界面とは、気体や液体。固体が互いに接する境界面のことで、5種類の界面が存在する。
界面はそれ自身、その面積を小さくしようという傾向があり、
この傾向が大きいと、表面(または界面)張力が大きく、小さいときには表面(界面)張力が小さい。
地球が丸いのも、水滴が球形になるのも、この表面張力の現れである。
界面活性剤とは、界面の性質を変える効果の大きい物質である。
@親水基:水に溶けやすいが油に溶けにくいグループ。
A疎水基:水に溶けにくいが油に溶けやすいグループ。
この二つの部分が共存していれば、界面活性剤の働きができる。
【特徴】
@表面張力低下作用
:界面活性剤が水に溶解すると、水の表面により多く吸着し、水の表面張力を大幅に低下させる。
表面張力が低下すると、洗剤が浸透しやすくなる。
A湿潤・浸透作用
:界面活性剤溶液が固体と接するときには、水と固体の界面に吸着し、固体表面の性質を大きく変える。
B乳化作用
:本来は混じり合わない二つの液体を混ぜ合わせる。
乳化は油滴の周囲に界面活性剤が吸着し、油滴を安定させるものである。
C分散・懸濁作用
:いったん乳化状態になった油滴は、他のものと結合したりして大きな固まりになろうとするが、
界面活性剤はこれを防ぎ、こまかい粒子にして、そのまま分散させておく。
D可溶化作用
:水と油に界面活性剤を加えて混合すると、条件によっては透明な溶液を作ることができる。
これは溶解中の界面活性剤の濃度がある程度まで高くなると、それまで単分散状態だった界面活性剤が、
粒子の大きさ3から10ナノメートル(nm)程度の集合体(ミセル)を形成するためである。
一度はどこかで使ってみたい言葉ですね。形而上学的…って。
それからここでは、文字にするのは気が引けるけど、言葉にすれば頭のいい人の、
「ア・プリオリ」という言葉についても説明します。
<形而上学(metaphysics)>
ギリシャ語のmeta(後)+physika(自然学)より由来する、ヨーロッパ語の訳。
アリストテレスの遺稿「tameta ta physka(「自然学」)によりますが、
この名前はまったく偶然的なものです。
意味はその後、数多の思想家たちによってゆがめられ、
今日では、“経験にうったえない、何だかよくわからないが独断的な考え方”
あるいは、“ある考え方の基礎となっている、普通のやり方では十分説明のつかない考え”
“その人の頭の中に天下り式に出てきて、その人の考え方や行動を左右している考え”
の意味に用いることがあります。
<形而上学的唯物論>
ギリシャ初期の唯物論(タレースからヘラクレイトスまで)とマルクス主義の弁証法的唯物論をのぞいた、
のこりすべての唯物論のこと。
自然現象を単純な機械的運動と考え、「発展」という考えをもたず、
社会現象を自然現象に還元して考えます。
フランス唯物論、フォイエルバッハの唯物論などがこれ。
<ア・プリオリ>
生まれながらの意。「生得的」ともいいます。
「理性」「自然の光」“AはAである”の観念などのこと。
「論理的に先んじていること」(カント)
●宇宙項
:宇宙を定常とするために、アインシュタインが方程式に導入した定数で、重力による引力に釣り合う役目を
果たす斥力のようなもの。宇宙の膨張が急激に加速されるという「インフレーション宇宙論」では、この宇宙項
が復活した。最近では銀河の数の観測データによる宇宙の平均密度が、正の宇宙項を導入するとうまく説明
できるという研究報告がある。
●オルバースのパラドックス
:宇宙が無限に大きいとしたら星の数も無限になるので、宇宙全体から地球に届く星の光によって、夜でも空
は昼のように明るいはずである。しかし現実には夜が暗いのはなぜだろう。実際には宇宙が膨張しているため
後退速度が光速度を超えてしまう領域からの光は、永遠に地球には届かないので昼のようになることはない。
●ガウス
:磁場の強さを表わす単位で、ドイツの数学者ガウス(1777〜1855)の名からとられた。
●仮想粒子対
:量子論の「不確定性原理」によれば、真空はプラスの電荷と、マイナスの電荷をもった粒子対が、一時的に
出現してはすぐに対消滅しているという。ごく短い時間に現われてはすぐに消滅するので「仮想粒子」と呼ば
れる。
●月震
:月に起きる地震。1ヶ月周期で変化し、年に約1000回検出される。地球の重力(潮汐力)が月の深部の岩石
に働いて起きるが、隕石の衝突と考えられる振動も検出されている。
●コリオリの力
:偏向力または転向力ともいう。回転している場(木星上など)で運動している物体(木星大気など)には、それ
を横に曲げようとする仮想上の力が働く。地球上の大気現象もこれによって説明される。
●ジオイド
:海面上で潮汐や波浪などが、すべて止まったと仮定した水面(水準面)は重力の方向と直交する。実際には
海面の位置を時間的に平均した面(平均海水面)がそれにあたる。
●ジャイロスコープ効果
:地球の自転軸は、2万6000年を周期として、コマのように揺れていることが知られている。地球の重力が周囲
の時空を歪め、そのため軌道が少しずつずれていき、ニュートン力学では説明できない余分な移動を引き起こ
す。地球の歳差は検出が難しく、今のところ地球まわりの人工衛星を使って検証しようとする試みがある。
●彗星の構造
:彗星が太陽に3天文単位にまで近づくと小さな核表面が蒸発しコマを形成し始め、1.5天文単位で尾が発生
する。コマはガスとダストからなっていて、10万から100万kmまで広がっている。
●相転移
:物質の状態が変わること。物理学では対称性が破れることをいう。たとえば液体状態の水分子は、上下左右
どこからみても同じように見える(球対称)。臨界温度以下になり氷になると、水分子はある方向性をもって並ぶ
ので球対称は破れる。このように相転移は温度の上昇、下降によって起きる。水が氷になるとき潜熱が発生す
るように、相転移の際にはエネルギーの出し入れが起きる。
●大気の上層
:地球を包む大気は高さと性質の違いによって、幾つかの層に分けられている。地表から約12kmの高さまで
を対流圏、それから上約50km付近までを成層圏、その上に中間圏、熱圏と続き、500〜600kmの外気圏
(磁気圏)を上限に惑星空間とつながっている。
●潮汐の周期
:地球が24時間で自転する間に、月は地球の自転と同じ方向に約27日間かけてゆっくりと公転している。この
結果、毎日の月の出は、1日の公転分(50分)づつ遅れる。潮汐の周期もこれに符号して24時間50分間隔と
なる。
●月の岩石の成分
:アポロ計画で持ち帰った月の岩石成分は、アルミニウム8.9%、鉄10.3%、チタン2.3%、シリコン21.0%、
マグネシウム5.0%、カルシウム7.1%、酸素〜45%。
●天文単位
:地球から太陽までの平均距離。A=1.49597870×10の8乗km(1.5億km)を1天文単位といい、惑星な
どの近い天体を表わす時に使われる。
●等価原理
:等価原理の“等価”とは、重力と慣性力が等価ということで、「重力は座標変換で消すことができる見せかけの
力」であるという意味。アインシュタインは、ニュートンの考えを拡張し、後にこの「等価原理」と呼ばれるようにな
った提言にまとめた。アインシュタインは、力学的な、あるいは、あおれ以外のどんな実験によっても、慣性質量
と重力質量を区別することはできないと主張した。
●パイ中間子
:陽子と中性子を結び付ける強い力を説明するために、湯川秀樹によって導入された粒子で、観測的に実証さ
れている。中間子は他に、Uクォークと反Sクォークから成るK+中間子などがある。
●ハドロン
:クォークの複合粒子のことで、クォーク、反クォーク1個からなる中間子や、3つのクォークから成るバリオンをい
う。電子やニュートリノ等はレプトンという。
●光と時間
:時間の定義は、ある原子の放射する電磁波(光)の周期の継続時間によって定義されている。国際単位系(SI)
では、「秒は、セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の91億9263万
1770周期の維持時間である」としている。
●光の速度
:電気と磁気の相互関係を調べ、電磁気に関するすべての事柄の基礎方程式をつくったマクスウェル(1831〜
1879)は、電気と磁気の統一は、波動(電波、磁波)として記述できることを見出だした。この電磁波の伝播速度
は、マクスウェルによって求められ、定数Cとして、彼の方程式に登場していた。その結果、電磁波は光と同じ速
さで伝播し、光は電磁波であるという、電磁現象と光の統合に到達した。
●微惑星
:外側の惑星軌道で作られた微惑星の主成分は氷だったと考えられている。これは、現在の彗星の核とよく似て
いるため、彗星は微惑星の生き残りと考えられている。
●プリンキピア
:ニュートンの主著。正式名称は「自然哲学の数学的諸原理」で、諸原理に当るラテン語が「プリンキピア」。物理
学のみならず、近代科学の規範を示す大著で、現在でも地球上の物理現象に対しては有効である。
●分子雲
:暗黒星雲の中は非常に温度が低いため、原子同士が結合し複雑な分子になることが比較的容易で、一度でき
た分子が安定に存在できる場所である。分子の観測によって存在が明らかになった星雲を特に分子雲という。
●陽電子
:電子と反対の電荷(プラス)をもつ、質量はまったく同じの反粒子。観測的に実証されている。