イスラエル・パレスチナ問題基礎講座
○基礎編
・イスラエル
人口 約６００万人
面積 占領地を含めて２万８千・（中国地方全体より小さく、四国全体より大きい）
南北４７０キロ、東西１３０キロ
・バレスチナ難民
人口 中東戦争当時約７５万人、現在は約５００万人
○歴史編
前１３世紀 ユダヤ人がエジプトからパレスチナに移住（出エジプト）
前９６７年 ソロモン王即位。古代ユダヤ王国の黄金期
前５９７年 バビロニアが占領、一部ユダヤ人はバビロンへ強制移住（バビロン捕囚）
前 ６３年 ローマ帝国がイスラエルを占領、ローマ支配がはじまる
３０年 イエス・キリストが処刑される
１３５年 ローマ帝国に対する最後の大規模反乱が鎮圧される
→ユダヤ人は世界各地へ流浪（ディアスポラ）
６２９年 イスラム帝国がエルサレムを占領、イスラム化がはじまる
１０９９年 十字軍がエルサレムを占領
１１８７年 イスラム側がエルサレムをとりかえす
１５１７年 パレスチナはオスマン・トルコ帝国の一部となる
１８９２年 フランスでユダヤ人軍人の冤罪事件（ドレフュス事件）おこる
１８９７年 ユダヤ人国家の建設をめざす第一回シオニスト会議ひらかれる
１９０５年 ロシア各地でユダヤ人虐殺、パレスチナへの大量移住がおこる
１９１４年 第１次世界大戦おこる。オスマン・トルコはドイツ側に立って参戦。
１９１５年 フサイン・マクマホン協定
（イギリスは対トルコ参戦を条件に戦後のアラブ独立を約束）
１９１６年 サイクス・ピコ協定
（イギリス・フランスはトルコ領を英仏で分割することを約束）
１９１７年 バルフォア宣言
（イギリスはユダヤ人の戦争協力を目的に、ユダヤ人国家建設を約束）
イギリスがエルサレムを占領
１９２０年 パレスチナはイギリスの委任統治領となる
１９３３年 ドイツでナチス・ヒトラー政権誕生→ユダヤ人迫害はじまる
１９４５年 第２次世界大戦おわる→大量のユダヤ人難民がおしよせる
１９４７年 国連総会、パレスチナ分割案を決議
（５５％をユダヤ人国家、残りをアラブ人国家、エルサレムは国際管理）
→第１次中東戦争（イスラエルが全土の７８％を支配下におく）
１９４８年 イスラエル建国を宣言
１９５６年 第２次中東戦争（エジプトのスエズ運河国有宣言に英仏が介入）
１９６７年 第３次中東戦争
→イスラエルがエルサレム旧市街、ヨルダン川西岸、ゴラン高原、ガザ、シ
ナイ半島を占領
１９７３年 第４次中東戦争（アラブ諸国の石油戦略により石油ショック）
１９７７年 エジプト大統領サダトがエルサレムを訪問、和平交渉はじまる
１９８２年 イスラエル軍、エジプト領シナイ半島から撤退
レバノン戦争（イスラエル軍がレバノンに侵攻、ＰＬＯを追い出す）
当時の国防相が後のシャロン首相
１９８７年 イスラエル占領地で抵抗運動第１次インティファーダ始まる
１９９１年 湾岸戦争→ＰＬＯはイラクを支持し、他のアラブ諸国の援助を失う
１９９３年 イスラエル・ＰＬＯ、暫定自治原則宣言（オスロ合意）
１９９４年 ガザ地区とエリコでパレスチナ暫定自治開始
１９９５年 イスラエルのラビン首相暗殺
１９９６年 パレスチナ暫定自治政府選挙、アラファトが議長に当選
２０００年 神殿の丘事件（シャロンがイスラム教の聖地訪問を強行）
→第２次インティファーダはじまる
２００１年 シャロン、イスラエル首相になる
○和平への問題
・エルサレムの帰属問題
・ユダヤ教、イスラム教両方の聖地。
・イスラエルは１９４９年にエルサレムを首都と宣言したが、国際的には未承認。
・パレスチナ側も将来のパレスチナ国家の首都にすると主張している。
・イスラエル占領地の返還問題
・パレスチナ全土のうち７８％は第１次中東戦争でイスラエルが獲得。
・残り２２％の「占領地」のうち、パレスチナ側に返還された暫定自治区は４０％。
・暫定自治区の半分以上はイスラエルとの共同管理。
・パレスチナ側が純粋に支配しているのはパレスチナ全土の約４％。
・パレスチナ難民の帰還問題
・パレスチナ側「イスラエル軍に追い出された。故郷に帰る権利がある」
イスラエル側「勝手に出ていったのだから戻る権利などない」
・パレスチナ難民の多くは現イスラエル領内の出身で、「占領地」出身は少数派。
→占領地に暫定自治区をつくっても、難民問題は解決しない。
・ユダヤ人入植地の問題
・占領地に１９６カ所の入植地があり約２０万人が住む。
・入植者には右翼的ユダヤ人やロシアなどからの新移民が多いといわれる。
・水資源の問題
・現在ヨルダン川西岸地区の水資源の８０％をイスラエル側が使用。