5月例会のようす
 場所  しまね国際センター(くにびきメッセ2階)
 日時  5月21日1時から 
 参加者 9人
 学習会(アムネスティ・インターナショナル入門)
1 はじまり、歴史、目標
2 そのおもな活動内容は
3 具体的な人権侵害に対しては
4 そういう活動をするために、次のような原則がある

 今回の例会は、アムネスティ・インターナショナルの活動についての入門的な学習会に しよう、という考えでひらきました。
 アムネスティ・インターナショナルの活動はけっこう複雑で、いろいろと専門用語もあ り、守らなければならない原則なんかもあって、その全体像をきちんと理解するのは会員 であってもけっこうむずかしいものです。ましてや会員以外の人々の中には「アムネステ ィ・インターナショナルって人権保護団体としては有名だけど、具体的にはどんなことを しているの?」という人が多いのではないでしょうか。
 そこで「きちんとアムネスティの活動について学習し、お互いに疑問に思っていること を出しあうような学習会が、年に一度はやっぱり必要だ」「会員以外でもアムネスティに 興味・関心のある人に広くよびかけて参加してもらい、これを機会に会員をふやそう」な どと考えて今回の例会を開いたわけです。
 例会には9人という、ふだんの例会よりもかなり多めの参加者が集まったのですが、そ の全員がグループの会員や以前会員だった人で、会員以外からの参加者はいなかったので ちょっと残念でした。
 アムネスティ・インターナショナル日本支部がつくった、アムネスティ活動を紹介する ビデオを見たあと、これも日本支部製作の「アムネスティ入門」というパンフレットをも とにして学習しました。そのおもな内容は、

 はじまり、歴史、目標
 ・アムネスティ・インターナショナルは1960年にイギリスの弁護士ピーター・ベネ ソンさんが、「国家権力による人権侵 害を防ぐには世界的な市民運動で圧力をかけるこ とが必要だ」と考えてはじめた。
 ・1977年にはノーベル平和賞を受賞した。
 ・1948年に国連総会で採択された「世界人権宣言」があまねく実現される世界をめ ざして活動している。

2 そのおもな活動内容は
 ・人権に対する理解と共感を広く世界によびかけること
 ・とくに重大な人権侵害に反対すること
  ・暴力を用いてもいないのに、自分の信念や人種、皮膚の色、言葉、性などを理由と して逮捕された「良心の囚人」をすぐに釈放するようにもとめる。  
 ・すべての政治犯に公正ですばやい裁判がおこなわれるように求める。
 ・すべての拷問や死刑に反対する。
 ・軍隊や警察が法律の手続きなしに市民を殺す「超法規的処刑」や、軍隊や警察が法 律の手続きなしに連れ去る「失踪」に反対する。

3 具体的な人権侵害に対しては
 ・ロンドンにある国際事務局を中心に、世界中の人権問題について、くわしい情報を集 めている。現地に調査団を派遣する場合もある。
 ・集まった情報をもとに、全世界の会員が活動する。
  人権侵害がおこなわれている国の政府や責任者に、やめるように手紙を書く。

4 そういう活動をするために、次のような原則がある。
  ・人権侵害は、けっしてその国の国内問題ではない。どの国・地域でおきる人権侵害 にも、世界中の会員がおなじ姿勢でとりくもう。
  ・あくまで中立で独立した活動をする。そのために政府からの援助は一切受けない。
  個人、団体からの寄付も5%以上は受けない。
  ・囚人の安全と人権の回復を最優先に考える。手紙は決して抗議・非難調ではなく、ていねいな表現で書く。
  ・自分の国の、個々の囚人に対しては活動しない=「自国条項」
   活動の中立性を守り、アムネスティ会員の安全も守るため。
   しかし全体的な人権状況の改善を自国政府に要求する活動はできる。

 学習会の中では、次のような疑問も出されました。
 ・アムネスティの活動に参加している芸能人がいるが、芸能人自身の人権を守るために  もっと活動するべきではないのか。
 ・かぎられた情報から「良心の囚人」とまちがいなく判断できるのか。
 ・本来なら「良心の囚人」にあたる人で、アムネスティが把握していない人もたくさん いるのではないか。
 ・その国の政治状況によって、やむおえず暴力で政府に反対する活動をする場合もある のではないか。
 ・死刑をおこなっている国には、やはりそれなりの理由があるのではないか。死刑にはやはり犯罪を抑止する見せしめの効果があるのではないか。
 ・その人の思想信条には関係なく「良心の囚人」を支援するということだが、例えばオ ウム真理教の一般信者の人たちが、ただその信仰のためだけに逮捕されたというような ことがもしあったら、「良心の囚人」ということになるのか、それとも教団の教義自体 が暴力を肯定しているのだから「良心の囚人」にはならないのか。

 アムネスティ・インターナショナルの活動は、会員ひとりひとりが自主的におこなうも のです。自分が納得できるような活動ができればいいな、と思います。


     このホームページの表紙にもどる