<5月例会のようす>

 場所  しまね国際センター(くにびきメッセ2階)
 日時  5月20日(土)12時半から
 参加者 (例会5人 学習会8人)

 内容
1 サウジアラビア・中国への葉書かき
2 犯罪被害者問題についての学習会

1 サウジアラビア・中国への葉書かき

 アムネスティ・インターナショナルは今年3月からサウジアラビアに対するキャンペー
ンを始めました。
 サウジアラビアは石油の輸入を通じて日本とも深い関わりのある国です。政治的には王
政で、議会もなければ選挙もありません。政策を批判する自由はなく、労働組合も禁止さ
れています。きびしいイスラム教の戒律が強制され、同じイスラム教でもちがう宗派の人
やイスラム教以外の宗派の人々は弾圧を受けています。女性はひとりで歩いていたり夫や
近親者以外の男性と歩いているだけで逮捕されるおそれがあり、自動車の運転もできませ
ん。公正な裁判制度は確立されておらず、鞭打ちや手足切断、首切りなどの刑罰が行われ
ています。しかし国際社会はこのサウジアラビアの人権状況について、沈黙を続けていま
す。(くわしくは「アムネスティ・ニュースレター4月号」を見てください)
 例会では、サウジアラビア政府に対して、<良心の囚人>ワリード・シナニさんの釈放
を求める葉書、拷問や鞭打ちなどをやめるように求める葉書、死刑廃止をもとめる葉書、
インドネシア人家事労働者シット・ザイナブさんに公正な法的手続きを求める葉書、そし
て日本政府にサウジアラビアの人権状況について公式に発言するように求める葉書、を書
きました。

 また天安門事件以来いまだに拘束されたままになっている<良心の囚人>の釈放を求め
る葉書を、中国政府あてに書きました。

2 犯罪被害者問題についての学習会

 「死刑制度を考える会」の学習会に相乗りして、学習会をひらきました。
 これは最近ようやく関心が高まってきた問題です。
 おもな内容をまとめてみます。

・犯罪被害者は、犯罪そのものによる直接的な被害以外にも、犯罪によって一家の働き手
を失ったり仕事を失うなどの経済的損失、警察の取り調べや裁判の過程での時間的・経済
的な損失、周囲の好奇心にさらされるなどの社会的損失、さらには精神的な被害など、さ
まざまな被害を受ける。
・報道陣が多数押しかけて日常生活が侵害される、事実とはちがった報道をされる、プラ
イバシーを侵害される、被害者の側にも落ち度があったと報道で非難される、周囲の好奇
の目にさらされる、裁判などの節目ごとの報道で心の傷が深まる、など、報道被害の面も
大きい。
・捜査や裁判の過程で、自分のプライバシーを侵害される。 
・特に性犯罪の被害者の受ける二次的な被害は大きく、そのため犯罪被害を受けても泣き
寝入りする場合も多い。
・現行の法律には犯罪被害者を保護・支援するような条項はまったくない。
・事件の捜査状況や裁判の進行状況、裁判結果など、被害者に通知する制度が最近まで全
くなかった。
・証人として出廷しないかぎり、裁判に参加することができない。自分の気持ちを公式に
聞いてもらえる場がない。
・1980年にできた「犯罪被害者等給付金制度」があるが、対象は犯罪で殺された人の
遺族や重い障害を受けた人で、労災や賠償もない人にかぎり、死亡者一人あたり平均約4
00万円と金額もすくない。
・現在捜査状況や裁判の状況を被害者に通知する制度が始まったが、これは被疑者や被告
のプライバシーにかかわってくるので、非常にむずかしい問題がある。
・とくに少年犯罪の場合には審理自体が非公開であり、非常にむずかしい問題がある。
・裁判では、非公開やビデオなどでの証言が採用されるようになるというが、裁判の公平
公開の原則とのかねあいがむずかしいだろう。
・1985年の国連総会で「国連世界犯罪被害者の人権宣言」が採択されたが、条約では
ないため各国にその内容を守る義務はない。
・イギリス、アメリカなどでは民間のボランティア団体などを中心に、犯罪被害者への支
援体制がかなり整っている。
・犯罪被害者救済の問題は、死刑廃止をすすめる上でも非常に重大な問題だ。

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