オゾン層とは、大気の上層の成層圏の中で、太陽の紫外線の作用によってオゾン(O3)が作られ、
20から30キロメートル付近に形成されている非常に希薄な層のことです。
地球に降り落ちる紫外線のうち、生物の細胞中のDNAやたんぱく質を傷つける、
3200オングストロームより波長の長い紫外線を吸収してくれており、
人間にとっては非常にありがたい存在なのです。
しかし、人間の活動によって生じた化学物質の影響によって、
オゾン層の密度が半永久的に減少してしまう可能性が出てきたのです。
オゾンを破壊すると考えられているものの中で最も有力なのはフレオン(フロン)で、
冷蔵庫やエアコンの冷媒、スプレーの噴射剤、ウレタンフォームの発泡剤として使用され、
現在までに、およそ200万トンのフレオンが大気中に放出されてきたといわれています。
大気上層に到達したフレオンは、太陽の紫外線により分解され塩素原子を放出します。
この塩素原子がオゾン分子中の酸素原子を奪ったり、触媒のように働き、オゾン層を破壊するのです。
オゾン層の破壊によって地上に降る有害な紫外線が増加すると、
皮膚がんの発生率が高くなることが知られています。
植物の育成や農作物、海洋のプランクトンにも少なからぬ悪影響を与えることになります。
国際的なフレオンの規制が進められていますが、
フレオンによる塩素濃度の塩加は非常にゆっくりなため、
南極上空のオゾンホールは、これから何年も、大きくなり続けるでしょう。
[オゾンの生成と破壊]
1:太陽の紫外線により大気中の酸素分子(O2)が2つの酸素原子(O)に分解される。
2:そのうちの1つが他の酸素分子と結合してオゾン(O3)が作られる。
3:地上からのぼってきたフレオンは、太陽の紫外線により分解して塩素原子を放出する。
4:この塩素原子がオゾンの酸素原子を奪って、一酸化塩素と酸素分子になる。
5:一酸化塩素はすぐに酸素分子と反応し、酸素原子と塩素原子にもどる。
6:その塩素原子は4を繰り返す。
7:また、塩素原子は酸素原子とオゾンを反応させ、2個の酸素分子に変えることでオゾンを破壊する。
2世紀から3世紀の日本に、邪馬台国は存在しました。
といっても、当時の記録は日本には残っておらず、
中国の歴史書「魏志倭人伝」2000字足らずが、ほとんど唯一の資料なのです。
みなさんご存知の大和(畿内)説・九州説の論争は、
この「倭人伝」の解釈の仕方の違いによるもので、
近年の考古学的な発見が、この邪馬台国論争に彩りを加えています。
[九州説]
1:「倭人伝」にある、“水行10日陸行1月”は、“水行10日陸行1日”の誤り。
2:もしくは、“水行なら10日、陸行なら1月”と読むべきである。
2:女王国の東に別の倭国があるとしるされており、それが大和の国である。
3:九州北部には、「王」の存在を証拠づけるような多数の副葬品をともなった墓が存在している。
4:3世紀の北九州の青銅器は、畿内よりもはるかに多い。
5:佐賀県の吉野ヶ里遺跡は、「倭人伝」の内容を彷彿とさせている。
[大和説]
1:邪馬台国には7万余戸の家あったとあるが、それほど大きな国は、当時大和にしかありえない。
2:「倭人伝」にある魏の使者の来邪馬ルートは、南と東を間違えている。
3:大和は邪馬台国と音が一致する。
4:前方後円墳は、3世紀後半に大和で発生している。
5:大和には、弥生時代後半の集落遺跡が多い。
6:京都府相楽郡で発見された三角縁神獣鏡は、同笵鏡が大和を中心に分布している。
この論争の一端は、「倭人伝」の記述の不正確さが担っており、
そのせいで、邪馬台国の候補地は、東北から沖縄にまでおよんでいます。
ただし、邪馬台国の謎はその所在地だけではなく、
その成立と解体、社会形態と生活、政治的外交活動、そして女王卑弥呼の存在自体、霧の中なのです。
特に、考古学的な成果に期待されるところでしょう。
太陽は、生命のエネルギーの源として過去数千年にわたって、あらゆる民族によって崇拝され信仰の
対象とされてきた。
太陽は銀河系の中では、大きくもなく小さくもなく中くらいのごく普通の星である。年令も星の一生のうち
のちょうど中間にあたる。現在太陽が生まれてから47億年経っていると考えられており、この後また50億
年は輝き続けるだろうと言われている。
太陽は、半径69万6000km、地球の半径の109倍、体積で130万倍、表面温度6000度の火の玉である。
その構造は中央部が半径60万kmに及ぶ輻射層と対流層を含む核からなり、その上に500kmの光球層、
そして、その上に彩層があり、さらにそこから外に、日蝕時に見られるコロナがひろがっている。
太陽の中心は1500万度という高温で、水素と水素が融けあってヘリウム原子を作る核融合反応が行な
われ、莫大なエネルギーを作り出している。中心で作られたエネルギーは、輻射層、対流層を経て表面に
たどり着き、大部分は可視光や赤外線となり放射される。
太陽から地球にふりそそぐエネルギーは、空気がないと仮定した場合1uあたり毎分約1.4キロワット、地
球全体にすると毎分7×10の14乗キロワットとなるが、これは太陽全体から放出されるエネルギーの10億
分の1にすぎない。
太陽表面を見ると、太陽活動が盛んになると起こる爆発現象であるフレアや、彩層からガスの塊が大きな
速度で打ち上げられるプロミネンス、光球部分には黒いシミのような黒点がみられる。
また太陽も自転しているが、赤道付近では27日、両極では30日と一周する速度が違っている。これは太
陽表面が流体である1つの証拠といえる現象である。またこのため、これに起因するもう1つの長い周期であ
る11年周期が存在する。この11年周期で太陽は、活発になったり静かになったりしているのである。
太陽は現在のところ、その表面の現象を細かく観察することのできる唯一の恒星である。太陽表面では様
々な現象が観測されているが、その中でも特徴的なものとして黒点がある。
太陽黒点を望遠鏡によって初めて観測したのはガリレオといわれているが、それ以前にも肉眼では観測さ
れていたらしい。黒点は、中心の部分と、それを取り巻く半暗部からなっている。黒点が黒く見えるのは周囲
に比べて温度が低いためで、スペクトルの観測から周囲の6000度に対して4000度くらいであることがわか
っている。また、ずっとそこに存在しているわけではなく、出現したり消滅したりしていて、寿命も1日〜100
日と幅がある。
黒点からは、500〜5000ガウスという、他の領域と比較してかなり強い磁場が観測されている。このため磁
場が黒点の発生に大きく関係していると考えられている。
磁場と関係した現象として、太陽表面に起こるフレアという爆発現象がある。フレアは太陽活動が盛んにな
ると頻発するようになる。フレアが起こると大量のプラズマや、高いエネルギーの電子やイオン、X線などが放
出される。これらは8分ほどで地球に到達するが、これが原因になって地球の大気上空の電離層で、通信電
波が撹乱されたり、磁気圏では、磁気圏嵐を引き起こし、そのため極地ではオーロラが盛んに起こるようにな
る。このようにフレアは地球に与える影響も大きいため、太陽表面で起こる重要な現象として精緻な観測が続
けられている。
太陽は我々の生活になくてはならない光とエネルギーを与えてくれるが、そのエネルギーを作り出している
のは、太陽の中心部で起こる核融合反応である。
太陽を構成する3分の2は水素、残りはヘリウムと考えられている。その水素が1500万度という超高温の中
心部でたがいに融けあってヘリウムを作り出し、同時に莫大なエネルギーを発生しているのである。
※プロミネンス
:太陽表面から外に出た磁力線にプラズマのガスがとらえられて起こる現象。周辺の空を背景にした時は明る
く見え、光球上では暗く見える。形や運動の様子は様々で、10万km以上の高度に達するものもある。
※コロナ
:太陽の大気の外側を取り巻いているのがコロナである。コロナのガスは100万度以上という非常に高温なた
め、ガスの原子は周りの電子を弾き飛ばした状態(プラズマ)となっている。コロナは太陽活動の変化にともな
ってその形を変える。
※太陽風
:コロナの観測によって、太陽にも磁場があることがわかっている。そして磁場の開いた場所からは、太陽内部
からのプラズマの風(太陽風)が激しく大量に吹き出して宇宙空間へ流れ出している。
※黒点
:黒点は赤道付近に多く、2つを1つの対として現われる。また2つの黒点を結ぶ線は、太陽の赤道にほぼ平
行している。このようなことから黒点は、太陽の自転によって対流層にできた磁力線が、赤道付近の速い自転
によってよじられ、表面に出てきたものと考えられている。つまり黒点は磁力線の断面で、黒く見えるのは周囲
よりも温度が低いためである。
※フレア
:対流層で、ねじられてエネルギーがたまった磁力線が、太陽表面に立ち上がると、磁力線はばらばらになり、
たくわえられていたエネルギーは一気に放出されるので、激しい爆発が起きる。これがフレアである。フレアか
ら放出されるエネルギーは約1032エルグで、これは太陽から地球にふりそそぐ太陽エネルギーの約1年分に
相当する。
※核融合反応
:太陽の中心部は、1500万度、水の150倍の密度という、超高温、超高密度の状態にある。このため水素原
子(電子1個と陽子1個からなる)は、周りの電子をはぎとられ、原子核(陽子)の状態で飛び回っている。陽子
はプラスの電荷を持っているので、通常ならば陽子どうし反発し合うが、ここでは高スピード(600km/秒)で
動いているため、陽子どうし衝突を起こす場合がある。そうなると連鎖的に次の衝突が起こり、結果として4個の
陽子からできたヘリウムが作られる。この間質量の減少が起こるが、この減少分の質量がエネルギーとして放出
され、太陽表面から熱や光として放出される。