齢化し、若い世代が地域活動の中でのアムネスティの人権活動に参加、定着しない状況が続いています。

 日本における地方社会の人権問題は、他の第三世界、南の貧困、人権問題とつながる構造があります。このような観点からも、日本における地方の地域グループ活動の衰退は早急に問題視しなければならない課題であると考えます。このことを、京都の会議で他の地域のグループの方々と意見交換、確認し、アムネスティインターナショナル日本の寺中事務局長に訴えてきたところです。是非、2009年度は特に地方での人権問題意識を持つわたしたちが、積極的に世界につながる人権ネットワークとつながる方法を、できるところから問題意識を共有するなかで、探っていこうという話になりました。

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