4月例会のようす
 場所  しまね国際センター(くにびきメッセ2階)
 日時  4月24日1時半から
 参加者 6人

 アムネスティ・インターナショナル日本支部総会報告

アムネスティ・インターナショナル日本支部総会報告
 1 期日 1999年4月10日(土)11日(日)
  2 場所 日本青年館(東京・千駄ヶ谷)
 3 参加者 150人くらい。松江グループからは運営担当が参加。
 4 内容  くわしい決議案の内容については、3月はじめに配付された「総会資料」を見てくださ い。
 <1日目> (4月10日)
・ 記念講演 13:00〜13:50  姜尚中(かん・さんじゅん)さん=社会・政治理論学者、東京大学教授  「人権とは何か」
(1) 全体会  14:00〜16:30
・昨年度の活動報告(「総会資料」P2〜P8)
  説明→質問→意見→採決とすすみ、どの議案も賛成多数で承認されました。
 (私もとくに反対する理由がなかったので、全部「賛成」しました)
 何やら1997年度の総会で決まった「決議8委員会」関係のことについて、やたらと 質問する人がいましたが、何のことやらよくわかりませんでした。
 1997年度の総会決議8で「会員の減少をはじめとする日本支部が直面する諸問題を 解決するために」「1 会員および会費制度」「2 魅力ある新しい活動内容と新しい方 法」「3 その他会員拡大の目的に直接、間接に関連する諸問題」について検討し、具体 的な案を考えるための特別委員会を設けることが決まり、この特別委員会は1998年度 と1999年度の総会で具体的な提案をすることになっていたのです。その提案が「総会 資料」のP10にのっているものなのですが、どうもこれが「不充分だ」ということで、 いろいろ言われているようでした。
・私は「法人化問題」(「総会資料」P5)について「なぜ外務省と法務省で言うことが ちがっているのか」と質問しましたが、「なぜだかわからない」ということでした。
 また「魏京生氏来日問題」(「総会資料」P3)について、「今後、魏京生氏が来日で きる可能性はあるのか」と質問したところ、「アメリカ合衆国の市民権がとれて、再入国 許可がもらえれば可能で、特別に市民権がとれるめどは立っている」ということでした。
・「ユーゴスラビア連邦共和国:コソボ自治州における危機に関して」「無差別または恣 意的な攻撃をしないこと」「コソボ自治州における深刻な人権侵害の実態を把握し、中・ 長期的な解決策の中心課題として人権擁護を位置づけること」「国際社会が責任を共有し 大量に発生する難民・国内避難民を適切に保護すること」をもとめる総会声明が採択され ました。私も賛成しました。
(2) 分散会  16:30〜18:00ごろ
 総会で討議されるいろいろな問題について、テーマごとに分かれて話し合いました。
 私は「財務関係」の会に参加しました。参加者は18人ほどだったと思います。財務関 係の分散会の議題は、
・高齢者会員の会費減免問題、
・支部会計年度の変更について、
・ 今年度の予算について、の3つでした。
○高齢者会員の会費減免問題(浦和59グループほかの提案)
 私は「基本的には賛成だが、他の経済的弱者への配慮も必要である。また65歳以上、 年額6000円程度、という方がよい(年金受給年齢、ニュースレターのみの料金とのバ ランスから)。どちらにしても総合的な規約改正案が必要だ」というグループの意見をの べました。他の参加者からも似たような意見が出ていました。
○支部会計年度の変更(「総会資料」P10)
 「『総会資料』では、1月からのままでいいのか4月からにしたいのかわからない」と いう意見がたくさんでましたが、「どっちがいいかわからないので、とにかく検討させて ほしい」ということなので、「検討してもいいですよ」ということになりました。
○今年度の予算について(「総会資料」最後のページ)
 「会員が減少してオカネが足りなくなり破産しかけたけれど、みんながたくさん寄付し てくれたおかげで何とか助かった。でも寄付ばっかりに頼ってはいられないので、今後も 破産寸前というきびしい状態が続くだろう」「より積極的ではば広い活動をすることで、 会員もふえ収入もふえる。活動によって財政問題も解決していこう」ということでした。  時間がなくて説明を聞いただけで終わりました。
(3) 親睦会  19:30ごろ〜20:30
・グリンピース・ジャパンの代表の人が、アムネスティに感謝する挨拶をしました。
 3月18日に東京で開かれた「東京おもちゃショー」の会場に「大好きおもちゃ やめ よう!塩ビ」という、塩化ビニール製のおもちゃに反対する横断幕をかかげたグリンピー スの活動家3人が警察に逮捕され、グリンピース・ジャパンの事務所、代表の自宅などが 家宅捜索を受けたことに対して、アムネスティ・インターナショナルが国際的支援をおこ ない、その結果3月29日に3人が釈放されたというのです。
・死刑廃止運動の活動家でオウム真理教事件の被告がわ主任弁護士をつとめた安田好弘弁 護士が、去年の12月6日に強制執行妨害罪で逮捕され、現在も東京拘置所の自殺防止房 に入れられていることに関連して、「支援する会」の人の挨拶もありました。
・私も松江グループの活動について、短時間でしたが話をしました。(しかしみんな飲み 食い+話に夢中で、きちんと聞いている人はあまりいませんでした)
(4) オプショナル・ミーティング 20:30〜22:00ごろ
 アムネスティのいろいろな活動について、テーマごとにわかれて話し合いました。
 私は「死刑廃止」の会に出ました。
 まず「死刑廃止」のビデオを見て、話しあいました。「このビデオはなかなかよいぞ」 というのが多くの人の感想でした。
(5) その後
 そのまま同じ部屋で泊まる人々と1時ごろまでいろいろの話をしましたが、この部屋が オプショナル・ミーティングの「死刑廃止問題」の部屋といっしょだったせいか、話題は 「死刑廃止」問題に集中しました。このメンバーの中にも死刑廃止に疑問を持つ人も多く て、話はもりあがりました。
 「『人を殺すことはよくない』ということが、非常にわかりやすいことであるのと同じ く、『人を殺した者が殺されるのは当然だ』ということもまた、多くの人が納得する原理 であり、それを頭から否定することはできない」という意見や、「殺人被害者の家族の精 神的救済こそが大切だ」といういう意見などを聞きました。
 <2日目> (4月11日)
(1)全体会 9:00〜12:30ごろ 13:15〜14:50ごろ
・1999年度の活動方針について(「総会資料」P9〜11)
  説明→質問→意見→採決 とすすみました。
 私は「議案書の文章自体がむずかしくて、アムネスティの会員でもよほどベテランでな いとよく理解できない。専門用語を使わなければならない事情もわかるが、会員をふやし 活動のすそ野を広げるためには、親しみやすくわかりやすい活動内容であることが第一の 条件である」という、グループの意見を述べて、満場?の拍手をもらいました。
 「総会資料」P9〜11にのっている決議案はぜんぶ賛成多数で可決され、私もぜんぶ 賛成投票をしました。
 「総会資料」にのっているものの他に、次の決議案が提案されました。
・「死刑廃止条約採択10周年」決議案(前日の「死刑廃止」オプショナル・ミーティン グ参加者有志による提案で、私個人も提案者の一人になりました)  「国連総会で死刑廃止条約が採択されてから10周年の今年、死刑廃止運動をもりあげ るとともに、死刑についての国民的議論をまきおこそう」という決議。
 賛成多数で可決されました。私も賛成投票をしました。
・「会費支払い困難な会員の会費の減免」決議案(浦和59グループなど提案)
 「高齢者の会費の減免」決議案を「会費支払い困難な会員の会費の減免」決議案に変更 して提案されたもので、「連絡協議会(執行部みたいなもの)で具体策を検討して、20 00年度総会に提案する」というもの。
 賛成多数で可決されました。私も賛成投票をしました。
・「グループがマスメディアに積極的に働きかける仕組みをつくり、国際的に広げていく 活動を、日本支部内で試験的におこなう」という決議案(78グループなど提案)
 グループの自由参加によって国外のグループとパートナーを組み、その国の特定の新聞 に対して活動をおこなおう、というもの。
 賛成多数で可決されました。私も賛成投票をしました。
・「国連自由権規約委員会の『最終所見』を実現するために『国際人権法の国内実施をめ ざすネットワーク』(仮称)を創設する」決議案(なごや栄グループなど提案)
 1998年に国連自由権規約委員会は、日本政府が提出した第四回報告書を審査して、 日本政府に対して「最終所見」(勧告)を発表しました。その内容は、人権侵害を救済す るための独立した機関の設置、死刑囚の処遇を人道的なものにすること、未決拘禁制度を 改革すること、検察がわが収集した証拠を弁護がわに見せること、裁判官、検察官、行政 官に規約上の人権に関する研修を行うこと、などの現在日本が抱えている人権問題がほと んど含まれています。そこで、これを実現するように日本政府に働きかけよう、他の国内 NGOと協力していこう、そのためのネットワークをつくろう、という決議案です。
 この決議案には「『自国条項』(自分の国の個別の人権問題についての活動はしないと いう、アムネスティの原則)に反しないかどうか」「すでに他のNGOとの連絡会はある のでは」といった、いろいろな意見がでました。
 採決の結果は反対、保留も多かったのですが、賛成多数で可決されました。私は保留し ました。
(2) 1999年度役員選挙 14:50ごろ〜15:10ごろ
 立候補届けが期限に間に合わなかった人が一人(財務委員候補の清水克文さん)いて、 これを認めるか認めないかでちょっとモメました。しかし賛成多数で認めることになりま した。私も賛成投票をしました。
 投票の結果は有効投票260.5票のうち、各候補者とも250票〜190票で信任さ れました。私は松江グループの4票のうち、3票は全員信任1票は白票で投票しました。 これは候補者は全員ほとんど知らない人ばかりだったので完全に信任するのはどうかな、 と考えたためです。
(3) その他
 「アムネスティ・インターナショナル日本支部労働組合」の委員長が「人件費は人権費 だ」というアピールをしました。
 現在日本支部の事務職員は14人、そのうち6人が勤続年数2年未満、また8人が嘱託 やパートタイム。特に最近ベテラン職員の退職があいついで、事務局の能力が低下してき ているということです。職員が安心して働ける環境づくりが、アムネスティ全体の活動を さかんにすることにつながる、という主張でした。
5 感想
・けっこう松江グループが有名なのでびっくり。
・どんな提案も必ず反対する人や保留する人がいて、おもしろい。
・いろいろな人と会い、さまざまな意見が聞けて楽しい。
・もっと能率よく、わかりやすく話し合いをすすめないと、とても時間が足りない。
・事前の準備がすごく大変でしょうな。


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