仏像の見分けかた

太陽電池

[[如来]]

「如来」の「如」は「真如」(真実)という意味で、私たちを苦悩から救い、教えを説くのが如来です。

(見分けかた)

*装身具をつけず、古代インドの出家した僧侶姿

螺髪(右巻きの巻き貝状の髪型)と肉髻(頭の上にお椀を伏せたような段差のある頭の形)。

*手には何も持っていない。

@釈迦如来:誕生から死(涅槃)までの80年間の生涯を、その節目ごとに像にされています。

A薬師如来:その象徴として薬壷を持ち、両脇に日光・月光菩薩がいる場合が多い。

B大日如来:釈迦以前の、絶対的真理を表している仏。

C阿弥陀如来:仏の智慧と慈悲を備える。親指と、小指以外の指で輪をつくる。

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[[菩薩]]

すでに悟りをひらいた如来に対し、菩薩は修行なかば

(見分けかた)

*宝冠やネックレスなど、豪華な装飾品を身につけている。

*法輪・宝珠・蓮の華などの持ち物を持っている。

@聖観音:多種多様につくられている。手に蓮の華を持ち、柔和な顔つき。

A十一面観音:さまざまな表情の仏を10(または11)面のせた冠を頭にのせている。

B千手観音:多くは手は42本。頭上の仏面に慈悲・瞋怒・狗牙上出・大笑・頂上仏の5つの顔。

C地蔵菩薩:釈迦が入滅してから、弥勒菩薩が出現するまでの56億7千万年の間、私たちを救う。

D弥勒菩薩:平安時代以降は宝塔を持つ場合が多く、それ以前のものは半跏思惟像が主。

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[[明王]]

「明」とは密教で、唱える真言(呪文)のことをいう。

(見分けかた)

憤怒の表情。剣を手にしたり、火焔光を背にしている場合もある。

@不動明王:五大明王の中央に位置。利剣とけん索(投げ縄)を持ち、火炎光背を背にする。

A降三世明王:阿弥陀如来の変身した明王。3つの顔にそれぞれ3つの目、手は8本

B軍茶利明王:五大明王のうち南方を守る。目が3つで8本の手すべてに蛇が絡まっている。

C孔雀明王:金色の孔雀に座る形と、台座に座禅して手に孔雀の羽を持つ形の2通りがある。

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[[天]]

如来・菩薩・明王よりも地位は下で、天の世界は六欲天・色界・無色界の三層から成ります。

(見分けかた)

時代とともに増加しながら形成されたため、全体を統一する特徴を挙げることは困難。

@帝釈天:中国の宮廷服や貴婦人の服装。牙のある象に乗っている場合が多い。仏教の守護神。

A持国天:帝釈天を守る四天王のうち、東方を受け持つ。甲冑を身まとい、刀や鉾を持ち、憤怒の顔。

B増長天:南方を守る。甲冑と憤怒の表情。刀、鉾、杵などを持つ。

C吉祥天:天女の姿で宝冠をのせ、頭の後に輪光がある。装飾品多数、左手に宝珠。


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太陽電池

<太陽電池とは>

 世の中には「電池」と名のつくものに、「太陽電池」のほかに「乾電池」(1次電池)、「蓄電池」(2次電池)などがあり、

いずれも直流の電気を発生する装置である。乾電池、蓄電池は「電気の池」のごとく容器内に蓄えた化学エネルギー

を電気エネルギーに変換、取り出す装置である。

 太陽電池は「電池」の名前がついているが、一般によく使っている乾電池、蓄電池と違い、器に電気は蓄えられて

いない。光エネルギーを電気エネルギーに瞬時に変換する光発電装置(あるいは光電変換器)なのである。

 英語ではSolar cell(太陽電池)、Photovoltaic cell(光発電電池)、あるいはSolar battery(太陽電池)

などと呼んでいる。

※1次電池:放電によって電気を使い切ると二度と使えない、充電できない電池。

※2次電池:放電によって電気を使ったあとに充電すると繰り返し使える電池。

                                                               

<原理>

 一般的な太陽電池はシリコン(Si)といわれる原子がたくさん集まった薄い板状のものである。原子の並び方は次の

ように3種類あり、それぞれ矢印(→)の右側のような太陽電池が作られる。

@単結晶(singl crystal):全体にシリコン原子が碁盤の目のように秩序整然と並んでいる。

 →単結晶シリコン太陽電池(c−Si Solar cell)

A多結晶(poly crystal):単結晶の粒が寄せ集まっている。

 →多結晶シリコン太陽電池(poly−Si Solar cell)

Bアモルファス(amorphose):全体に原子がばらばらに集まっている。

 →アモルファスシリコン太陽電池(a−Si Solar cell)

 ジリコン以外にもガリウム砒素(GaAs)、銅インジウムセレン(CuInSe)などの材料の太陽電池が作られている。し

かし、地球上の資源量やその他の問題から、無尽蔵にあり、しかも安全なシリコンを材料とした太陽電池を作ることが

望ましいと考えられている。

                                                               

構造

 シリコン原子だけで作られた固体を一般にシリコン半導体といい、またこれを板状にしたものがシリコン基盤である。

シリコン原子の一部をリン(P)原子と入れ替えると、リン原子の数だけ自由に動ける電子(マイナスの電気量をもつ粒

子)がシリコン基盤内に現われる。この半導体をN型半導体という。

 また、ボロン(B)原子と入れ替えると、その数だけ自由に動けるホール(プラスの電気量をもつ粒子、電子の抜け穴

のようなので正孔ともいう)が現われる。この半導体をP型半導体という。このように基盤のシリコンの一部をリンやボロ

ン原子と入れ替える操作を不純物を入れるという。

 N型半導体は自由電子にとってたいへん居心地が良く、電圧が加わるとこれらの電子が+極方向に移動する。一方、

P型半導体は自由ホールにとって居心地が良く、電圧が加われば、これらが−極方向に移動する。一般の太陽電池

は、P型半導体板とN型半導体板が合わさった-N型接合構造をしている。この接触面をP-N接合面といい、太陽電

池の重要な役割を担っている。

 ここで注意したいのは、P型半導体板とN型半導体板をのりではり合わせたり、万力などの工具で強く押さえてもP-N

接合とはいわない。P-N接合とは、シリコン原子が切れ目なく連続して並んでP-N構造が作られていることなのである。

 P-N接合ができると、接合面には電子をN型側に、ホールをP型側に引っ張る超強力な電気力(電界)が発生し、電

子、ホールの荷電粒子を居心地の良い方へ引き込むことになる。つまり、P-N接合の役割は、電子・ホールの分離

いうことになる。

 光はシリコン原子に当ると、シリコン結晶の中に入っていてシリコン原子に拘束されている電子にぶつかり、電子を自

由にすると同時に、その抜け穴(正孔、ホール)も自由に動けるようにする。つまり光は、自由電子と自由ホールを発生

させるのである。P-N接合面のところで自由電子と自由ホールをより多く発生させるために、太陽電池内のP-N接合面

は光がよく入り込める表面近くに作る。

                                                               

<電気の発生>

 太陽電池の表面近くに作ったP-N接合部に太陽光が入ると、すぐにそこに電子、ホールが発生し、その数は太陽光

が強ければ多くなる。時間がたつと電子、ホールはすぐに結合して消滅するが、光が当っている間中、電子、ホールを

発生し続ける。

 そして、結合して消滅する前にP-N接合部の強力な電気力によって、電子はN型側に、ホールはP型側に分離され

る。その結果、太陽電池は一般の「電池」と同じように、外部から見ると太陽光が当っている間、P型表面がプラス極に、

N型表面がマイナス極になるのである。プラス極は電位が高くマイナス極は電位が低いので、この両極を導線で結ぶ

と、導線を通して電流がP型のプラス極からN型のマイナス極に流れる。ただし、導線内では電子はマイナス極からプ

ラス極に向かって流れ、プラス極でホールと再会し、そこで電子、ホールは消滅する。

                                                               

<特色>

(長所)

●直流の光発電装置である。

●エネルギー源が太陽光であるので化石資源を消費せず、しかもタダ。

●環境を害する排出物を出さない。

●機械的な可動部分がないので雑音を出さない。

●寿命が長い(結晶シリコンタイプで30年以上、アモルファスシリコンタイプで10年以上といわれる)。

●出力を大小自由に設計でき、送電線などが不要で発電設備と電気製品を直結できる。

●土地の多重利用が可能。

(短所)

●天候、時刻によって出力が激変し、季節、温度によっても変動する(月光でも発電しない)。

●現状では一般電力より単価が高い。

●面積あたりの出力が小さく、エネルギー変換効率が低い。


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