島根県斐川町の旧海軍基地と、山陰空襲の記録
「川の中の飛行場 汗と涙の青春−新川基地」(自費出版)
を紹介します。
(1999年1月)
島根県斐川町は出雲大社から東に10キロほどのところにある宍道湖に面した町です。
かつて斐伊川から分かれ、現在の出雲空港のところで宍道湖に流れ込む、新川という川
がありました。江戸時代末に松江藩が住民を立ち退かせてつくった川です。
この新川の跡地で、第2次世界大戦末の昭和20(1945)年3月から飛行場の建設
工事がはじまりました。小中学生など地元の人々や兵隊、予科練学生を大量に動員して6
月にはほぼ完成、6月からは海軍の基地として使われています。この基地が実際に使われ
たのは8月15日の敗戦までの2カ月間ですが、おもに特攻機「銀河」の基地となり、人
間爆弾「桜花」も配備されていました。
7月28日には山陰一帯をおそう空襲があり、新川基地をはじめ玉湯町、安来市、大山
口などで、多数の死傷者がでています。この時のアメリカ軍戦闘機の銃弾の跡は、今も新
川を渡る山陰本線の鉄橋に残っています。
出雲空港の西約7キロのところに、現在も新川基地の滑走路がほぼ当時のままの姿で残
っています。近くの谷間には地下壕もたくさん残っています。しかしここが海軍の特攻基
地だったことや、敗戦直前に空襲があったことなどは、地元でもほとんど知られていませ
ん。出雲市に住む槇原吉則さんと足立正さんは、3年がかりで300人以上の証言、40
点近くの資料を集め、その結果をまとめた本を自費出版されました。残念ながら一般の書
店では買えませんが、たくさんの人に読んでほしい大変な労作です。ぜひお買い求めくだ
さい。
おといあわせはこちらへ
このホームページの表紙にもどる