◇旧約聖書@◇

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【創世紀】

〜天地創造〜

††初めは混沌として闇であった世界に、神は「光あれ」と言う。こうして光と闇が分けられる。

2日目には水と空が、3日目には陸と海が次々と造られ、

4日目には大きな光(太陽)と小さな光(月)を神は造り、それぞれに昼と夜を治めさせた。

5日目に鳥と魚、6日目に動物たちを創造すると、「彼らを治めるものが必要だ」と、

最後に神は自分に似せて人間を造り、7日目はお休みにした。

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〜アダムとエヴァ〜

††神は土(アダマ)の塵を集め、鼻に息を吹き込んで男をつくり、それをアダムと名づけた。

「好きなだけ実をとって食べるがよい。だが知恵の樹からだけはいけない。死んでしまうから」

エデンの園で何不自由なく暮らしていたが、寂しそうなアダムを見て、

神は彼を助ける者として、アダムの脇腹の骨からエヴァ(命)をつくった。

アダムとエヴァは夫婦となり、幸せな生活を送っていたところへ、蛇が現れエヴァをそそのかす。

「知恵の実を食べてごらんよ。神のようになれるよ」

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〜楽園追放〜

††アダムとエヴァは、神の足音を聞いて木の間に隠れた。裸を恥じもしたが、罪がばれるのが恐かったのだ。

神の詰問に、「蛇が悪いのです」とエヴァは罪をなすりつける。

神は蛇を呪われたものとし、エヴァの子との間に敵意を置いた。

神はエヴァに罰として子を産む苦しみと男への服従を、

またアダムには食物を得る苦労と命が終われば土に返る運命を与え、エデンの園から追放した。

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〜カインとアベル〜

††アダムとエヴァの子のうち兄カインは耕作者に、弟アベルは羊飼いとなった。

兄は畑の産物を、弟は最良の羊を神に捧げるが、神はなぜかカインの供物しか受け取らなかった。

カインはアベルを野原で殺す。人類最初の殺人である。

神に弟はどこかと聞かれ、「知らない。私は弟の番人ではない」ととぼけたカインは、

殺人を深く後悔し、放浪しながらも印によって神に守られ、最後にノド(放浪)の地に住み妻をめとった。

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〜方舟の建造〜

††アダムとエヴァの間にさらにセトができ、カインにも子供が生まれ子孫が増え、悪もはこびるようになった。

人間をつくったことを後悔した神は、地上に雨を降らせ創造物を全滅させることにする。

ただし、セトの子孫で正しい人のノア(慰め)だけは例外である。

「ノアよ、糸杉で大きな舟を造り、それに食料と鳥や獣を一つがいづつ乗せよ。そして、

妻子やその嫁たちと中に入るのだ」

※方舟の仕様は、神が指定している。長さ150メートル、幅25メートル、高さ15メートルの屋根つき3階建て。

入口を側面に、上方に明かり取りをつけ、内側と外側に防水のためタールを塗る。

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〜大洪水〜

††方舟が完成してから7日後、40日間も続く大雨が降った。

大水は150日間も引かず、神は風を吹かせ水を引かせ、現れたアララト山の頂に方舟は止まった。

40日過ぎてからノアは最初鳥を放ったが、飛び回るだけだった。鳩を放つと戻ってきた。

さらに7日待って鳩を放つと、今度はオリーブの葉を咥えて戻ってきた。

最後に鳩を放つと、もう戻って来なかった。水は完全に引いたのである。

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〜人類の始祖〜

††ノアは方舟を出ると、神に感謝のしるしとして祭壇を築き、供物を焼いた。

喜んだ神は彼らを祝福し、「産めよ、増えよ、地に満ちよ。獣や鳥、地を這うものや魚はすべて、

あなたたちに支配され、食料となるだろう」といい、空に美しい虹をかけた。

こうして世界は新しくなり、いまやアダムに代わりノアが人類の始祖となる。

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〜バベルの塔〜

††人間も数が増え、神を恐れぬ傲慢な気持ちが起こってくる。

「天まで届く高い塔を造って名をあげよう。その中に住めば、皆ばらばらにならないだろう」

神は人間の高慢な企てに怒り、彼らの言葉を混乱させたので、塔は未完成となり人間は各地に散った。

この町の名をバベル(混乱)という。

※「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを」と聖書にあるように、

この塔は人間の知恵の成果であった。

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〜アブラハム〜

††バベルの塔の崩壊後、セム(すべての民族の祖。他にヤペテ、ハム)の子孫テラは新天地を探しに、

一族と羊を連れて旅立つ。しかし途中で病死し、息子アブラハムは神の言葉に従い、

甥ロトと苦しい旅を続け、痩せたカナンの地で、身内の羊飼いたちが喧嘩をすると、

アブラハムは別離を決意し、ロトは豊かな平野を選ぶ。

王に略奪されたロトを救った勇敢な信仰の人アブラハムは、神に祝福される。

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〜イサクの犠牲〜

††アブラハムと妻サラの間に、子供イサク(笑い)が生まれ、一家は平和な毎日を送った。

しかしある時、神は残酷にも息子を山上で焼いて捧げよと命じる。

苦悩のアブラハムがイサクを連れて山に行き、祭壇の上で彼の喉元に小刀を当てたその瞬間、

天使が現れその手を止めると、「お前が神を畏れる者であることがよくわかった」と神の声がする。

その後、彼らは薮に角をとられた牡羊を生贄として神に捧げた。

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〜ロトとソドム〜

††アブラハムと別離し、ロトは男色はびこる淫らな町ソドムに腰をすえた。

ある時この町に来た2人の天使を、彼らをなぶりものにせんとする人々からロトが守ってやると、

「明日この町は滅ぶ、急いで逃げなさい」との天使は告げた。

ロトの家族が非難すると、ソドムとゴモラは硫黄の火によって滅ぼされた。

「後ろを振り返ってはならぬ」という神の言葉に反したロトの妻は、塩の柱になってしまった。

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〜井戸端のリべカ〜

††イサクの嫁に相応しい女性を探すため、アブラハムは故郷メソポタミアに忠実な下僕を差し向けた。

到着地ナホルの井戸端で、下僕は旅の疲れを癒す水をくれる女性に出会わせて欲しいと神に祈る。

水を汲みに来ていた大勢の女性の中で、美しい娘リベカは親切に、彼にたっぷり水を与え、

可哀相にとラクダたちにも水を飲ませた。

こうして彼女はイサクの妻となるべく、下僕とカナンに旅立つ。

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〜エサウとヤコブ〜

††イサクとリベカには、兄エサウと弟ヤコブの双子が生まれたが、リベカはヤコブの方を可愛がり、

年老いたイサクをだまして、エサウに化けたヤコブに兄の権利が全て与えられるようにした。

エサウは復讐を誓い、ヤコブを追う途中、彼は梯子が天に届き、天使が昇り降りしている不思議な夢を見、

「お前が横になっているこの土地をお前に与え、お前を守ろう」という神の声を聞いた。

その後ヤコブはリベカの兄のもとでただ働きをさせられたが、妻ラケルと羊ちで故郷に向かう。

ある夜、神が彼と朝まで取っ組み合いを続け、最後にヤコブが勝つと、

「以後イスラエル(神が守る人)」と名乗るがよい」、と神は彼を祝福した。

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〜ヨセフ〜

††ヤコブとラケルの子ヨセフは、ヤコブがレアとの間にもうけた息子たちに憎まれた。

「兄さんたちの穀物の束が僕の束にお辞儀するのを見た」と吹聴したことから、

エジプトに向かう隊商に売られてしまう。エジプトでは軍隊長ポテパルの妻の誘惑をはねつけ、

中傷され牢につながれるが、王の夢を7年後の豊作とその後の飢饉と読み解き、

夢解釈者としての能力でエジプトの副王にまで出世した。

飢饉に際しエジプトに来た兄たちと出会うが、末子のベニヤミンを連れて再訪したとき、

初めて正体を明かし彼らを許した。